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てにすまん 高西ともブログ ブログテーマ:過去の思い出

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1試合の金額

[過去の思い出] 投稿日時:2011/01/13(木) 00:08

「テニス選手はお金が掛かる」
最初そう感じたのは高校生の時。
と言ってもその時は、道具代は両親が使っていたラケットとか
ウェアでやっていたし、ガット張りマシーンがウチに
あったから、ガットがどんどん切れてもそんなに
お金は掛からなかった。
 
じゃあ何が・・・と言うと、試合代である。
学校で出る試合はそんなに高くないから大したことないが
普通の大会に出場すると、3000円くらい。
でも重要なのはその金額では無くて、弱かったので
だいたいが初戦負け。
すると・・・・1試合3000円という計算になり、
「お金掛かるなぁ」って思ってしまったのだ。
 
試合になかなか勝てないのは20歳過ぎるまでずっとだった。
特に高校卒業してコーチになり、試合も一般の大会、しかも
JOP大会(全日本ランキング掛かっていて、賞金付き)に出場
すると、予選だけでも6000円とか取られ、本戦出場となると
12000円くらい掛かってしまう。
 
給料も安くて日々の生活もしんどかったのに、加えて
1試合6000円の試合(初戦敗退)が続くと、精神的にも参ってしまう。
「このお金で美味しい物を食べに行った方がどんだけマシか・・・」
いつも負けて悔しい気持ちの中そんなことばかり考えていた。
 
でも運よく、俺の周りには「お金よりも経験が大事!」とばかりに
負けても出場している事を悔やまず、また練習して次の大会で
この悔しさの借りを返す事を信じて頑張り続ける人ばかりだった。
そういう人達のおかげで、俺も初戦敗退しても大金はたいて
出場した事を後悔せず、また次の大会に向けて黙々と頑張り続ける
ことが出来たのだ。
 
間違っても「お金がもったいないから、上手くなってから出場しよう!」
と言って、大会には出ないで練習しかしない選手にならないように!!
しっかりお金払って色んな経験積んで選手になろう。
負けたらもちろんお金が勿体ない。
だからこそ、次に出場する時にはちゃんと勝ち進んで、元をしっかり
取れる選手になろうという気持ちが湧いてくるのだ。

テニス人生を大きく左右した一勝

[過去の思い出] 投稿日時:2011/01/10(月) 11:48

この時期開催されているアオノオープンは思い出深い
大会である。
2006年の大会で3回戦まで勝ち上がれたんだけど
実は、この数週間前に「サーブ&ボレー」にプレースタイルを
変更したばかりだったのだ。
大事な試合だったんだけど、だからこそここでサーブ&ボレーを
成功させて自信に繋げたかった。
 
初戦の相手は同じ年齢の選手だが、相手の方が
ランキングも上で実績もある。
しっかりしたストロークがウリでしかもサーフェイスは砂入り人工芝。
ここはプレースタイル的には不利かもしれないが、だからこそ
勝負のし甲斐がある・・・と思って気合入れて乗り込んだ。
 
しかし・・・1セット目は相手のプレーに翻弄されて、
こちらのサーブ&ボレーはボロボロ状態。
ガツンと打たれたストロークをしっかりボレー出来ずに当てるだけ。
そうなるとその次にパスを綺麗に抜かれてしまう。
1セット目は落としてしまった。
 
2セット目に入り、サーブ&ボレーを続けるかどうか・・・は
迷わなかった。
何も迷わずサーブ&ボレーをし続ける。
その代わり、相手のストロークのリズムとコースを覚え、
対応していく。
2セット目もプレーは微妙な出来ではあったが、迷わず前に出続けたこと、
そしてネットプレー特有の、ラケットの変なところに当たった
アクシデント的ボレーのポイントなんかも徐々に相手が嫌がっている
感じが伝わってきた。
が、まだまだ「これいける!」とは思えない。
 
サーブを確実に入れて、1stボレーを丁寧に打ち続け
何とか2セット目を取ると、「よし、ここ先手必勝!!」とファイナルセットに
賭けた・・・がその気合が大きすぎて、サーブはグチャグチャ、ボレーも
一発狙いになってしまいリードされる。
「イカン、イカン・・・」と慌ててコツコツ型に戻して黙々とプレーを
続けると追い付き、逆転して勝利!!!!
 
この一勝は大きかった。
この勝利があったからその後の選手人生でネットプレーを
続けることが出来たし、そのおかげでランキングを一気に上げる
ことが出来た。
結局今はネットプレーの方が得意なんだけど、それに辿り着けたのは
この時の一勝なんだよね。
 
頑張って会得したいショットなんかがあれば、練習も死ぬほどやらないと
いけないんだけど、大事なことは大きな舞台で迷わず使って結果を出し
自信をつけなきゃ身に付かない。
この試合でそれを学ぶことが出来たよ。

365日テニス人生

[過去の思い出] 投稿日時:2011/01/05(水) 01:32

毎年、正月明けに兵庫県で大きな大会があった。
時期的に厳しいんだけど、結果はもちろん出したい・・・と
いうことで、年末年始はギリギリまでその大会の為に
ずっと練習をしていた思い出がある。
ある年なんか、12月31日まで練習して、
「良いお年を・・・・」なんて挨拶して分かれた選手と
翌朝元日に「明けましておめでとう(笑)」ってまた練習した
こともあった。
 
