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てにすまん 高西ともブログ

己を信じてダブルフォルト撲滅運動 [メンタル]

投稿日時:2012/07/04(水) 01:35

「1試合でダブルフォルトは一回くらいしかアカン」
高校生の頃、父親にそう言ってよく怒られた。
それくらいサーブが不安定でダブルフォルトが多かったのだ。
それはテニスコーチの仕事に就いてからもすぐには
直らなかった。
先輩コーチとのマッチ練習でも、
「それだけダブルフォルト多いと練習にならない」
って何度言われたことか。
 
そんなダブルフォルトを量産していた頃、レッスンの中で
コーチが生徒さんにずっとサーブを打ち続けて、レシーブの
練習をしてもらうという練習メニューがあって、それが
当時の俺にはとても苦痛だったよ。
ベースラインに2列で並んでいる生徒さんに、どんどんサーブを
打つんだけど、当然ある程度しっかりしたサーブじゃないと
レシーブ練習にはならない。
でもそんなしっかりしたサーブをずっと打ち続けられるような
サーブはその頃の俺には無いから、ネットにかかったり、
オーバーしたりしまくり、そのたびに
「すみません・・・、もう一本行きます」
って生徒さんにサーブを打ち直す。
だけど、またそれもフォルトしてしまい、もう練習はグダグダ状態。
生徒さんもレシーブの練習どころじゃない。
「コーチのサーブは入るのか・・・」と余計な心配をしないと
いけないからね。
 
悔しくて、情けなくて、毎日サーブ練習を行なった。
一カゴどころじゃない。
3つも4つもカゴを並べて、練習しまくったよ。
コートに一人立って、黙々とサーブを打ち続けた。
そして徐々にサーブのコツを掴んで、後に安定したサーブを
手に入れることが出来た。
安定感を身に付けられた理由はもちろん練習の成果も
あるんだけど、ミスしていた主な原因は技術以上に意識の
問題なんだって気が付いたことが大きかった。
意識の問題とは、ダブルフォルトする・・・というパターンが
定番だった頃、どうしてもセカンドサーブを打つ時には
「またフォルトかも」って自分を疑ってしまっていたことや、
ダブルフォルトの後には必死で
「次こそはダブルフォルトしないようにしなきゃ」って
余計に自分を焦らせていたこと。
 
試合中もレッスン中も、何も気にしないで打っている時は、
普通のしっかりしたサーブを打ち続けられるのに、試合中に
セカンドサーブを打つことになった時、それからダブルフォルトした
後の次のサーブの時、更にレッスン中、生徒さんに入れ続けないと
いけないサーブが入らなかった後、余計な心配というかお節介というか
不安を煽る心理状態に陥って、それが余計にミスを呼ぶ感じ。
サーブ技術の問題以上に、ミスした後の気持ちの切り替えの
問題が俺には必要だったんだよ。
 
そう考えると、ダブルフォルトした後に、またダブルフォルトを
続けないようにする一番の方法は、「気にしない!」ってことになる。
何も気にしないで打ったほうが、自分自身を心配しておそるおそる打つよりも、
よっぽど安定した良いサーブが入りやすいんだよ。
さっきのダブルフォルトなんて忘れて、何事もなかったように
また黙々とサーブを打ってもらいたいね。
 
今でもレッスンの中で、生徒さんにレシーブの練習として、
俺がサーブをどんどん打ってあげて練習することがある。
もちろん今の俺のサーブは安定しているよ。
安定したサーブの技術をしっかり掴んだからなんだけど、
でも安定している一番の原因は「俺は大丈夫」って微塵も
己を疑わなくなったこと。
自分を信じ続けることが出来ない人は、一発ミスすると
そのまま崩れてしまうよ。
高校の頃の俺みたいにね。
大丈夫?そこの君は疑いながらサーブしてない?

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