大きくする 標準 小さくする
トップ >>  てにすまん 高西ともからのメッセージブログ >>  ハードルを下げたり上げたり

てにすまん 高西ともブログ

ハードルを下げたり上げたり [考え方]

投稿日時:2013/10/22(火) 12:25

シングルスの試合ばかり出ていた俺がダブルスの
試合にも積極的に出始めたのは22歳か23歳頃。
会社の先輩コーチでダブルスが上手い方が誘ってくれたの
だが、申し訳ないことに一緒に出た試合はあまり勝てなかった。
見事に俺が足を引っ張ってしまい、何とも気まずい
雰囲気で自分がコートに立っていたのを未だに
覚えている。
 
ダメだった原因はダブルスの経験不足とボレーの技術が
乏しかったことなんだけど、今考えるとダブルスにおいての
自分が果たすべき役割が分かっていなかったことが大きい。
当時の俺は既に普段からレッスンをやっているテニスコーチとして、
「ダブルスとはこうだ!」というダブルス巧者の理想論はあった
ものの、結局情報ばかりが頭にあって、その頭でっかちな
情報のせいで全然何も出来なかったと言う訳なのだ。
ポーチでバシッと決めるためには、どういうステップで
どういう握り方でボレーを打てば良いか・・・なんて知識は
豊富だったけど、「ポーチ出る自信が無い場合は?」という
根本的な問題にいざ自分が直面すると、何もアイデアは
浮かばなかったのだ。
 
その時コートに立っている俺が思っていたことは
その上手い先輩コーチの足を引っ張らないように、同等の
プレーをしないといけない・・・ということ。
それはつまり、サーブ&ボレーで華麗に前へ行き、
足下に沈められてもきっちりボレーを返球しながら、
浮いたボールはバシッとストレートに決めてしまうような
カッコいいネットプレーだったり、相手の鋭いサーブが
飛んで来ても相手ボレーのポーチに捕まらず、きっちり
クロスに打てる手堅いレシーブだったり、相手レシーブが
ちゃんとクロスに打っても、良いスタートで迷い無く
飛び付いて決めてしまうカッコいいポーチボレーなんかを
するということなんだよね。
そういったプレーをすることが、その先輩選手と組んだ時に
自分がしなきゃいけないって思っていた。
でも、やらなきゃいけないって思いながらも
「そんなの出来る訳無い」って自分自身を否定しながら
そんなことを思っていたんだから、そりゃいたたまれなく
なるはずだ。
 
もしその頃の自分に今現在の俺がアドバイス出来るとすれば
こう言うだろうね。
「まず自分の出来ることを見付けよう」
テニスの試合は自信を持ってプレーしないといけない。
でもその「自信」とは、誰よりもナイスなプレーをするという
自信じゃなくて、「それくらいなら出来る」という自分の
レベルでクリア出来るところまでハードルを下げた課題に
対しての「自信」なのだ。
だから、それは自分の身の丈にあったもので良い。
技術だけじゃなく、精神的にも参ってしまいそうな人は
相当ハードルを下げたプレー・・・例えば「繋ぐだけ」
なんかでも良いんだよ。
そういうことなら、自信持ってプレーに専念出来るでしょ?
凄いアイデアが浮かんでも、それを自分が実行する勇気が
無ければ、それは使えなのだ。
 
とは言うものの、もう一つ当時の俺に言いたいことがある。
それはさっき述べたことと矛盾するんだけど、
「出来ないと思うな!自分は出来るって信じ抜け!」
ということ。
この考え方で重要なのは、自分自身を奮起させること
なんだけど、一番はやっぱり相手へのアピールだね。
「俺をなめるな!」という気持ちはどっかで見せなきゃいけない。
でもやっぱり自分のテニスをその試合で成長させるためにも、
今後のテニス人生で成長させるためにも、多少背伸びした
プレーを思い切って実行する行動力は身に付けないとね。
そしてその背伸びしたプレーは、「俺なら出来る」って気持ちに
なってからやらないといけないでしょ?
「俺に出来るのだろうか・・・」って心理状態だと絶対出来ないし
もし失敗したら、トライしたこと自体も後悔するだろうから。
 
相反することを書いたけど結局、
「身の丈にあったプレーを自信持って行い続ける」という
プレーをベースに置いておきながら、どこかで「俺はこんなことも
出来るんだ!」という背伸びしたプレーを混ぜながら出来るか
ということなんだよ。
そして「背伸びプレー」を「身の丈プレー」の中にどのくらいの
割合で混ぜて行くのか、それからどのタイミングで混ぜて行くのか、
それらをきちんと決めてコートに立てば、必ず強いパートナーと
組んでいてもそのコートの中での自分の役割は見えてくるし、
パートナーもそういったポリシーがはっきりした選手がペアだと、
多少レベルが自分よりも落ちていたとしてもサポート
しやすいものである。
 
でも当時のダメダメなダブルスの悔しさは、結局その後の
テニスの上達熱に繋がった。
こんな俺でも一緒に組んで大会に出てくれた先輩に感謝だな。
身の程を知らずに先輩とダブルスに組んだ俺は、多少背伸びプレーの
方はやっていたんだろうね。
でも大事なことはオンコートでの行動。
身の丈を考えることと、背伸びする度合いとタイミングをしっかり
計算出来るテニス選手になろう。

トラックバック一覧

<< 2042年9月 >>

MONTUEWEDTHUFRISATSUN
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30