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てにすまん 高西ともブログ

一番イイ過去の振り返り方 [過去の思い出]

投稿日時:2012/10/09(火) 11:40

テニスを頑張っている人間は多いが、その人達皆、
その努力が結果として報われているかというと、そうではない。
練習もトレーニングも必死になって頑張っているのに、
なかなか思ったように試合で勝てなくてイライラしながら
選手活動をしている・・・なんて人を何人も見てきたし、
自分自身もそういう時期の方が殆どだったよ。
でもそういう辛い時期にいる時でも諦めず、腐らず、
もがきながらも前へ進もうと頑張り続けていると、ある時
いい結果がもたらされることもあるんだよ。
 
俺が初めてJOPのオープン大会で優勝したのは31歳の時。
20際の頃から本格的に選手活動を開始したから、実に10年以上
続けてやっと掴んだ初タイトルだった。
当然その10年の間に色んなことがあったんだけど、自分の
可能性を疑わず、必死に頑張り続けた結果優勝できた。
でも優勝するまでは、自分が普段そんなに頑張り続けているなんて
考えたことがなかった。
予選で敗退したり、本戦まで勝ち上がったけどすぐに負ける
なんてことを繰り返しているうちは、
「なんで勝ち進めないんだろう?」って頭の中はもっと安定して
勝ち進めるテニスを考えていたし、ベスト4や決勝なんかに
勝ち進めるようになった時も、そこまで勝ち進んでおきながら
負けたことが悔しくて、頭の中は「次こそは絶対優勝だ!」って
思っていたから、とてもそれまでの選手人生を振り返ったり、
今自分がどれだけ頑張っているかなんて考えたこともなかった。
 
でも初めて優勝した山梨の大会の帰りの車中、初めて
自分自身がそれまで歩んで来たテニスを振り返ったのだった。
そして「俺は頑張った」、そう自分に言ってあげた。
それまでのテニス人生を振り返ると、本気でそう思った。
 
心は充実感に満たされ、それに加えて夕焼け色に染まった雲が
とても綺麗で、最高のドライブだったのを覚えているが、この
「振り返り人生」ってやっぱり優勝出来たご褒美として
得られたんだって思う。
だって、最後の最後まで負けを経験しないで大会を終えられるって
大会参加選手の中でたった一人だけだからね。
もちろん反省点も多かったけど、優勝者したチャンピオンは
最後まで負けずにその大会を終えられるんだから、その時くらいは
その試合の反省をする前にそれまでの過去を振り返って、
自分自信を褒めてあげることくらい許されるし、それも優勝の
副賞としてアリなんじゃないかな。
だって、選手生活の殆どが、過去を振り返る暇もなく、ずっと前を見て
もがき続けながら毎日を送っているわけだからね。
 
賞金も嬉しかったけど、それまでの自分の頑張りを、自分自身で
認めてあげた瞬間のあの心地よさは、また苦しい選手生活を
送り続けなきゃいけない苦悩を綺麗に取り払ってくれる。
優勝して、それまでの自分の頑張りを褒めてあげる。
これがやっぱり選手には一番のご馳走だね。

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