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ブログ2013/12

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テニスを観て楽しもう[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/12/28(土) 02:01

先日、東京三鷹にあるMTSで開催されたHEAT JAPANを
教えている高校生達と観戦してきた。
HEAT JAPANとは日本男子テニス界のトップにいる
伊藤選手、添田選手、それから守屋選手、鈴木選手、
内田選手が一同に介し、エキシビジョンマッチを行うのだが
そのプレーするコートに対して作られる観客席の距離は
本当に近く、打つ音、息づかい、独り言など、選手の存在を
ど迫力に感じながら観ることが出来るのだ。
ちょっとプレーする選手にとってはコートの広さが窮屈な部分も
あるだろうがそれだけ観る人の満足感を考えたイベントに
なっていて、選手達もまたその辺りのことは承知で頑張ってくれる。
 
この参加メンバーで全勝優勝を果たしたのは先日全日本選手権でも
優勝を果たした伊藤竜馬選手。
ベースラインのはるか後ろからでも一発フォアハンドストロークで
エースを決める彼のプレーは素晴らしく、一緒に行った高校生達も
興奮しっぱなしだった。
プレーだけじゃなく体も随分逞しくなって威厳もにじみ出て来た
伊藤選手だが、俺が初めて彼のプレーに魅了されたのは実はもっと昔。
俺がまだ現役として試合に出場していた頃のこと。
その中でも特に覚えているのは、6年ほど前、群馬県の草津温泉で
開催された国際大会でのこと。
 
まだ10代だった伊藤選手は俺と同じ予選に出場していた。
その日は予選2回戦で午前中に雨が降り、試合は午後からのスタート。
俺が入るコートで俺の試合の前に行われていたのが
伊藤竜馬選手対山本哲洋選手の試合だった。
もうその時点で陽が傾いていたのをよく覚えている。
まだ予選だしもう薄暗くなりかけている状態なので観客はいない。
そもそも草津温泉なので相当熱心なテニスファンじゃないと
本戦も観に来ない場所なのだが。
そんな伊藤選手と山本選手の試合を観戦していたのは、俺を含めた
試合待ちの選手くらいなものだった。
 
しかしそこで観させてもらった試合の内容は素晴らしかった。
お互い一歩も引かずに真っ向勝負で打ち合う・・・という
スタイルだから、テンポが合ったのかもしれないが、気圧の関係で
ボールが吹っ飛びやすいあの草津のコートで、ブンブンとラケットを
振り回しながら熱戦を繰り広げている姿を、俺は次に自分がそのコートで
プレーをしないといけないことを思わず忘れるほど見入ってしまった。
その時、俺はその試合を観ながらこう思った。
「こんな凄い打ち合いを、観客もいない中こうやって観ている
なんてなんと勿体無いことか。」
 
今現在の伊藤選手のプレーと比べると随分と差はあるが一つ
変わらないものがある。
それは「気迫」。
自分自身を信じてコートに立ち、一球一球ボールを打ち込んでいる
彼の気迫はまだ10代の頃の伊藤選手からも同じくらい感じられた。
そして観客というものは、そういう「気迫」を観ることで、
その瞬間のプレーを楽しむだけでなく、その選手の未来に胸を躍らせる。
そういう意味ではテニスが上手くても、今後の成長が感じられず
現実に妥協しているような選手ではやはり観客は魅力も感じないし、
当然応援する気にもならない。
試合内容は大事でだが、やはりプロとして今後大きく飛躍する
可能性をビンビンと発しているかが見応えになるんだと思った。
 
今後の日本テニス界はもっともっと成長出来る可能性がある。
それは男子も女子も選手がどんどん今のトップ選手に続いて
活躍し、海外のビッグトーナメントで良い戦績を挙げて
いくこと・・・だけでは不十分で、本当に必要なのは国内で既に
活躍している選手の試合を楽しめる観戦文化を育んで行くこと。
「観てテニスを楽しもう」というヒートジャパンのコンセプトは
テニスに携わるものとして本当に嬉しいイベントであり、こういう
見せ方をもっと他の色んなテニス大会に投影してもらいたい。
もちろんヒートジャパンのような豪華なメンバーの試合は
なかなかお目にかかれないが、それでも昔、俺が草津の国際大会の
予選会場で伊藤選手の感動する試合を見掛けることが出来たように、
今の国内活動がメインのテニス選手でも十分観戦価値のある選手は
たくさん存在する。
現在海外に出て行って活躍する選手にはもちろん海外で結果を
出してもらいたいが、国内の大会しか出られない選手達も
国内の試合やイベントだけでもっともっと注目してもらえる
テニスの観戦文化を今後作っていきたいもんだ。
そこに日本のテニスの未来がかかっているんだからね。
頑張れ、テニス選手とテニス観戦者達。

頑張れ!100球ラリー![てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/12/13(金) 23:34

先日、とある高校の部活の練習の中で
「100球ラリーを続けよう」という練習を行った。
100球ラリーだからとにかく相手と50回ずつ
ミスしないで繋ぎ合えば良いんだけど、ただ
それだけの課題だったら練習にならない。
だって、一緒に打ち合う相手と協力し合って
優しいボールで丁寧に仲良く打ち合っていたら100回とは
言え、簡単に出来てしまう。
ま、それでも自信が付くとか、プレッシャー慣れするとか
そういうトレーニングになるかもしれないが、
そもそもネットの向こうに立っている相手と協力を
し合うって時点でもうテニスというスポーツと違って
くるでしょ?
ネットの向こうに立っている相手は敵な訳だから
この練習で意識しなきゃいけないのは、
「俺は繋ぎ続けるけど、お前はミスしろ!」という
気持ちで行うことだね。
「何球でも俺は返球し続けるぞ!」
そういう気持ちでやることも大事だね。
そういう意味では、例え100回ラリーが続かなくても
相手にミスさせることに成功し、自分がノーミスばかり
だったら、ある意味練習に成功していると言える。
 
