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てにすまん 高西ともブログ

心の中の頼もしい味方 [メンタル]

投稿日時:2012/07/27(金) 13:27

テニスの試合中、自分で自分によく声を掛ける。
「お前は何やってるの?」とか「バカだな。」という
批判めいた言葉の時もあれば、
「大丈夫!」「まだまだお前はやれる」といった
激励の言葉の時もある。
「ちょっと熱くなり過ぎじゃない?」とか
「このやり方でいいの?」といった
感じで意見することも多いね。
声を掛けると言っても、だいたいは頭の中で
思う程度なんだけど、場合によっては実際、
声に出して自分に言い聞かせる時もあるし、
叫んだことも一度や二度じゃない。
 
話し掛けているのは紛れもなく自分自身である。
だから自分の考えを独り言のように言っているのかと言うと、
そうではなく、客観的な立場からの一般論を自分が
自分自身に言っている。
だから、自分の中にもう一人誰かがいて、その別人が常に
話し掛けてくれる感じだ。
そしてその別人さんは感情に流されないし、弱気な発言もしない。
いつも冷静な立場で話し掛けてくれるのだ。
だからコーチみたいな感じかと言うと、それはちょっと違う。
具体的な戦術のアドバイスやフォームのチェックは
その別人が決めるのではなく、自分で考え、自分で決める。
その別人さんはただ自分が決めたことや起こした行動、
それまでの結果などをチェックして一般論として意見するだけ。
 
その別人さんが試合中に話し掛けてくれる時は、気持ちが
落ち着いてプレーに専念できる。
思い切ったことをやる時も、「うん、いけるよ!」って励まして
自信を与えてくれるし、ピンチに陥っても「大丈夫だよ!」って
希望と可能性を常に意識させてくれるから、気持ちが途切れる
ことがない。
本当に頼もしい別人さんである。
 
だけど、昔はこんな頼りになる別人さんじゃなかった。
まだ試合で勝てない頃はとてつもなく足を引っ張る
存在だったのだ。
思い切ったことをやろうとすると、
「え~!!どうせミスするんじゃない?」って頭を
過ぎらせたり、ピンチに陥ると「無理だよ、もう勝てない!」って
試合を放棄させようとする言葉を投げかけてくる。
その言葉によって、不安や焦りが膨らんでラケットが
振れなかったり、チャンスで攻めきれなかったりした。
でも考えてみれば、これもやっぱり心の中の別人さんが
その段階での経験データを基に一般論を述べただけだから
正当な評価なのかもしれない。
まだまだ勝てないテニスをしていた当時の俺は、思い切った
ことをした時は殆どミスしていたし、負けそうな試合はそのまま
粘れず、素直に負けていたからね。
 
そんな心の中の別人さんが頼もしい存在に成長してくれたのは
とにかくたくさん練習して、たくさん大会に出場して、たくさん
いろんな人のテニスを見たり、一緒に対戦したことで、
テニスというスポーツには色んなパターンや戦い方があり、
ピンチの場面でも工夫すれば乗り越えられる術があるという
データが揃うようになってから。
多くの経験を経てやっと心の中にいる別人さんは前向きな
評価を試合中にしてくれるようになり、「大丈夫!」って
言ってくれるようになったんだよ。
 
試合中の苦しい場面では、絶対自分のことを信じていないと
乗り越えることは出来ない。
でも自分のことを信じる為には、ただ「信じろ!」だけでは
無理なんだよね。
たくさん玉数を打ち、多くの人と練習し、色んなトレーニングし、
もちろんたくさん試合もこなし、色んな上手い選手のプレーを
見ることでやっと自分が自分を信じることが出来る。
まだまだ自分の中にいる別人さんが、自分自身のことを
「どうせ、無理なんじゃない?」って言う場合は、つべこべ言わずに
もっと多くの経験を積めるような行動を取らないとね。
多くのデータを収集して、心強い別人さんを心の中に育ててね。

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