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てにすまん 高西ともブログ

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たかがショートラリー、されどショートラリー

[技術【ストローク】] 投稿日時:2012/06/07(木) 17:40

「さぁ、今からテニスをやろう!!」
ってコートに立った時、最初に何をする?
試合の時は違うけど、練習となるとまずは
ショートラリーからスタートする人、多いんじゃない?
俺も色んな選手と練習したけど、ショートラリーから
スタートすることが多かった。
 
でもあのショートラリーって、お互い近い距離で
ゆっくりと打ち合うから簡単そうに思うけど、
意外とテクニックが必要なんだよね。
だから結構ショートラリーに手間取っている
人をよく見かけるが、ショートラリーテクニックは
試合の中でもかなり有効なんだよ。
だからショートラリーは単なる練習最初のウォーミングアップ
と考えないでしっかり練習してその技術を磨いてもらいたい。
 
その前に、なんでショートラリーから練習を始めるんだろう。
ボール自体はゆっくりだから、リラックスして
始められるというのが主な理由かな。
「最近調子どう?」「どういう練習する?」
なんて話をしながらショートラリーを行い、体の動きを確かめ
つつ、気持ちも段々高めていくのだ。
慣れた人には簡単なんだけど、簡単に感じる理由は、
相手との距離が近いし、ボールがゆっくりだから
コントロールしやすいってことかな。
でもこの「相手と近い」「ボールがゆっくり」ってことが
逆に難しい要素でもあるんだよ。
 
まず相手と近いってことは、ボールを短く打つ
テクニックが必要でしょ?
そのためには回転を加えることが必要となるし
距離が近いから、素早い構え直しも出来ないと
いけない。
この「回転」と「早い構え直し」は、ある程度相手との距離が
あって、速いショットでのラリーだとやりやすいし、意識も
しやすい。
でもショートラリーはゆっくりのラリーでやらなきゃ
いけないからそれがまた余計に難しくしているんだよ。
ゆっくりなボールを見ると、打つ準備までゆっくりに
なってしまう人と、回転をかけるための振り抜きが出来ない
人は、まずここでつまずくのだ。
 
それから近距離の相手とのラリーだから当然ゆっくりの
スピードのボールでもテンポが早くなる。
ということは、すぐショットが返ってくるから構え直しも
早くしないといけないし、近距離ということは相手ショットの
バウンド地点も近くなりやすいから、ライジング気味に
なることにも多い。
だからスィングはあまりテイクバックが大きくないコンパクトな
打ち方の方がいいよね。
大きなテイクバックとゆったりとしたバウンドしか打てない人も
やっぱりショートラリーは苦手と感じやすい。
 
ということで、まとめると・・・。
素早い構え直しと、ライジング気味のコンパクトスィング。
しかもその打ち方で回転を掛けてボールを短く打てて、尚かつ
ゆっくりとしたスピードで打てるテクニックがショートラリーには
必要ということになる。
これらを身に付けたとすると、試合の中でどう生かされるかって?
ショートラリーをする時に立つのはサービスライン付近でしょ?
そこできっちりプレーが出来るってことは、ベースラインでの
ストロークプレーとネットプレーを繋ぐ架け橋になってくれるのだ。
次、テニスする時意識してショートラリーをしてごらん。

「せこい!」なんて言うな。騙し大作戦!

[戦術] 投稿日時:2012/06/06(水) 01:40

テニスは相手との戦い。
相手選手の表情や仕草を観察し、その選手が
何を考え、今現在どういう状況なのか、しっかりと
確認しないといけない。
ということは、上手い相手と対戦したら、その相手は
こっちを見ているってことだよね?
じゃあ見られてるんなら、ちょっと騙してやろう・・・って
考えたことない?
 
結構俺は試合の中で色々試したよ。
まあそんなに何ポイントも取れるほどではないが
実際俺が試合の中でトライして成功した、騙しの
パターンを幾つか紹介してみよう。
 
まず一番多いのは、やっぱりダブルスのポーチだよね。
レシーブを打とうとしている相手の正面にボレーとして
立っているとき、ポーチに出るふりを見せておいて
実際はストレートに誘う・・・というパターン。
これは相手がこっちを観察していることを利用した
典型的なやり方なんだけど、ダブルスで他に俺が
よくやるのは「ロブ上げるから気を付けて!」って
打つ直前にパートナーへ声を掛けておきながら、それを
聞いてロブを意識した相手の足元を狙うやり方。
ビックリした相手がミスをしてくれたり、パスも
抜けやすくなるんだけど、パートナーには
「ロブじゃないのかよっ!」って後で言われたりする。
 