だからこの100球ラリーの中でやらなきゃいけないことは
まず、絶対ミスしないようなショットを打たないといけない
ので、ネットギリギリでもなく、ラインギリギリでもなく
超安定型のショットを用意すること。
そして余裕があれば、それに加えて相手がミスしてしまうような
要素を足してもらいたい。
例えば、弾道を高くしてトップスピンの回転量を
増やすと、バウンドは更に高く弾むでしょ?
そうするとこちらの安定感は損なわれないまま、
相手は打ちにくく感じるので相手のミスの確率は上がる。
他にも、トップスピンで返球し続けながら急にスライスを
混ぜるなどして弾道を変えたり、相手がバック苦手であれば
バックに集め続ける・・・などこっちは「100球続けるぜ!」
って意気込みを見せ付けながら、相手にはミスを促すという
要素を盛り込むことが出来れば最高だ。
で、お互いそうやって安定させながらも相手にはミスをさせる
仕掛けをしながら結局100球互いにミスせずに続けることが出来れば
それは本当に実戦に近い緊張感や攻防戦が感じられると思う。
 
で、実際その時の高校生達の「100球ラリー」の練習はどうだったか
と言うと、そういった課題を設けたにも関わらず、安定型ストロークが
上手く設定出来ず、結局最後は互いに協力し合って仲良く100球の
ラリーを続けていた・・・。
ま、最初はしょうがない。
徐々に成長していって欲しいんだけど、とにかく「100球ラリー」の
練習で意識しないといけない部分を忘れないようにしてもらいたい。
「俺はミスしない!相手にミスさせる!」

ミスを続けない簡単な方法[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/12/06(金) 12:02

テニスはミスが付き物だ。
ノーミスで試合を終わらせる事なんてあり得ない。
何ポイントもこなし、その中で何百本もショットを
打ち続けるんだから、多少のミスは起こりうるでしょ。
 
だからミスをしてしまった時には、
「ミスをしてはいけない」って考える事より
「ミスを続けてはいけない」という考え方の方が
大事なんだよね。
でもついついミスをしてしまうと、そこからプレーの
リズムが崩れてミスを繰り返してしまう場合がある。
「いかんいかん・・・」と思って調整するけど、またミスを
繰り返すんじゃないかという焦りから、体がこわばったり
足や腕の動きが躊躇してまたミスを招いてしまう・・・なんて
パターンに陥ってしまったことない?
そうならない為には、ミスをした後にどうすれば元の
プレーに戻せるかが重要となるのだ。
 
俺が今まで実戦して来た中で一番有効なミスが続かない
方法は何かと言うと、それは「無かった事にする」という考え方。
もし試合中にダブルフォルトしたとしよう。
そうするとその次のポイントで「今度こそちゃんと入れよう!」って
気持ちになってサーブに取り組むでしょ?
「さっきよりも弾道上げてネットを超えさせなきゃ」とか
「回転量増やして、飛び過ぎに気を付けよう」とか、
「端っこ狙い過ぎないように打たなきゃいけない」という
意識が芽生えるのだが、そんな大量の課題を自分へ課した
状態で次のポイントに臨もうとすると、当然自分への余計な
プレッシャーが邪魔してくるでしょ?
そうなってしまうと結果
「次のサーブは何か特別なことをしないといけない」
という気持ちになる。
 
でも、普段打っているショットって別に「ミスしていい」って
思って打ってる訳じゃない。
ちゃんと安定感を考えて作り上げたショットなわけだから、
ミスしてしまったとしても、それが特に無理なショットを
打ったのでなければ大きく修正をしないで、そのまま次の
ポイントで続けてもいいはずなんだよ。
だからダブルフォルトした後、別に何も気にしないで
平然と、堂々とサーブを打てば良いってことだ。
「無かった事にしよう」
そういうことで次のプレーをすれば良いんだよ。
簡単でしょ?
 
しかし実際にはそんな簡単に上手くいかない。
だってミスしたらそれだけ相手にポイントが加算され
それがスコアとして残るし、それが頭の片隅にチラ付いて
離れなかったりする。
そうするとついつい「次はちゃんと入れなきゃ」って
知らず知らず特別な打ち方をしようとしてしまうのだ。
じゃあそういうことにならないようにする為にはどうすれば
良いかと言うと、結局のところ
「テニスはある程度のミスが伴うスポーツ」ということを
もう少し自覚して臨まなきゃいけないってことになる。
そのミスが例え大事なポイントで起こってしまったとしても
しょうがないし、それは取り返しがつかないんだから。
重要な事は、それを悔やむよりも、また次に待っているポイントを
ちゃんと自分らしく普通にこなすこと・・・なんだよ。
 
もちろん、作戦を変えたり戦術を練ったりすることは必要。
でも、いつもの打ち方ではまたミスするから何か特別な打ち方を
しないと次は入らないって思ってしまう人は結局また違う形で
ミスを続けてしまうパターンにはまってしまうのだ。
だって「何かしなきゃ入らない」って考え方は自分自身を
全く信用していない訳でしょ?
そう、ミスを続けない方法は「無かったことにする」ということが
大事だし、それを実行する為には「自分のテニスを信じ抜く」
ことが更に必要になるってことだ。
試合中にミスが付き物ってこともしっかり覚悟するようにね。

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