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てにすまん 高西ともブログ ブログテーマ:過去の思い出

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真冬の朝練と怖い先輩の思い出

[過去の思い出] 投稿日時:2011/02/08(火) 11:28

寒い日はまだまだ続いているけど、徐々に陽が
長くなって来た。
これは嬉しい。
テニス選手、テニスコーチをしていると外にいる時間が
多いから、その辺りには敏感になるね。
 
20代前半の頃は、朝練習もしていたから
日の出時間にも敏感だった。
なんせ、朝6時に練習がスタートしたので、12月末頃は
まだ真っ暗な状態でコートに集合し、うっすらボールが
見えるかどうかって感じで練習はスタートしていたのだ。
 
当然時間厳守で行かないといけない。
遅刻すると何か罰があった訳じゃないけど、とにかく
怖い先輩がいたからね。
でも当時はいくら寝ても寝足りないくらいだったから
いつもギリギリ状態で寮を飛び出し、コートに到着していた。
たまに遅刻もしていたなぁ。
そんな時は「すみませんでした~!!!」と平謝りで
コートにドキドキしながら入って行ったのを今でも覚えている。
 
そんな朝練習のメニューは・・・ずっとボール出し練習だった。
まずは先輩が打つから、俺はその先輩が要求している所へ
要求通りのボールを出さないといけない。
その要求と違うボール出しをしてしまうと・・・・先輩は
「イメージと違うんだよ!」と怒って一回ストップしてしまうのだ。
俺は毎朝、遅刻しないように行けるか、ドキドキしていたけど
実際はこの朝練最初の一球目のボール出しの方が緊張していた。
だってこの最初の一球の出来で、その日の先輩の機嫌が
左右されるのだから・・・・。
 
まだ薄暗くてクソ寒い真冬の朝練。
身体はまだ冷え切った状態。
俺は当時、まだまだボール出しも下手くそ状態。
怖い先輩が「絶対ここに出せよ!」と威圧して来る。
緊張と恐怖が最高潮になった状態で
「では、お願いしま~す!」と声を震わせながら注目の
第一球をボール出し!!!!
 
無情にもボールは緊張のあまり全然違う方向どころか
立っている先輩の真っ正面に飛んで行ってしまうなんてことも
よくあった。
しかも先輩はそうなるとそれを避けようとしない。
俺の出したボールはそのまま先輩に当たる・・・・。
 
「すみません・・・」
謝る俺に対して、先輩は「・・・・・」
何も言わずベンチに腰を降ろし、精神統一をし直す。
その間俺は立ったまま待っている。
その時感じた空しさと寒さ、こういう寒い日にコートに立つと
今でも思い出すなぁ。
でもああいった緊張感って大事だね。
緊張感が無い人生はつまらない。
良い思い出です。

テニス人生最大のスランプ

[過去の思い出] 投稿日時:2011/02/03(木) 07:54

今までのテニス人生の中で一番スランプに
陥ったのは30歳の時。
テニスの調子だけじゃなくって、練習自体
やる気が無くなり、コートに立つのも辛かった。
 
理由はテニスの調子とか体調とかじゃなくって
仕事の面で上手くいってなくて、頭の中はもう
そのことでいっぱいになり、とてもテニスの事まで
考えられなかった。
頭使ってテニスしないと練習にならないから、コートに
立ってもボーっとしっ放しで、実にならなかった。
 
一応試合にはエントリーして、試合には出場し続けたけど
当然結果は出せず。
やる気が無いと、ちょっと競っただけでも「ダメだぁ・・・」って
思うから勝てる訳もない。
勝てないから余計に気持ちが抜けて行き、その後更に
コートに立つのが億劫になる。
 
結局テニスだけじゃなく、仕事面でも気持ちは集中出来ず
会社を辞めて独立し、フリーで選手活動を続けることにした。
すると今度は今まで確保していた練習環境も会社を辞めたことで
失ってしまった・・・。
どうしよう・・・・。
更なる不安が湧いてきたけど、そんな状況で声を掛けてくれたのは
多くの選手仲間。
 
色んな選手が、「一緒に練習しようよ」って声を掛けてくれたのだ。
練習場所も練習相手も見付かったし、その声を掛けてくれた
相手の期待にも応えたいので一生懸命頑張る事が出来るように
なってきた。
 
テニスって精神面が大きく結果を左右するスポーツなので
テニスの調子だけじゃなくて、気持ちの面も安定させないと
結果は出せない。
でも気持ちの部分を一人で取り組むって難しいんだよね。
そんな時、俺みたいに助けてくれる選手仲間がいたり、コーチが
いたり、親とか兄弟がいると乗り越えられる。
でもそういった仲間はテニスだけじゃなくって、何事にも必要だよね。

カルロス・モヤと出会った日

[過去の思い出] 投稿日時:2011/01/31(月) 14:20

全豪オープン、男子シングルスでは
ジョコビッチ優勝!!
おめでとう!!
生のジョコビッチはまだ観たこと無いけど
あのストロークは間近で観てみたいね。
 
日本ではジャパンオープンくらいしかチャンスは無いけど
スペインにいる時は何かと陸続きなので、色んな所に
有名選手のプレーを観に行くチャンスがあった。
しかも練習していたクラブにも選手が練習に来てたしね。
だからスペインの子供達はもっと身近に世界トップクラスの
選手を感じながらテニスに励んでいるんだよ。
 
そんなスペインにいた時のある日、
「これからモヤが練習に来るらしいよ」とコーチが教えてくれた。
「モヤ!?すげぇ!!!」
カルロス・モヤ・・・当時世界トップ10に入っていたスペイン人の
超トップクラスの選手。
ワクワクして待っていると、駐車場に一台の黄色い
ランサー・エボリューションが到着。
降りて来たのは・・・モヤだ!!!!
 
