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てにすまん 高西ともブログ

頑張れ!ラッキールーザー! [過去の思い出]

投稿日時:2012/08/14(火) 13:41

ラッキールーザーって知ってる?
予選で敗退した選手でも、その後開催される本戦の一回戦で
出場する予定だった選手が欠場したとき、その枠に入れるのが
ラッキールーザーというシステム。
このラッキールーザーにはテニスの勝負と違ったまた
別のドラマがあるんだよね。
 
まず予選決勝で敗退した時から、このラッキールーザーの
ドラマは始まる。
負けて本部に行くと、割り箸が入れてあるボール缶を
「はい、どうぞ」と目の前に出される。
とりあえず、敗退したショックを一旦忘れて、敗者復活の新たな
希望を胸に気合入れて割り箸を一本引く。
もちろん欲しいのは「1」なんだけど、「4」なんて出ると
微妙なんだよね。
1番とか2番であれば、本戦選手の一人や二人、欠席することが
よくあるから期待できるんだけど、4番とか5番だと難しい。
遠くで試合する時なんて特に、ラッキールーザー枠を狙って
わざわざ本戦に行くかどうか迷う。
 
俺なんて兵庫の試合へラッキールーザー1番目として東京から
行ったのに、結局本戦選手全員がきっちり参加したので、
出場出来ず、大きなショックを受けた思い出がある。
まさかわざわざこんな遠くまで来ておきながら、1番なのに入れないとは
と自分の運の無さを恨んだけど
考えてみれば、一度負けた選手なんだから、運の無さを恨む前に
予選決勝で負けた試合を反省しなきゃいけないんだけどね。
 
しかもラッキールーザーとして大会会場にいることって
なんか悔しいのだ。
「あれっ?ラッキールーザー?」
なんて本戦出場選手に言われるとムカッって腹が立つ。
特に予選決勝で自分を負かした相手に会うと
なんか見下されている気持ちになるんだよね。
ま、それは単なる被害妄想なんだけど、虚しい気持ちで
本戦選手の欠場をジッと待ってないといけないのだ。
でも無事にラッキールーザーで本戦に入れると、まるで
予選を普通に勝ち上がったかのように、急に堂々となれるから、
人間って分かりやすいもんだなって思う。
 
でも選手って誰もがラッキールーザーとして試合会場に
いなきゃいけない時期ってあると思う。
予選の最初で負けているうちはラッキールーザーの優先順位も
ものすごく低いから、最初から諦めて本戦会場に行かない。
でも段々勝てるようになって、予選決勝まで勝ち進むように
なると、初めてラッキールーザーとして本戦会場に立てる。
出場する権利は当然空きがないと得られないけど、
ラッキールーザーとして本戦会場に立つ権利を得るってことも
ある意味立派な結果だと思う。
そして出場できる可能性が少なくても、ラッキールーザーとして
地道に本戦一回戦に現れる選手は、その分チャンスを拾って
それを生かしているんだよね。
 
予選負けはしたけど、それでもまた復活できる
ラッキールーザーというシステムは、あと一歩で本戦出場できる
ところまで昇ってきた選手にとっては、本戦出場枠が得られなかった
としても、「本戦会場体験チケット」みたいなものなのかもしれない。

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