大きくする 標準 小さくする
トップ >>  てにすまん 高西ともからのメッセージブログ >>  恐怖のヒッティングパートナー

てにすまん 高西ともブログ

恐怖のヒッティングパートナー [過去の思い出]

投稿日時:2012/03/12(月) 14:09

現在、いろんな場所でレッスンをしたりイベントを
開催している。
その中でデモンストレーションを行う機会は多い。
要するに「こうやるんですよ!」みたいなお手本だな。
どのショットも一応はちゃんとしたフォームで
打てなきゃいけないんだけどそれ以上に大事なのは
「わー!!!スゴイ!!」
ってプレーもある程度は見せないといけないこと。
 
選手活動の後半はオールラウンドのプレースタイルで
やっていたから、現在はとりあえずどんなプレーもこなすが
意外と20代の頃は、このイベントでのデモンストレーションで
やってしまった失敗経験が多いんだよ。
 
まだ20代前半の頃、働いていた横浜のスクールに
ある女子のトップ選手がイベントのゲストで来た。
その女子選手のクリニックの中で、当然彼女のプレーを
お客さんに見てもらうというデモンストレーションタイムが
あったんだけど、そこでヒッティングパートナーに選ばれた。
これはスゴイ光栄なことだし嬉しかった。
 
当時、上り調子だった俺は、勢いもあって会社からも
「期待の若者」って感じで見てもらえていたから抜擢されたの
だと思うが、ギャラリーも含め100名以上参加者が集まって
見守る中、その女子の選手と俺がデモンストレーションを
やると聞いて、正直本音はビビッていた。
だって、当時の俺のプレースタイルは「打ちまくり」。
相手よりも速いショットを打ちまくって、エースかミスか・・・という
テニスで何とか運良く勝っていたんだけど、そんなスタイルの
選手がゲストをたてなきゃいけないヒッティングなんて
務まる訳がない!!!
 
さて、当日、有名なこのプロの女子選手のレッスンを受ようと
多くの方が参加。
もちろんこの中には俺が受け持っている生徒さんもいる。
ギャラリーもビックリするくらい集まってしまった。
まずはこの選手の自己紹介と挨拶を行い、
「では、さっそく○○プロのプレーを見てもらいましょう!!」と
一番皆が見やすいコートで、俺とそのプロ選手は向かい合い、
コートの真ん中でストロークラリーが始まった。
 
その時俺はどんな感じだったかというと、
これまで味わったことがないくらい緊張していた。
全く足が動かない・・・・。
飛んでくるボールの距離がよく分からない・・・。
バウンドの場所や弾み具合ががよく分からない・・・。
そして、呼吸が出来ない・・・。
ただ「ちゃんとやらなきゃ、ちゃんとやらなきゃ」ばかり
頭の中をグルグル駆け巡って、過呼吸状態でラケットを
振り回していた。
 
結果、ラリー1,2球ですぐ俺がミス。
次もすぐミス、その次も、そのまた次も。
それを見て更に
「やばい、やばい、やばい、やばい!!!」と焦る俺。
場内も変な空気になってきたし、スタッフたちも
「おいおい、大丈夫?」って感じで俺を見ている。
 
そしてすぐ「高西、交代!」とヘッドコーチから言われた。
すごい長い時間に感じたけど、恐らく1分もコートには
立っていなかっただろうなぁ。
俺のあとヒッティングに入ったのは、俺より年上のコーチ。
落ち着いた雰囲気でプロ選手と楽しそうに打っている。
ショックだった!!!!!
ホントに惨めで、悲しかった。
大勢の生徒さんが見ている前で交代を宣告された自分が
情けなかった。
 
でも、これだけじゃなく、色んなイベントで色んな失敗劇を
繰り返しては悔しくて、情けない体験を味わった。
だって、試合とは違う緊張があるからね。
でもやっぱりちゃんとそういう場でも、参加者の皆さんが
喜ぶプレーを見せてあげるのが選手やコーチの仕事。
あの時「高西、交代!」と言われたのは仕方がない。
 
今、イベントの中のデモンストレーションでは
緊張をあまり見せずにプレーできている。
でも本当はチラッと当時の苦い思い出が浮かぶ。
が、にこやかに余裕の表情でこなせるようになった。
多分、自分の心に嘘を付けるようになったんだろうなぁ。
当時の俺は自分の心に正直すぎたのかも。
我ながら面白い仕事をしていると感じるよ。

トラックバック一覧

<< 2036年1月 >>

MONTUEWEDTHUFRISATSUN
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31