とにかく興奮して彼の練習を観ていたんだけど、結局やってることは
我々と同じボール出しの基礎練習だった。
もちろん一つ一つのショットは強烈。
だけど、「ふーん、トップと言えども意外と地味な練習やってんだ」
って思った。
でもそれ以降、俺も地味な練習を頑張れるようになったかな。
 
その日のランチタイム、食後のコーヒーをクラブ内のバーの
カウンターで注文して待ってると、隣にスッとモヤが現れた。
しかも「今日の調子はどうだった?」と俺にモヤの方から
英語(スペイン語だったかな・・?)で話しかけてくれたのだ。
「良かったよ、カルロスは?」と俺も超緊張しながら聞き返したら。
「調子いいよ!」と返してくれた。
スペインの子供達がテニスを好きになる訳が分かった気がした。

ドロップショット誕生秘話

[過去の思い出] 投稿日時:2011/01/26(水) 07:59

ドロップショット、大好き!!
20代後半の選手時代、パワー系ショットはさほど
得意な方では無かったので、専ら色んなところに
打ち分けて相手を惑わすテニスをメインにプレーして
いたんだけど、その中でも特にドロップショットは
決まった時に気持ち良い。
相手の悔しがる顔がタマラナイ。
 
もちろんテニスが下手くそな時はタッチが微妙なので
使ってなかったんだけど、「ドロップショットやってみよう」と
思い始めたのはスペインのバルセロナにいた時だから24歳。
バルセロナで開催された世界ランキング100位から200位くらいの
選手達が出場するチャレンジャー大会を観に行った時に
力強いストロークで相手を翻弄しながら急にスッと見せるその
ドロップショットが凄くて影響されてしまったのだ。
 
ドロップショット打つまでのストロークは高いバウンドで相手を
どんどん後ろのポジションに下がらせたり、ショートクロス使って
コートの外に追い出すショット。
懸命にそれを拾ってディフェンスする選手はいつしか完全に
ディフェンスモードで受身になる。
その瞬間、ネット際にポトリと落とされるのである。
 
「凄い!!!」
興奮した俺は次の日の練習から、やたらとドロップショットを
使ってみた。
が・・・・先にも述べたように、ドロップショット打つまでに、
相手選手を完全ディフェンスモードにさせるまで
追い込まないといけない。
でも俺は、繋ぎのショットでさほど相手を追い込んでいない段階で
簡単にドロップショットを打つもんだから、楽々そのドロップショットを
拾われて逆に打ち込まれまくったよ。
 
しかも、他の選手とかコーチから
「トモ、もしかして君は昨日の試合に影響されたの?」と
見破られてしまった・・・・。
でもあれから諦めずにトライし続けて良かったよ。
信じ続けることが重要だね。

吹雪の時はサーブ&ボレー?

[過去の思い出] 投稿日時:2011/01/18(火) 09:56

愛知県にレッスンをしに行ってきた。
すると丁度、その滞在した2日間、愛知県は
雪に見舞われ、もう大変!!
それでもテニス大好きな皆さんが集まり
吹雪の中レッスンを行った。
 
でも雪の中でやるとボールとの遠近感が
分かりにくくなるね。
ボールを見ているつもりでも、目の前を雪が
吹き抜けるとどうしてもそれに焦点が合ってしまって
ボールがぼやける感じ。
 
そう言えば、過去にも吹雪の中試合した経験がある。
それは兵庫県のアオノオープン。
真冬に行われるこの大会は山間部で行われるので
けっこう寒いんだけど、この時は例年以上に寒くて
大変だった。
 
俺の相手はサーブ&ボレーの選手。
でもしっかり冷静に相手のサービスコースのパターンと
リズムを覚えて対処しながら試合を進めて行けたんだけど
途中でチラホラ雪が降ってきた。
コートは砂入り人工芝なので、中断は無い。
雪の中、集中しながらプレーを続けていたら雪はどんどん
酷くなり、遂に吹雪となった。
 
もちろん視界は悪いし、目もしっかり
開けてられない状態になってきた。
そんな吹雪の中、サーブ&ボレーヤーを相手にするって
けっこう大変なことなんだと、その時判明。
もやっと何となくしか見えない状態の中、急に
相手がネットに現れる感じでこれは焦る。
 
そもそもサーブ&ボレーって、奇襲作戦なので
相手は混乱しやすい。
普通でもそうなのに、こんな吹雪で視界が悪い中
奇襲作戦のサーブ&ボレーをされるとパニックになる。
雪があるから焦点合わず、相手が今どの位置に
いるのか一瞬分からなくなるし・・・。
どうしよう・・・・困った。
 
でも大丈夫だった。
吹雪によって相手との距離感が今一つ掴めず、俺は
困っていたけど、相手はサーブ&ボレーで前に出たものの
ボールの距離が掴めずボレーに苦戦していたみたい。
結局そのまま俺が勝ったけど、やはり吹雪の中では
テニスはやりにくいよ。
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