大きくする 標準 小さくする
トップ >>  てにすまん 高西ともからのメッセージブログ >>  「思いつき」でショットが打てますか?

てにすまん 高西ともブログ

「思いつき」でショットが打てますか? [テニス技術]

投稿日時:2012/10/27(土) 08:12

練習の時に、コートに一つターゲットを置き、
ボール出しでそこへ狙って当てるという練習を毎日やったとする。
その結果、かなりの確率で当たるようになった・・・としても
それが試合の結果に上手く反映されるかは分からない。
だって、狙うべきターゲットが事前に決まっているし、相手は
ボール出しで飛んできたボールだからね。
簡単なボールだし、相手からのプレッシャーも受けないし、
敵にコースを隠したりすることも考えないし。
他のことは一切何も考えず、そのターゲットに当てること
のみを考えて狙うってことは、かなり試合の状況と
掛け離れ過ぎだと思うんだよね。
もちろんそのターゲットを狙う技術を得るためのキッカケ
くらいにはなるけど、そのままじゃあ使い物にならない
 
じゃあ試合で使えるようにするにはどうすればいい?
それは「思いつき」だけで正確に狙うことが出来るように
することが必要なんだよ。
例えば相手がアプローチしてネットへ詰めてきたとする。
「うーん、どう対処しようか」って思った時に
「そうだ、ロブにしようっと」そう思ったら、もう体が勝手にロブを
ちゃんと正確に挙げられているという感じ。
でもそこで、「ロブにしよう・・・だから、まずあの高さまでこういう
回転をこれくらい掛けて、そして頂点の位置はあそこだから、
打点に対してラケットをこうセットして・・・」なんて
そのロブを上げることをじっくりイメージしてシミュレーションまで
やっていると、打つチャンスを逃してしまうし、相手にもロブを
打とうとしていることがバレてしまう。
「ロブを上げよう!」そう一瞬思いついただけで、きっちりロブが
上がっている・・・というシステムにして初めて
実戦で実用できるんだよ。
 
それに、いちいち集中しないと打てないような打ち方だと、もう
ロブ以外は考えられないでしょ?
アプローチしてネットプレーに出てくるやつを前にしているの
だから、ロブはもちろんのこと、ストレートへのパッシングショット、
クロスの足元へゆっくりスライス、逆にショートクロスへの
鋭いカウンターパス・・・なんてのも用意しておきながら、
その中から、どれでも好きなのを咄嗟に選ぶことが出来ないと
ネットに出てきた相手に好き放題やられてしまう。
そのためにはやっぱり「思いつき」でショットを選んで打てないと
いけないんだよね。
 
じゃあ一瞬思いついただけで正確に色んなコースへ打てるように
するにはどうすれば良いかと言うと、普段のラリー練習の時から
二つ以上のコースを用意することから始めよう。
用意しておいたその複数のコースのどれを選ぶかは
打つギリギリまであえて決めないのだ。
例えばクロスでストロークラリーの練習をしている時、
深くて高い弾道のトップスピンのショット、スライスの深いショット、
トップスピンのショートクロス、スライスのドロップ気味ショット、
この4つを用意して、それをあえて打つギリギリまで決めないでおく。
そして打つ瞬間、その時の状況に一番合ったショットを
選ぶようにするんだけど、打つ瞬間だから時間が無い。
なので、「じゃあトップスピンで深いの」とか「スライスでドロップ」
みたいにもう一瞬「思いつく」程度の命令となるので
段々、一瞬の思いつきでそのショットが打てるようになるし、
打ち方自体も、一瞬の命令ですぐに打てるようなコンパクトで
実用的なフォームとなっていく。
 
でももちろん、用意しておくコースのショットは一つ一つ
ちゃんと個別に練習して、完成させておく必要がある。
チャンスが来た時に、打ち込まないで咄嗟に思いつきで
ドロップショットを打つ場合は、普段からドロップショットの練習を
きっちりやっておいて、習得しておかないといけないってこと。
ボール出しの基礎練習は、そういう一つのショットを習得する
ための練習になるんだよ。
 
戦術のことを考えたらやっぱり「思いつき」でショットを
打てるようにならないといけない。
その為には候補となる複数のコースを用意すること、
その候補となったコースの完成度を高めておくこと、
それから、その候補の中からその時の状況に合ったコースを
ちゃんと選べるようにすることが大事。
間違っても、本当に無計画な「思いつき」のショットに
ならないようにね。

トラックバック一覧

<< 2017年9月 >>

MONTUEWEDTHUFRISATSUN
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30