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てにすまん 高西ともブログ

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テニスコーチボレー

[技術【ネットプレー】] 投稿日時:2012/03/08(木) 12:01

高校時代に下手くそだった俺のボレー、
上達を最初に感じたのは本格的に
テニスコーチを始めた18歳の頃。
どういう場面で感じたかというと、初級クラスの
生徒さんを相手にボレーストロークのボレー役で
繋いであげていた時である。
 
まだ早いショットに慣れていない初級クラスの生徒さんへ
いかに打ち頃のボレーで返球してあげられるかが、
コーチとしての仕事なんだけど、毎日毎日、そうやって
ボレーで繋いであげていたら段々とコントロールできるように
なり、打ち頃のショットを返球出来るようになってきた。
 
もちろんネットの向こうに立っている相手に打ち頃の
ショットをプレゼントすることは、試合に置き換えると
ナイスとは言えない。
でもそれまで全然コントロールが出来なかったから
一定したボレーを打てるようになっただけでも
ボレーの上達が感じられて嬉しかった。
それに、決めた場所へボールを送れるということは、
試合では相手がいない場所へ打てるということだからね。
 
でもこの打ち頃ボレーを習得したことで何を覚えた
かというと「回転をかけて勢いを殺す」というタッチ。
それまで自分の練習でボレーストロークのボレーを
していた時は「俺はボレーだから攻撃だ!」と
ばかりにストロークよりも速いボレーで返球すること
ばかり考えていたんだよ。
確かにボレーはある意味攻撃的なショットではあるけど、
攻撃の意味は「パワー」ではない。
コースなんだよね。
ボレーはコースが良いから決まりやすいんであって、
そこをパワーとか質で求めてしまうと、決めるよりも
ミスが多くなってしまう。
 
でもコーチになって初めて、ストロークよりもゆっくりの
ボレーで返球するボレーストロークを覚えると、試合の
中で意外と決めやすくなっているではないか・・・。
テニスコーチボレーはなんて良いボレーの練習に
なるんだろう!!!って思ったよ。
 
でもその殺して繋ぐボレーを覚えて成長は感じたものの
その後ボレーの成長は、止まってしまった。
だって、テニスコーチボレーを得たことで、相手の威力を
殺して繋ぐボレーを覚えたけれど、それと同時にもう一つ
変な癖もついてしまったのだ。
それはズボラなステップ。
器用に相手コートに勢いを殺して返球出来るようになった分
足を動かさないでぼれーしてしまうようになったんだよ。
 
だから皆にも注意してもらいたい。
ボレーストロークの練習では、相手ストローよりも
ゆっくり返球できる、勢いを殺したボレーを練習してもらいたい
のだが、必ず前へ踏み込んだり身体の向きを
きっちりと作るステップは一緒に行うこと。
テニスコーチボレー、ミスしにくいが、ズボラになりやすい。
便利だけど落とし穴があるので気を付けよう。

新たな地で生まれ変わろうぜ

[過去の思い出] 投稿日時:2012/03/07(水) 00:24

大阪の高校でテニスを始めた俺は、高校卒業後
上京してテニスコーチの派遣会社に就職し、
テニススクールのコーチとして活動。
入社して最初に思ったことは、この関東という地に俺の
過去を知っているヤツはいない・・・そう思った。
過去とは、いわゆる経歴である。
 
高校のテニス部でやっている時は、常に自分の
経歴に劣等感を感じていたのだ。
全員高校でテニスを始めた人ばかりのテニス部
だったから、レベルはかなり低くて勝てなかった。
でもレベルだけじゃなく、他の学校の選手が中学から
テニスをやっていたとか、テニススクールに通っている
なんて肩書きに劣等感を抱いていたから、それで
勝てなかったってことも大いに有り得る。
 
そんな人の経歴を気にして勝負しようとしていた
人間だから、自分の経歴を誰も知らない関東の地では、
もしかしたら誤魔化しながら成長出来るんじゃ
ないかなって思ったよ。
要するに「ハッタリ」ということだね。
 
