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てにすまん 高西ともブログ

ダメになる覚悟はあるかい? [過去の思い出]

投稿日時:2011/12/27(火) 11:28

これまでのテニス人生の中で、大きく成長
したと実感出来た時は多くある。
上京してテニスコーチの仕事しながら選手活動を
始めた時、アメリカの大学で練習を混ぜてもらった時、
スペインのアカデミーを一年間拠点にした時。
他にもいろいろあるけど、この3つは特に感じた。
 
でも成長したと実感出来るのは当然すぐじゃない。
上京した時もアメリカやスペインに行った時も
スタートした最初はかなり凹むくらいダメだった。
もちろん自分の実力以上の所へ飛び込んだから
そういう経験をするんだけど、でもレベルアップする
自分を夢見て来たわけだから、ダメになる最初の時期は
精神的に辛い。
 
特にスペインのアカデミーに初めて行った時は酷かった。
20面以上のコートがあるから、世界ランキング100位以内に
入るような選手から10代前半のジュニア選手のクラスまで
たくさんあるんだけど、当然日本から来た名もない選手の
俺は上のクラスには入れてもらえない。
まずは中間レベルのクラスに入れられた。
 
レベルは同じくらい・・・いや、俺よりも荒削りな選手が多いから
ショットは速いがミスが多いような選手が殆ど。
そんな中で練習しながら自分の実力を認めてもらって
何とか自分よりも上の人たちがいるクラスに入れてもらおうと
頑張るんだけど、練習内容がきついから身体がまず疲労で
思ったほどいいプレーも出来ず、コーチにはアピール不足。
 
どれどころか時には更に下のクラスに落とされることも。
もうそうなると相手は12才とか13才とか。
せっかくスペインまで来て、なんでこんな環境でやらなきゃ
いけないんだ・・・って思いながら虚しい気持ちでボールを
打っていた。
テニスはどんどん空回りし、更にクラスは落ちていく。
そうなると、「帰国する1年後にはビッグになってやる」と
意気込んで来たのに、いつの間にか
「帰国したときには、どう言い訳をしようか・・・」と
不安にかられながらテニスをしている。
 
結局半年、そういう状況でもがき苦しんだ。
でもどんなに辛くても練習一日も休まないようにし、
コーチや選手とコミュニケーションを取り続けながら
自分の居場所を少しずつ作っていると、徐々に手応えを
掴むことが出来、そして最後は大きく成長したと実感
出来ることが出来たのである。
 
でもね、こういうのって俺だけじゃないみたいだ。
後から続々と日本人の選手がスペインに来んだけど
皆、最初は同じ感じ。
激しい練習と格下クラスに落とされた精神的ショックで
空回りしている選手が多かった。
新しい世界で自分を試すときには、そういう覚悟が
必要だってことだ。
自分が落ちることを怖がっていてはレベルアップは
無理だね。

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