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偽サントロ君から学んだこと
てにすまん 高西ともブログ
偽サントロ君から学んだこと [過去の思い出]
投稿日時:2012/06/19(火) 16:19
スペインで選手活動をした時に本拠地としていた
アカデミーは、世界各国から色んな選手が集まる
大きなアカデミーだった。
だからスペイン語や英語はもちろんのこと、ロシア語
フランス語、イタリア語、日本語、中国語、ドイツ語と
色んな言葉が飛び交っていた。
国が変われば人も変わる。
ましてや皆やる気満々で自国を飛び出してきた人達
ばかりだから、面白いというか変わった人間も多かった。
でも共通しているのは、人にどう評価されようが自分の
テニスの才能に疑いを一切持たないってことだね。
自分の信じたテニスを貫き通す信念は尊敬するほど。
それが真の才能であれば良いけど、ちょっと間違ったテニスを
している場合はコーチも色々大変だったよ。
そんな変わった選手の中に、サントロと呼ばれていた
フランス人の男の子がいた。
当時彼の年齢は17才。
あだ名の通り、フランス人選手のサントロを尊敬していて
打ち方やプレースタイルを真似して頑張っていたんだけど
見た目は長髪&濃い口髭でサントロ選手とは似ても似つかない。
天才的な柔らかいタッチのサントロ選手の打ち方は
一般的にも難しいのに、偽サントロ君は人一倍体が固いし
リストの使い方も不安定。
サントロ選手の代名詞的な両手フォアハンドなんかも、片手の
方がスムーズに打てるくせして、両手フォアを練習し続けていた。
そんな彼のテニスを皆、小馬鹿にしていた。
打ち方もフットワークも全然センスが感じられないのに
サントロをとことん真似しようとしている事が滑稽に見えたのだ。
でもタッチも柔らかくないし、フットワークもスムーズじゃない
偽サントロ君は、どんなにコーチ達が違うテニスを勧めても
頑としてサントロ選手の真似をし続けるくらい頑固だから
一つ皆より抜きん出ているものがあった。
それは「負けたくない」という気持ち。
試合になると彼の「絶対諦めない」という思いは
普段彼のことを小馬鹿にしていた他の選手たちを結構苦しめた。
本物のサントロ選手は追い込まれた状態から、絶妙なタッチで
カウンターのパスを抜いたりするが、こっちの偽サントロ君は
ドタドタとしたフットワークだし、追い込まれたらただ当てて深く
返し続けるだけ。
だけど、絶対諦めたりしないしキレて試合を投げたりもしない。
相手選手も普段バカにしていた分、
「こいつには勝たないと!」っていうプレッシャーを抱えて
しまっているから、なかなかミスしないで返球し続ける
偽サントロ君にイライラが募る。
またそのロン毛と胡散臭い口髭が余計に苛立たせている感じ。
そして最後は相手が先にキレて、偽サントロ君の粘り勝ち
というパターンで終わるのだ。
俺は何度か打ち合ったことはあったけど、試合では一度も
対戦したことないし、練習クラスも基本的には違うから、
マッチ練習もしたことない。
でもアカデミーでは「サントーロ!今日の調子はどう?」とか
声を掛けたくなるんだよ。
他の強い選手達も面白がって
「サントーロ~!!どう?フォアの調子は!」
って彼に話しかけていた。
アカデミーでは有名人だったね。
恐らく彼のあの実力では、その後世界ランキング取って
活躍・・・はしなかっただろうね。
でもあのアカデミーで頑張っていた選手を色々思い出すと
センス溢れる世界デビューした選手たちに混じって
偽サントロ君も俺の頭の中には残っているんだよ。
彼のフランス語が半分くらい混ざった英語と、左手が不必要に
感じるくらい不器用な両手フォアハンド、そして胡散臭い髪型と髭。
彼を思い出すたびに、人間、何をすればその存在が認められるのか
分からないもんだ・・・って思う。
テニスの結果は大して残してはいないが、信念を人とは違った
形で貫き通すと、多くの人間の中にその人の存在が生まれる
ということを教えてもらった気がする。
多分、彼はその才能をテニスじゃなくて違う面で発揮させている