でも実際にはそんな人の経歴なんて、多少は
気にされるけど、それ以上にテニスの試合って、
すぐに実力が分かるからさほど関係しないもの。
だけど俺はこれをキッカケに、自信持ってプレー
することを意識的にやるようになった気がする。
そしてこの「新たな地で変身」という作戦に味をしめて、
こういうのってアリなんじゃないかって感じ始めた。
 
だからその後の3ヶ月間のアメリカ放浪の旅でも、
いたるところで「俺は日本でトップクラス」なんて、
ハッタリをかましたりして、色んな大学のテニスチームを
訪ねてはハッタリ言いながら練習に混ぜてもらったもんだ。
もちろんすぐにバレるけど、それくらいのハッタリが
無いと一緒に出来るように混ぜてもらえない。
 
でもね、そういうハッタリって一番効き目があるのは
自分自身だったんだよ。
「日本でトップクラス」ってハッタリを言った以上は、
自分で何とか日本のトップクラスのプレーをしようとしないと
いけないから、集中もするし緊張感の中でプレーできる。
無難じゃダメなんだから。
周りが自分の過去のダメな自分を知っているなら、気軽に
ミスできるんだけど、今のイメージが自分の評価に
なるって思うと、やっぱり実力以上のプレーを
出したくなるし、その気持ちがいい結果に繋がった。
 
そしてその後も、俺のことを誰も知らない土地に
行っては「俺って実は・・・」みたいなことはしたけど
結局そういう考え方って、実はテニスの試合中、相手に
対して必要な考え方なんだよね。
自分の本心を隠し、相手にはどう見せて、
どう思わせるか・・・。
それによって結果は大きく変わっていくのだ。
 
けれど、なかなか自分のことを誰も知らない土地に
移ることって難しい。
だからどうしても周りには、自分の実力や過去の
情けないプレー状況を知っている人がいる。
それはとっても悲しいことではあるし、甘えてしまう
部分でもある。
が、そういった中でも何とか新しいイメージある自分を
作り上げて演じていってもらいたいもんだ。
 
高校の時も、テニスとはそういうモンなんだ!!
って思うことが出来たら、もう少しハッタリを使って
実力以上の戦績も残せたかもしれないなぁ。

ローボレーとハーフボレーの境界線

[技術【ネットプレー】] 投稿日時:2012/03/06(火) 15:39

相手がボレーをしようとしているとき、
どこを狙う?
もちろん余裕があれば、横を抜くパッシングショットを
打てばいいんだけど、そこまで余裕がない場合、
候補としてはロブだよね。
でもロブと対照的な足元なんかも狙い目。
特に、一歩間違えるとチャンスを与えてしまうことに
なりやすいのがロブなので、足元へ打つ頻度は
かなり高い。
自分がボレーの立場にいた場合、足元に来た
相手ショットをちゃんとボレー出来てる?
 
この足元のボレー、苦手な人は多いだろう。
何とか返したとしても、それが甘くなって次でやられる
なんて経験は誰でもあると思うよ。
じゃあこの足元ボレーを強化・安定させるためには
どうすればいいんだろう。
まず言えることは、足元ボレーは難しいということ。
何が難しいか・・・これが大事なんだよ。
 
もちろん技術的にも難しい。
でもそれ以上に難しいのが判断!!
バウンドさせてハーフボレーにするのか、ノーバウンドで
打ってローボレーにするのかを一瞬で決めないと
いけないのだ。
もちろん適当ではダメで、正確に打ち分けが出来るか
が重要となるのだが、そのハーフボレーとローボレーの
境界線、ちゃんと分かっているかが鍵となる。
 
その目安の一つはラケットがどこまで届くか。
ラケットを持った腕を前に伸ばし、ノーバウンドで触れる
ところまではもちろんノーバウンドのローボレーで
処理した方がいい。
それより前になるとハーフボレーとなる。
ボレーの時、一歩足を前に出してラケットを
前に伸ばしてごらん。
思った以上にラケットは前の方まで届くのだ。
そう考えると、結構ローボレーの範囲って広いんだよ。
 
