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てにすまん 高西ともブログ

試合復帰 [過去の思い出]

投稿日時:2010/10/14(木) 08:17

以前、このコラムでも現役時代、試合で靭帯断裂した話を
書いたんだけど、その怪我で当然その後テニスは
出来なくなった。
 
でも靭帯断裂と言っても、足の裏の土踏まずの部分を
支えるアーチ部分しか断裂していなかったので、思いのほか
復帰は早く、次の週にはコートに立ってレッスンをスタート。
もちろん走れないので、生徒さんには「ここにちゃんと打って!」と
言って俺は打つだけ。
 
すると、怪我から2週間で徐々に踏み込んで打てるようになってきた。
意外と打てるようになった事に驚いた俺は、11月には
全日本選手権があるので、その次の週にエントリーしていた
大会をキャンセルしないで出場することにしたのだ。
 
踏み込めると言っても、動き回れる訳ではない。
前後左右、一歩ずつくらいしか動けない。
でも試合会場って独特な雰囲気があるし、そこに立って
自分が選手でいることを自覚していないとモチベーションが
持続できない・・・と思って焦っていたのだ。
 
もちろん会場に現れた俺を見て、他の選手や大会運営の
人達はびっくり。
「あれ?靭帯切れたんじゃなかったの?」
「いや、出来る範囲でやろうと思いまして・・・・」
当然一回戦の相手選手は喜んだ。
だって走りまわれない相手なんだから。
 
そしてシングルスの試合スタート。
相手選手は若手で元気いっぱい。
良いショット打って来るけど、意外とコースは荒い。
俺はもちろん前後左右一歩だけ動いてボールを取る。
それ以外は追わない。
だって動けないんだから。
 
でも取れる範囲のボールをとにかくノーミスで返球し
その返球するコースを色々工夫していると、いつの間にか
相手が振り回され、相手のボールは全て俺のいるところしか
返って来なくなった。
 
相手選手も「あの人は怪我で動けない!」と思い過ぎたのか
焦って一発エースばかり狙ってミスも多くなり・・・そして
俺が勝ってしまった。
でも残念ながら2回戦は相手に冷静なプレーをされて
撃沈・・・・。
 
でも試合のドキドキ感、相手とのやり取りのワクワク感、
勝った瞬間の喜び・・・そういったものを得られる大会に復帰できた
ってことがスゴイ嬉しかった。
 
残念ながらその年の全日本選手権の予選までには
本調子には戻れず悔しい試合内容で敗退したが、それでも
コートに立てる喜びを怪我をキッカケに感じるようになり、そうなると
一戦一戦大事に戦えるようになった。
もちろんもう怪我は沢山だけどね。

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