ことだろう。
ところで、彼の本名って何だったんだろう。
うーん、名前聞いておけば良かった。
アカデミーは、世界各国から色んな選手が集まる
大きなアカデミーだった。
だからスペイン語や英語はもちろんのこと、ロシア語
フランス語、イタリア語、日本語、中国語、ドイツ語と
色んな言葉が飛び交っていた。
国が変われば人も変わる。
ましてや皆やる気満々で自国を飛び出してきた人達
ばかりだから、面白いというか変わった人間も多かった。
でも共通しているのは、人にどう評価されようが自分の
テニスの才能に疑いを一切持たないってことだね。
自分の信じたテニスを貫き通す信念は尊敬するほど。
それが真の才能であれば良いけど、ちょっと間違ったテニスを
している場合はコーチも色々大変だったよ。
そんな変わった選手の中に、サントロと呼ばれていた
フランス人の男の子がいた。
当時彼の年齢は17才。
あだ名の通り、フランス人選手のサントロを尊敬していて
打ち方やプレースタイルを真似して頑張っていたんだけど
見た目は長髪&濃い口髭でサントロ選手とは似ても似つかない。
天才的な柔らかいタッチのサントロ選手の打ち方は
一般的にも難しいのに、偽サントロ君は人一倍体が固いし
リストの使い方も不安定。
サントロ選手の代名詞的な両手フォアハンドなんかも、片手の
方がスムーズに打てるくせして、両手フォアを練習し続けていた。
そんな彼のテニスを皆、小馬鹿にしていた。
打ち方もフットワークも全然センスが感じられないのに
サントロをとことん真似しようとしている事が滑稽に見えたのだ。
でもタッチも柔らかくないし、フットワークもスムーズじゃない
偽サントロ君は、どんなにコーチ達が違うテニスを勧めても
頑としてサントロ選手の真似をし続けるくらい頑固だから
一つ皆より抜きん出ているものがあった。
それは「負けたくない」という気持ち。
試合になると彼の「絶対諦めない」という思いは
普段彼のことを小馬鹿にしていた他の選手たちを結構苦しめた。
本物のサントロ選手は追い込まれた状態から、絶妙なタッチで
カウンターのパスを抜いたりするが、こっちの偽サントロ君は
ドタドタとしたフットワークだし、追い込まれたらただ当てて深く
返し続けるだけ。
だけど、絶対諦めたりしないしキレて試合を投げたりもしない。
相手選手も普段バカにしていた分、
「こいつには勝たないと!」っていうプレッシャーを抱えて
しまっているから、なかなかミスしないで返球し続ける
偽サントロ君にイライラが募る。
またそのロン毛と胡散臭い口髭が余計に苛立たせている感じ。
そして最後は相手が先にキレて、偽サントロ君の粘り勝ち
というパターンで終わるのだ。
俺は何度か打ち合ったことはあったけど、試合では一度も
対戦したことないし、練習クラスも基本的には違うから、
マッチ練習もしたことない。
でもアカデミーでは「サントーロ!今日の調子はどう?」とか
声を掛けたくなるんだよ。
他の強い選手達も面白がって
「サントーロ~!!どう?フォアの調子は!」
って彼に話しかけていた。
アカデミーでは有名人だったね。
恐らく彼のあの実力では、その後世界ランキング取って
活躍・・・はしなかっただろうね。
でもあのアカデミーで頑張っていた選手を色々思い出すと
センス溢れる世界デビューした選手たちに混じって
偽サントロ君も俺の頭の中には残っているんだよ。
彼のフランス語が半分くらい混ざった英語と、左手が不必要に
感じるくらい不器用な両手フォアハンド、そして胡散臭い髪型と髭。
彼を思い出すたびに、人間、何をすればその存在が認められるのか
分からないもんだ・・・って思う。
テニスの結果は大して残してはいないが、信念を人とは違った
形で貫き通すと、多くの人間の中にその人の存在が生まれる
ということを教えてもらった気がする。
多分、彼はその才能をテニスじゃなくて違う面で発揮させている
ことだろう。
ところで、彼の本名って何だったんだろう。
うーん、名前聞いておけば良かった。
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