大きくする 標準 小さくする
トップ >>  てにすまん 高西ともからのメッセージブログ >>  テニスが成長しやすい性格、ダメな性格

てにすまん 高西ともブログ

テニスが成長しやすい性格、ダメな性格 [考え方]

投稿日時:2014/04/01(火) 02:25

自分を分析するのは難しいけど、周りからはどういう
人間に見られているかというと、「おっとりしている」とか
「まじめそう」とか言われる。
ま、ちょっとこちらに気を遣っていると思うんだけど、
確かにそういう一面はあると自分でも思っている。
でも実は「おっとり」とか「まじめ」って周りとの衝突や
トラブルを避けて、物事を円滑に進めたいという気持ちの
顕われで、実のところ本当の性格はかなり怪しいかな。
だってよく知っている人からは「毒舌」とか「適当」なんて
言われるからね。
 
でもこの「毒舌」とか「適当」っていう面もプラスに考えている。
「毒舌」なんて、言った相手には失礼ではあるけど自分の
思った事を包み隠さず伝える事だし、「適当」なんてのも、
人生において多くの事に取り組まないといけないことを
考えると必須アイテムでしょ。
もちろん全てが適当ではマズいけど、適当にこなす代わりに
バランス良く全体に目を光らせられるようにすることが
かなり重要となると思っている。
でも「おっとり」とか「まじめ」、「毒舌」、「適当」という
色んな要素を持っているのって俺だけじゃなく、大抵の人が
そういう色んな一面を抱えているんじゃないかな?
大事な事はその割合なんだよ。
そしてもう一つ重要なのはそれらを使い分ける自分自身の
コンディションなんだよね。
「まじめ」と「適当」を場面によって使い分ける自分という
本体がちゃんと機能しないとダメだってこと。
 
これまでのテニス人生において、そんな自分自身の
コンディションが最悪になる事はしばしばあった。
何度かそういう辛い時期を経験したけど、その中でも
「これはキツかった」
というのは初めてスペインに行った24歳の時。
そもそも「スペインに行けば俺は強くなるかも」という
安易な気持ちだったのも原因の一つではあるが、とにかく
1年間滞在した最初の半年はどんどんテニスのレベルが
下降していくという悪夢のような半年間だった。
 
思っていた以上に練習が厳しく、スタートしてすぐ怪我に
見舞われしまったうえに、ホームステイ先では言葉の壁。
テニスだけやってりゃ良い訳でなく、銀行に行って口座を
作ったり、役所に行って滞在の手続きに翻弄したり・・・。
日本のエージェントとのやり取りやお金の問題も気に掛かる。
結果が出ないからコーチから「トモはそっちのクラスで」って
13歳くらいの子供のクラスに落とされる。
俺は24歳だぞ!何やってんだこんなスペインまで来て!!
そんな状況でこそ自分自身をコントロールして「まじめ」と
「適当」を使いこなしていかないといけないのに、
その時、それが全然出来なかったのだ。
 
テニスはもちろん一生懸命、トレーニングも一生懸命。
でも自分のテニスには絶望状態。
夢膨らませてスペインへ上陸したのに、今の俺はなんて
ザマだと自己批判するうえに、落ちていく自分を恥ずかしいと
思う気持ちさえも芽生えていた。
そんな状態で「毒舌」という部分の自分を出すとそれは単なる
悪口や過剰な被害妄想の人間にしかならない。
下のクラスのコーチの言っている事をちゃんと素直に
聞けないこともあったし、自分のテニスを棚に上げて
練習相手のテニスにケチ付けたりしたしね。
日本から多くの人達が応援の励ましメールをくれたんだけど
「俺の状況を知らないで気楽に『頑張れ』なんて書かないで」
なんて返信してしまったこともあった。
 
そんなスランプから抜け出すキッカケは何だったろう。
半年経って、やっと身体が慣れて来たことと、友人も増えて
テニス以外に気持ちを向けられるようになったこと、
コーチや選手達とも絆が出来てきたこと、ちょうど
他のアパートに空きがあってホームステイを抜け出したこと、
年末で多くの選手が母国に帰って、残ったスペインの強い地元選手と
練習する機会が増えた事・・・とちょうど色んな好条件が揃って
やっと落ち続けていた自分のテニスが上向いて来た感触を覚えた。
それからは心身共に余裕を多少なりとも感じることが出来て、
自分自身をコントロール出来るようになっていったのだ。
 
結局、まじめに取り組んでも自分の可能性を自分自身で
疑ったり否定していては意味が無いし、自分の素直な部分も
ただ愚痴を言ったり人を責めたりするようなことに繋がっては
危険ということをこの半年間で学んだ。
じゃあ最初から自分をちゃんとコントロール出来ていたら
半年間のスランプはもう少し短かったかもしれないが、
もしかするとそれでも変わらず、やっぱり同じ半年間
苦しむというパターンかもしれない。
ただ大事なのは、テニスにおいても他のことでも、こういう
どうあがいても頑張っても結果が出ないでドンドン落ち続ける、
そんな時期があるという覚悟で臨まないといけないってことだね。
辛い時期でも自分を信じ続けながら、コツコツと出来る事を
こなして良い流れがまた来るのを待つ・・・ということが出来ないと、
結果の出ない悲惨な自分の姿に対して感情的となり、
周りの人達を気付かないうちに傷つけてしまっていることもある。
 
とにかく自分がどういう人間かは簡単には分からない。
でも複雑で色んな要素によって成り立っているのは確かだから
それらをきっちり場面によって使い分けられる「自分」という
本体を、どんなキツい状況下でも正常に動かせられるように
したいもんだね。
あぁ、応援メールに対して感情的な返信をしてしまったことは
未だに悔やまれる。
 

トラックバック一覧

<< 2021年2月 >>

MONTUEWEDTHUFRISATSUN
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28