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てにすまん 高西ともブログ

新たな地で生まれ変わろうぜ [過去の思い出]

投稿日時:2012/03/07(水) 00:24

大阪の高校でテニスを始めた俺は、高校卒業後
上京してテニスコーチの派遣会社に就職し、
テニススクールのコーチとして活動。
入社して最初に思ったことは、この関東という地に俺の
過去を知っているヤツはいない・・・そう思った。
過去とは、いわゆる経歴である。
 
高校のテニス部でやっている時は、常に自分の
経歴に劣等感を感じていたのだ。
全員高校でテニスを始めた人ばかりのテニス部
だったから、レベルはかなり低くて勝てなかった。
でもレベルだけじゃなく、他の学校の選手が中学から
テニスをやっていたとか、テニススクールに通っている
なんて肩書きに劣等感を抱いていたから、それで
勝てなかったってことも大いに有り得る。
 
そんな人の経歴を気にして勝負しようとしていた
人間だから、自分の経歴を誰も知らない関東の地では、
もしかしたら誤魔化しながら成長出来るんじゃ
ないかなって思ったよ。
要するに「ハッタリ」ということだね。
 
でも実際にはそんな人の経歴なんて、多少は
気にされるけど、それ以上にテニスの試合って、
すぐに実力が分かるからさほど関係しないもの。
だけど俺はこれをキッカケに、自信持ってプレー
することを意識的にやるようになった気がする。
そしてこの「新たな地で変身」という作戦に味をしめて、
こういうのってアリなんじゃないかって感じ始めた。
 
だからその後の3ヶ月間のアメリカ放浪の旅でも、
いたるところで「俺は日本でトップクラス」なんて、
ハッタリをかましたりして、色んな大学のテニスチームを
訪ねてはハッタリ言いながら練習に混ぜてもらったもんだ。
もちろんすぐにバレるけど、それくらいのハッタリが
無いと一緒に出来るように混ぜてもらえない。
 
でもね、そういうハッタリって一番効き目があるのは
自分自身だったんだよ。
「日本でトップクラス」ってハッタリを言った以上は、
自分で何とか日本のトップクラスのプレーをしようとしないと
いけないから、集中もするし緊張感の中でプレーできる。
無難じゃダメなんだから。
周りが自分の過去のダメな自分を知っているなら、気軽に
ミスできるんだけど、今のイメージが自分の評価に
なるって思うと、やっぱり実力以上のプレーを
出したくなるし、その気持ちがいい結果に繋がった。
 
そしてその後も、俺のことを誰も知らない土地に
行っては「俺って実は・・・」みたいなことはしたけど
結局そういう考え方って、実はテニスの試合中、相手に
対して必要な考え方なんだよね。
自分の本心を隠し、相手にはどう見せて、
どう思わせるか・・・。
それによって結果は大きく変わっていくのだ。
 
けれど、なかなか自分のことを誰も知らない土地に
移ることって難しい。
だからどうしても周りには、自分の実力や過去の
情けないプレー状況を知っている人がいる。
それはとっても悲しいことではあるし、甘えてしまう
部分でもある。
が、そういった中でも何とか新しいイメージある自分を
作り上げて演じていってもらいたいもんだ。
 
高校の時も、テニスとはそういうモンなんだ!!
って思うことが出来たら、もう少しハッタリを使って
実力以上の戦績も残せたかもしれないなぁ。

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