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てにすまん 高西ともブログ

俺に本気を出させたいなら [過去の思い出]

投稿日時:2012/04/02(月) 23:55

テニス選手として色んなイベントに
ゲストとして参加することがある。
今はもう「もう引退しました」という形でイベントに
参加するんだけど、当然現役の頃はバリバリの
現役中ということで、見せるテニスをしないと
いけないんだよ。
これが結構難しい。
 
20代後半にやっと勝てるようにはなってきたんだけど
その頃のプレースタイルと言えば、走りまくって粘る
テニスだったから、ショットは地味だ。
だから、ちょっと数本のラリー程度では俺の良さは
伝わりにくかったと思う。
3時間くらい打ち合うといやらしさは伝えられるんだけどね。
 
でもこういうテニスイベントって、2,3ポイントしか
参加者のお客さんとやらないし、大抵当時俺が
苦手にしていたダブルスイベントが多かった。
今はダブルス大好きなんだけど、その頃は
サーブ&ボレーも怪しいくらいダブルスはダメだったなぁ。
 
そんなイベントで一度青森県に行ったことがある。
後輩の選手も一緒に行ったんだけど、イベントの最後に
地元高校生が俺と後輩選手のペアに挑戦っていう企画が
あり、その挑戦ペアは青森県ナンバー1高校生ペアが
「お願いします!」って言って出てきたんだよ。
 
普通にシングルスだったら、特に問題なかったんだけど
ダブルスとなると話は別だ。
高校生だけど相手はダブルスで青森県ナンバー1。
恐らくダブルスは徹底して練習しているタイプだろう。
うーん、どうなることか・・・と思ってたら、案の定苦戦を
強いられる展開。
やっぱり相手二人はダブルス慣れしていて、
息のあったプレーを見せつけてくる。
一方こちらは後輩選手はダブルスが超上手かったんだけど、
俺が予想通りグダグダになり、ミスを連発して不甲斐ない・・・。
1セットマッチだったんだけど、4-5相手サーブという
ピンチまで迎えてしまった。
 
しかし白熱した試合のせいで、時間はかなり掛かってしまい
この頃には既に陽も暮れ掛かり、当たりは段々暗く
なってきて見えなくなってきた。
実は俺、暗くてもよく見えちゃうのだ。
見えにくくなるにつれて、プレーの質が落ちていく
相手ペアと俺のパートナーの後輩選手。
しかし俺は逆にそこから本領発揮。
 
暗くてあまり相手が見えてない状態なのに、
サーブ&ボレーをしてきた相手へ、平然と足元にレシーブ
打ち込んだり、ストレート抜いたり・・・。
そこからタイブレークに持ち込んだんだけど、その頃には
かなり真っ暗な状態で、俺以外の3人は全然ダメ。
ラケットでボールを触るのが精一杯なのに、俺だけ
明るかった時よりも生き生きとプレーしている。
 
その結果タイブレークで勝利。
周りの観客も「スゲー、あんな暗い中で、さすが!!!」
って言われ、後輩からも
「高西さん、暗くなってから凄いですね!!」と
褒められたのだかどうだか分からないお言葉を頂いた。
終わった後、チャレンジャーの高校生ペアには
「まだまだ甘いんだよ」って偉そうなことを言ったが
う~ん、明るいままなら負けてたな。
俺に本気を出させたいなら、暗くなるまで待ちな!
明るいうちはイマイチだぜ。

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