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てにすまん 高西ともブログ

やっと見つけたナイスダブルス [過去の思い出]

投稿日時:2012/06/11(月) 15:58

現役の頃、試合と言えばシングルスが
メインだったんだけど、出来る限りダブルスも
出場して、単複共に頑張ろうと思った。
でも決まったパートナーはいなかったから、その都度
いろんな選手に声を掛けて出場。
いろんな選手と組ませてもらったけど、当時まだ
ダブルスが下手くそだった俺が一番「組みやすい!」って
思ったのが当時、筑波大学の学生選手だった井上選手。
 
まず彼の何が良かったかと言うと、そんなにテニスが
上手いわけじゃないところ。
あまりに華麗でセンスの良すぎるパートナーだと
一緒に組んでいて付いていけなくなるとか、自分の
下手さが露呈されて相手ペアに狙われたり、劣等感に
苛まれたりするけど、彼のテニスは一言で言うと
「泥臭い」テニスでそれが一緒に組んでて心地よいのだ。
 
かと言って弱い選手じゃない。
上手くはないけど強いんだよ。
シングルスなんか俺よりもずっと上のランキングだったし
ダブルスも戦い方をちゃんと知っている。
ただショットの質で勝負というより、足を使って
相手ショットを拾いまくったり、動いて相手にプレッシャーを
与えたりするのだ。
それによって相手プレーヤーは混乱に陥る。
やりにくい相手と対戦したとしても、井上選手と組むと
思っていたよりも相手が実力発揮できず、意外と
やりやすかったことも多かった。
 
そして極めつけは彼が俺に試合中に
何度も言ったコメント。
「相手のショット、どこに打たれても僕が拾うので、
高西さんは思い切ってやって下さい。」
ま、俺より年下で足があって実力も上なんだから、
最初からそのつもりではあったが、本人の口から
しっかり宣言されると
「そう?じゃあ、思い切ってやらせてもらうよ」
と気持ちよくプレーすることが出来たんだよ。
ま、もともと俺もパワーより安定感がウリだったから、
ミスは少ないほうだったけど、彼と組んだらホントに
手堅くプレー出来るんだよ。
 
これがもし、「高西さん、もっとこうして下さい」とか
「僕はこういうダブルスしたいから、ここに打ってください」
なんて指図ばっかりのパートナーだったらちょっと
俺は萎縮してダメになってたかもね。
でもそれまではそういうことを言うパートナーも
多かったんだよ。
もちろんそれも正論が殆どだから、出来るだけ俺も
それに従うんだけど、ダメだったことが多かったかな。
 
彼の「サポートします!」的なパートナーへのコメント、
そしてゆっくりだけど、的確にコース選びする配球パターン、
足を使ったプレッシャー、それら全てが
「うん、ダブルスってこれなんだ!」って思わせてくれた。
井上選手と出場したのは1大会だけだったけど、
その大会で一緒に3試合ほど戦って見せてもらった
彼のダブルスは、結構その後俺の中で影響を及ぼし
今日まで続いている。
ま、彼よりももっとダブルスが上手い選手は多いけど
彼ほど自分の実力をちゃんと出し切れる選手はそう
いないんじゃないかな?
そんな自分の実力を出し切る方法を教わった気がする。
 
もちろん、今でもダブルスする時、パートナーには
「俺がちゃんと守るから、安心して思い切りやろう!」って
コメントも真似させてもらっている。
たまに細かく支持出し過ぎることもあるけどね・・・。

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