ダブルスでのロブのパターンでよくやるのをもう一つ。
俺がレシーブを打つ前、ロブでストレートに打つ
素振りを軽くやっておく・・・というもの。
そうすると俺のレシーブを狙っているボレーの相手選手が
それを見て「ロブかも・・・」と思ってくれるから
結構ポーチの餌食にはなりにくかったりする。
これはよく使っているし、今でもよく使う。
 
相手がロブを上げてきたときに、本当は全然眩しくないのに
眩しそうなふりをしながらスマッシュを打つ・・・なんてことも
やったことがある。
あまりにも眩しそうに打つスマッシュを見せたから、次の
ポイントでまたロブを上げてきてくれて、それをまた眩しそうに
しながら打ったんだけど、さすがにスマッシュで決めてしまったら
もう上げてこなかった。
 
素振りとかこっちの仕草とかって結構相手は観察して
くれるので、素振りを見せる技をもう一つ。
サーブを打つ前にワイド系のサーブの素振りを軽く
やっておく。
引っ掛けやすいのはアドバンテージサイドのサーブかな。
ワイドにトップスピンで弾ませて、相手レシーバーを
外へ追い出してしまおう・・・的なトップスピンの素振りを
見せておいて、実はセンターへサーブ。
これ、上手く行くとけっこうゆっくりのサーブでも
エースが取れちゃったりするんだよ。
 
自分がレシーブのときには、レシーブポジションで
相手を混乱させるパターンもよく使う。
どういうことかというと、サーブを打つ時、相手レシーバーを
一度観察するでしょ?
でもその後トスを上げるから、相手レシーバーから一度
目を離し、トスで上げたボールを見るでしょ?
その目を離した隙にレシーブポジションを変えるのだ。
 
最初に下がって見せておいて、トスを上げている隙に
前へ移動して、レシーブダッシュ気味に速いテンポで
レシーブをするってのもアリだけど、面白いのは最初に
サーバーがこっちを確認したときに、ちょっと小バカに
してるってくらい前に出て見せて、その後トスを上げている
隙に慌てて普段のレシーブポジションに戻るというもの。
これは結構面白い結果が出やすい。
特に相手のセカンドサーブの時に試してみてよ。
 
他にも色んなパターンはあるんだけど、とにかく
テニスの試合のレベルが上がってくるほど、相手から
観察されている自覚を持たないといけない。
ってことはそれを利用した騙しの作戦も覚えておいた
方が面白い。
見られていることを意識して、君も何か相手に
仕掛けてみたら?

テニスで一番大事なゾーン

[考え方] 投稿日時:2012/06/05(火) 01:26

試合の経験を積んでいくと、大抵の人は
ディフェンス力というか安定感の重要さに気が付く。
ちょっとしたパワーよりもしっかりとした安定感の
方がずっと勝利を掴みやすいってことを
色んな相手とやっているうちに感じるんだよ。
だって必死で攻めた結果、自分のミスの方が多くなる
ことが多くなりやすい訳だからね。
だったら攻めない方がマシ・・・って思うのだ。
 
でも何にも攻めないで、ただ繋いでいるだけという
プレーはレベルの低い相手には通用しても、同レベルは
難しいし、格上となると効果が無かったりする。
相手も同じように繋いできたりするからね。
ということで、ある程度は攻めないといけないのだが、
その攻める理由は「相手のディフェンス力を崩す」という
のが目的であって、「決める」ためではない。
そこが重要なところ。
もちろん決めるチャンスの時は決めて良いけど、全て
決めるために打ってたら、結局また自分のミスで
苦い思いをしなきゃいけなくなる。
だから、「自分のディフェンス力を極力落とさないように
しながら、相手のディフェンス力を落としていく」という
プレーしていきたいわけだ。
 
それをポジションで表すとどうなるか・・・。
後ろに下がる・・・というのを「ディフェンス」とし、そこから
ネットに近づけば近づくほど、「攻撃」とする。
まず粘るだけで攻撃しないプレーは、しっかり後ろへ
下がったポジションでのプレーとなり、ネットには全然
近づこうとしない。
逆に攻撃をどんどんしていくプレーをポジションで表すと
ネットにドン詰めしてボレーで決めてしまおうという
プレーとなる。
 
後ろにしっかり下がったディフェンス力重視のプレーは
手堅い感じがしっかりアピール出来る。
でもそれだとミスは少ないけど、相手の浅くて甘いショット
まで繋ぎのショットにしてしまうし、もしハードヒットしたと
しても、相手までの距離が長い分、効果も薄くなる。
逆にネットにドン詰めだとどうなるか。
決定力は最高、相手の甘いショットをバシバシ決めやすい。
でもその代わり、後ろのスペースが空きすぎだから
ロブが抜かれやすいので、手堅さは足りない。
 