「正月くらいは休みたいよなぁ~」
そんな会話をしながらその選手と練習していた。
でも当時は、休みを取る事が不安だったから、そんなことを
言いながらもちゃんと大晦日と元日に練習出来て幸せを
感じていたよ。
正確に言うと安堵感。
コートに立っている安心感を感じていた。
 
体を休ませる事は必要なんだけど、とにかく選手時代は
自分自身を成長させる事ばかり考えていたから、ラケットを
握らない日を作るのは普段だったし嫌だった。
休むとすれば午前練習して午後だけオフにしたりするくらい。
でもそのオフも軽いランニングとかストレッチ、軽くトレーニング
なんかをしたりしていたいと思っていたくらい。
 
そのくらい向上心に燃えて、頑張っていた選手時代だが
実はそれは選手生活の最後4年くらいの話かな。
そこにたどり着くまでは意外とのんびりした選手生活を過ごしていたよ。
もちろんそれなりのトレーニングや練習はしていたけど、そこまで
自分を追い込めなかった。
 
でも戦績が上がって「もっと俺は上に行かなきゃいけないんだ」って
思えるようになって初めて「俺には時間が無い」と焦り始め、
毎日コートに立って練習しないと落ち着かなくなったのだ。
そのおかげで更にレベルを上げることが出来たんだけど
今考えると、そうやって自分を追い込んでテニスに熱中していた
あの頃って本当に幸せだったって思う。
 
それくらい強い思いがあったから、引退するまでとことん
テニスをする事が出来たからね。
お正月も頑張っている関東大学駅伝とか全国高校サッカーを
観たらちょっとそんなことを思い出してしまった。

自分のテニスを振り返ろう

[過去の思い出] 投稿日時:2010/12/31(金) 11:29

大晦日。
今年一年を振り返って、自分のテニスが
どれくらい成長したのか確かめてみる
良い機会だ。
俺が高校生の頃はそんな反省なんてしたこと
なかったなぁ。
なぜかと言うと、向上心がなかったから。
そもそも上手くなるなんて思ってなかったし、それ以上に
上手くなるってどういう事なのか、それさえも分からなかった。
 
逆に一番自分の一年間を振り返って検証したのは
24歳の時に一年間行ったスペイン留学の時。
5月にスペインに行ったんだけど、最初半年は慣れない
練習に振り回され、海外生活のストレスも溜まり、どんどん
テニスは落ちて行った。
 
が、ちょうど12月に入ってからクリスマス休暇で選手皆
それぞれの国に帰って行った時、地元スペイン・バルセロナの
選手の他は俺くらいしか残っていなくて、少人数でしかも
かなりレベル高い相手と練習が出来て、そこから
調子が上がって行ったのだ。
ずっと低迷していた自分のテニスが上向きに変わり始め、
「行けるかも!!」と希望が見えて来た時に丁度年が変わる
というタイミングだったので、自分のこの一年間をじっくりと
振り返る事が出来たのだ。
 
でも反省し易かったもう一つの理由は、スペイン留学する前に
自分がどのくらい上達したいか・・・というイメージが頭の
中にあったから。
そういう目的やイメージがきっちりあると、節目節目で自分の
現状をチェックしやすい。
高校の時の俺も「ここまでは上手くなりたい!なれる!」という
イメージがあればもう少し自分自身と向き合えて、もっと
レベルアップ出来たんじゃないかな・・・と思う。
 
さて、来年皆はどのくらいレベルアップするつもり?

負けたくないから・・・負けちゃった

[過去の思い出] 投稿日時:2010/12/28(火) 13:23

試合の中で「負けたくない」という気持ちは重要。
その気持ちがあるから日々頑張れるし、諦めない
気持ちも持ち続ける。
でも・・・それが逆に作用する事も多いのがテニスの
怖いところ。
 
俺がまだ現役の頃、とある大会の3回戦で後輩の選手に
当たったんだけど、ストレートでボロ負けをしてしまった。
今考えるとその後輩は当時もう俺を追い越して、もっと高いレベルの
テニスをしていたんだけど、俺の中ではそれまで俺より
弱かったうえに「俺の方が先輩」というプライドから、
「こいつには絶対負けたくない」という気持ちが爆発した。
そしてその思いが逆に作用してしまい、最悪の試合をしてしまった。
 
もともと相手のプレーを分析しながら、何をやっていけば
ポイント取れる可能性が高いか探りながらプレッシャーを
かける試合をする俺のテニスだったけど、その時は完全に
「叩きのめしてやろう!」という気持ちばかりが先立った。
 
だからミスも多かったし、こっちがやろうとしている事が
相手にバレバレだったし、そんなんで勝てるはずもない。
それでも冷静に自分の状況を試合中、確認する事が出来なかった。
ただただ後輩からボロボロにやられている自分が空しくて
仕方なかった。
 
結局は相手の方が格上だったから、ちゃんと対処しても
負けていたかもしれないが、やり方変えれば結果は違った
かも・・・。
でも過去をやり直すことは無理だからね。
あの時、「先輩後輩」というだけであれだけ自分を見失う甘さを
持っていた自分は結局「敗者」なんだよ。
 
あ~今思い出しても悔しい一戦だよ。
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