しかし・・・その境界線が分かったとしても、試合中は
ちょっと状況が違ってくる時がある。
「足を出せば、ここまでがローボレー」と思ってても、足が
前に全然出なかったら、びっくりするほどラケットも出ない。
従ってハーフボレーの範囲が広くなってしまう。
それどころか、びびって前へボールを迎えに行けず、
下がりながら打ってしまうなんて人もよく見かけない?
そんな人はバウンド位置が自分の真横なのに、
ハーフボレーをしてしまったりする。
それだとミスしやすいし、何とか返しても甘くなるだけ。
 
なので、足元ボレーを強化する方法は、
まず足を出すとどの辺までノーバウンドで処理できるか
境界線をしっかり把握すること。
その次は、出来るだけその境界線に沿ってローボレーか
ハーフボレーを決断したいから、一発一発ちゃんと
足を出せるようにすること。
足を右左正確に出せるようにするためには、早めに構え、
スプリットステップによって、両足均等に体重を載せておく
ことも重要だね。
もちろん下がりながら打つのは問題外。
 
当然、ローボレーとハーフボレーの技術も磨いて
いかないといけないのは確かだが、それが出来ていても
境界線が分からなかったり、下がりながら打ってしまうと
その技術は役に立たない。
ネットプレーをやるとき、絶対避けて通れない足元ボレー。
難しいけど、ちゃんと境界線を見つけて、それを目安に
落ち着いてローボレーとハーフボレーを打ち分ければ
大丈夫!!!
自信持って前へ行こう!!

ミス地獄から抜け出せないあなたへ

[メンタル] 投稿日時:2012/03/05(月) 00:54

ミスを多くする人は打ち方が良くない。
どこかに問題があるから、ミスしてしまうのだ。
打点、スィング、軸足、タイミング・・・。
どこかがおかしいからミスが起きてしまう。
でもその問題がある打ち方、ミスが多いのなら
その問題点を試合中に矯正すれば良い・・・という
わけではないんだよ。
 
例えばサーブの時に、ダブルフォルトを
してしまったとしよう。
ダブルフォルトをしてしまった瞬間、
「あっ!いつもよりトスが低くて打点まで下がってしまった
うえに、スィングスピードも振り切れていなかった!!!」
そうやってその時の自分のサーブの問題点を即座に
見抜くことは出来た。
じゃあその次のサーブで
「もっとトスを高く、打点も高く、最後まで振り抜かないと
いけない!!!」
なんて自分に言い聞かせながらサーブを打てば入るように
なるかというと、意外とこれがダメなんだよ。
わかるでしょ?
 
何が問題かというと、
「これを矯正しないと次も入らなくなってしまう。」
と思ってしまっていること。
「何かしないと自分はダメなまま」という発想は、
全く自分を信用していないでしょ?
もちろん無理難題を自分に要求したら、多少は
「ダメかも」って思うかもしれないが、実際試合中に
自分が自分に求めることって、普段の練習の中でも
きっちりやり続けている範囲なはず。
だから、「そんなの簡単に俺は出来るよ」って言える
気持ちを持ってないといけないんだよ。
 
それをいちいち、
「トス高く、打点高く、スィング振り抜く」なんて
自分に言うと、もう「俺は言われないと出来ない」って
気持ちが芽生えるし、その言葉で逆に身体が
硬くなってしまうこともあるよ。
 
そもそも試合の中でのミスの原因は、殆ど打ち方が
悪かったということ以上に、プレッシャーで緊張して
しまってのミスなのだ。
だからショット打つときの回転量を増やすとか、弾道を
山なり気味にするとか、プレッシャーを感じていることを
考慮した作戦上の修正はするけど、直接技術的なことを
自分の体に支持してしまうのはどうかと思うよ。
 