そこで必要なのは、手堅さもある程度しっかりアピール出来て
しかも、相手に対して攻撃をちらつかせるようなプレーが
出来るポジション。
となると、しっかり下がったポジションよりも少しコートの中に
入ったところから、通常のネットプレーゾーンより少し下がった
確実にロブ処理が出来るような、サービスライン辺りまでの
範囲がそうなるわけだ。
そのゾーンでのプレーがしっかり試合の中で多くなれば
手堅さを保ちながらも相手に攻撃をアピール出来る理想の
雰囲気を作りやすくなるんだよ。
 
当然コートの中に少し入ったポジションだと、
ライジング系のストロークがメインになるし、
サービスラインあたりのネットプレーだとバシッとトドメを
刺すようなボレーというより、安定感と配球をメインにした
ゆっくり目のボレーが必要になる。
でもそのおかげで、相手の甘いショットをストロークで
崩しやすくなるし、その崩れかけた相手に
ネットプレーでトドメを刺す・・・ということをチラつかせて
プレッシャーをかけてミスももらえるし、
相手のロブにはしっかりと対応できるから手堅さも
ドン詰めボレーより断然アピール出来るのだ。
 
そのゾーンはいわゆる「デッドゾーン」って呼ばれて
「そこでプレーしちゃいけない」って思われがちだけど
テニスという攻守のバランスが重要なスポーツの場合、
やっぱりそのデッドゾーンでのプレーがバランス良く
出来ないと成り立たないと思うよ。
もちろんずっとそこに立ち続けることはかなり難しいけど
何かのタイミングで、いきなりベースラインの中に
踏み込んで、そこからサービスラインまでのプレーを
上手く使いこなせるように練習しておこう。
テニスは、守りつつも攻め、攻めつつも守らないといけない
スポーツなんだからね。

テニス節約術

[テニス技術] 投稿日時:2012/06/04(月) 16:17

俺は金持ちではない。
お金は無いけど、遊ぶことは大好きなので
休日は大いに楽しもうとする。
当然、使えるお金は限られているから、遊べる金額の
範囲内で、一番楽しめる遊びを考える。
どうやるとお金掛からなくて楽しめるか。
「お金をかける気はありません!」という強い意思が
原則としてあることを意識して、場所、内容、参加者
なんかを考えるから、その範囲内で色々アイデアが出る。
それで考えると、けっこう面白いことはあるんだよね。
でもそこで「お金がいくらでもある」となると、ちょっと
考え方は違ってくる。
派手さは際立つけど、意外と内容の無い遊びになる
かもね。
 
テニスのショットもそれと似てると思うんだよ。
「お金」とは「労力」になる。
その「労力」を最初から制限設けておいて、その
範囲内でいかに良いショットが打てるか・・・というのを
考えないといけないんだけど、その考え方が無くって
「私は良いショットを打つためには労力を惜しみません!」
って感じでどんどん力いっぱい打ってしまう人が多い。
そうなると結局一番頑張るのは腕力。
でも腕力で頑張ると、大振りでミスが多いうえに、
力みすぎて怪我をしたり、労力使いすぎて試合の後半に
体力不足になったり・・・。
 
ということで、まずは制限をしっかり設けよう。
どのくらいに設定するかというと、とにかく自分でビックリ
するくらい労力は小さく設定したい。
「こんなに小さな力で打たなきゃいけないの?」って
驚くくらいにしないといけないのだ。
ショートラリーとそんなに変わらないくらいかも。
でもそのくらいに設定しておかないと、体力の問題も
あるが、走らされた時、ギリギリに手を伸ばして
打つ時、相手の速いショットを咄嗟に対応しないと
いけない時なんか使えないからね。
 
でも当然、ボールを飛ばすために自分が加えていた
力が減った分、他の力を利用出来るようにしたい。
それは何なのか・・・。
考えられる自分以外の力は、まずは相手のショットを
跳ね返す力、それから踏み込んで行く力、もちろん
ボール自体にもバウンドする力があるし、ラケットにも
ガットにも反発する力が備わっている。
それらの全てを合わせるとけっこうな力になってくれるし、
そういうことに気が付くのって、労力を極力制限して
初めて実感できるんだよ。
「今日一日1000円で過ごしてください」って言われて
初めて高級レストラン行かなくても、安くて美味いものが
身近にあるんだって気付いた感じだね。
 
労力を小さくしたことで、コンパクトなスィングのショットが
打てるようになるから、ランニングショット、コース隠した
ショット、咄嗟にコースを変更する・・・なんてことがしやすく
なるだけでなく、気持ちの余裕も出てくるから、視野も
広くなるし、頭の回転も良くなりやすい。
しかも労力を小さくしたことで結構実感できるのは、
より速いショットを打てるようになるってこと。
体の使い方もスムーズになるし、さっき言った自分以外の
他の力を上手く使えるようになるからね。
 
でも労力小さく設定した時に気を付けてもらいたいのが、
スライスばっかりになったり、足を止めてしまったりすること。
労力は惜しむが、プレー自体はより高いレベルをしっかり
意識して練習をしてもらいたい。
お金の無駄遣いはやめて欲しいけど、ケチな人間には
なってもらいたくないってことだね。

スペイン流コーチング?

[過去の思い出] 投稿日時:2012/06/01(金) 11:38

テニスの試合中、基本的にコーチは選手に
アドバイスをしてはいけない。
ま、ちゃんとコーチングが認められていて
ベンチにコーチが入れる試合もあるんだけど
他人のアドバイスなしで戦わないといけないのが
普通だし、それがテニスの厳しいところでもある。
 
が・・・俺がスペインにいる時、いろんな大会で
試合中にアドバイスするコーチと出会った。
もちろんそれは大会のルールとしては違反
なんだけど、色んなコートで色んなスペイン人コーチが
選手にアドバイスしているのだ。
でもそれは、何というか国民性みたいなものなのかな。
スペイン人のコーチ達は皆、熱心に指導してくれる。
その熱意があまりにも有りすぎて、試合中どうしても
自分が面倒みている選手に問題点が見つかったら
それを指摘せずにはいられない・・・といった感じなのだ。
と同時に、運営側もあんまりそういうことを厳しく
チェックしようとか、アドバイス受けている選手の相手が
「卑怯だ!」みたいな抗議が無いことも国民性というか
習慣化されていて面白かった。
 
試合中にアドバイスしてしまっているスペイン人コーチ達の
殆どは、さっきも言ったように「言わずにはいられない!」
といった感じでアドバイスしてしまっているから、冷静さを
失ってて、怒りとか苛立ちまで見せてしまっていることが多い。
両手も広げて、一生懸命伝えようとするからもう
周りから「こいつアドバイスしてるな」って丸分かりなんだよね。
 
俺もスペインで大会に出た時はよく、引率で来てくれた
コーチが、試合中サーブを打とうとする俺に対して、
「ワイドだ、ワイドだ」とばかりに、俺の真正面で「ワイドに流せ」
というジェスチャーを両手使って伝える・・・などの
アドバイスをしょっちゅう受けていた。
そのアドバイスを無視して失敗なんかすると
「だから言っただろう!!なんで言うこと聞かないんだよ!」
的なアピールを更に大げさにジェスチャーしてくるんだよ。
 
でも選手の中にはそういう試合中のアドバイスに対して
無視するどころか、反論する選手も多かった。
「次はここに打て!!」みたいなアドバイスに対して
「俺はそう思わない!俺はこっちがいい!」なんてのを
堂々と試合中に応援しているコーチのところへ行って、
フェンス越しに言い争いをしているのだ。
でもスペイン人の熱いコーチはそんなことに屈しない。
「いや、俺のやり方を信じろ!こっちの方が良いのだ!」
当然お互いに主張しあった後にその結果が出る。
その結果、やっぱりコーチの方針の方が良かったとなると
益々頑張っちゃってアドバイスをしてしまう。
でもコーチの方針より反論した選手の主張の方が
いい結果が出たとしたら・・・それでもやっぱりコーチは
熱いテンションのまま、大きく身振り手振りしながら、
自分自身が思うテニスを伝え続けるのだ。
 
もちろんこれらの行為は反則である。
でも、実際試合中にコーチングを受けて
試合をするというのは、かなりプラスなことが多い。
一番伝えなきゃいけない瞬間にアドバイスが出来れば
そのアドバイスの真意が伝わりやすい。
試合後の反省会で言われるよりずっと良い。
でももっとプラスなことは、スペインで見た試合中の
選手対コーチの口論だと思う。
コーチのアドバイスに対して選手が自分のポリシーを
ぶつけて議論し、そしてその直後にどちらが正しいのか
結論が出る・・・という流れは、究極の選手育成の流れだと
思うんだけど。
 
もちろんこれも反則なんだけど、こういう試合中に
アドバイスするコーチと、それに対して言い返す選手という
やり取りがスペインテニス選手の強さの秘訣かも
しれない。
 
ところで、他の国でも試合中にアドバイスをする
コーチってたくさんいるのかな?
反則なので実際やったらダメだけど、それくらい試合中に
熱くアドバイスをするコーチとそれに対して自分の考えを
ぶつけられる選手のバランスって面白いと思うよ。
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