ということは、ダブルフォルトしちゃった後、どういうことを
すれば次のサーブでダブルフォルトをしないかというと、
「何事も無かったように、また黙々とサーブを打ち続ける」
という感じで、そもそも自分はちゃんと出来る人なんだと
思ってプレーし続けることなんだよ。
一番マズイのは「さっきダブルフォルトやったけど、次は
どうすれば入るんだろう」って思ってしまう人。
何かしてあげないとって思う気持ちが、自分のサーブを
どんどん普段とは違う方向に持って行ってしまい、
結局また新たなミスが生まれ、その結果ダブルフォルトの
オンパレードってことになる。
 
そういう人見たことない?
その人はミスしたことで新たなミスを呼んでいる。
大したこと自分に要求してないんだから、いちいち
自分を疑わないでプレーすることだね。

サッカーの方がきつかったよ

[トレーニング] 投稿日時:2012/03/02(金) 08:39

プレーの調子が上がってきて、試合で結果を
残せるようになってきた時、怪我なんてしてしまうと
本当にショック。
それが慢性的で、ずっとその怪我の痛みと
付き合いながら選手をやっていかないといけない
なんてことになると精神的にもダメージは大きい。
 
俺は幸運にも怪我にはあまり苦しめらなかった
方だと思う。
一度靭帯断裂をやったことがあるけど、大きな靭帯では
無かったから奇跡的に2ヶ月で試合に復帰。
やった瞬間は「あぁ、俺の選手人生終わった」って
思ったけど、意外と俺の体は頑丈だった。
慢性的なのは坐骨神経痛が少々。
でも、これも疲労がかなり溜まった時なので、
マッサージとかストレッチなどで抑えることは出来た。
 
お医者さんとかマッサージの先生によく言われたのが
「高西選手の足腰って、テニス選手っぽくないね。
サッカーとかラグビーみたいな筋肉が付いてるよ。」
ということ。
この筋肉の付き方が、テニスのハードな動きでも
怪我をさせないようにしてくれているらしい。
小学校から中学までやっていたサッカー、
無駄ではなかった。
 
でもそう言えば、サッカーの練習ってきつかった。
試合ももちろんきつかった。
負けているときだけじゃなく、勝っているときもずっと
「攻めろ!!」って一気に前線へ走らなきゃいけないし、
負けていても必死で攻めてくる相手を徹底して
抑え続けないといけないから、動き続けないといけない。
そんな動きを小学校3年生からずっと続けていれば
誰だって足腰は鍛えられるはずだ。
 
じゃあテニスはどうだろう。
高校でテニス部に入ったけど、苦しかったことは
学校の外を走る時と、振り回し練習。
でもこれは練習全体のほんの一部分。
全体としてはずっと走り続けたサッカーに比べると
楽だったし、試合も楽ちんだったよ。
だって、体力使い果たすほど粘り続ける技術も戦術も
持ち合わせていなかったから、試合で「キツイ・・・」って
域まで達することが出来なかった。
「テニスには体力が必要だ・・・」
本気でそう感じたのは社会人になって、色んなテニスを
経験してからなんだよね。
 
皆もそう感じている人、多いんじゃない?
体力を付けることより、技術力を上げたほうが
勝ちやすいんじゃないか・・・って。
でも確かにテニスはそうなんだよ。
ホントに実力差あると、3セットマッチの試合で
息が上がらないどころか、汗を全然かかないで
試合をこなすことが出来る。
技術力って重要だし偉大だね。
 
でも、それは実力差がある場合なんだ。
勝ち上がって、自分と同じレベルと当たったとき、
それから更に勝ち上がって、格上にチャレンジするとき
絶対体力が必要。
だって、チャンスが来るまで、相手がイライラしてくれるまで
粘らないといけないでしょ?
だから、まだまだ技術力が未熟で、「体力より技術力!」
って感じてしまっている段階からちゃんとトレーニングして
体力を付けないといけない。
 
それから最初に言ったように、怪我をしない体を
作るためにも、トレーニングはしないといけないね。
となると、ダッシュとかランニングだけじゃなくて、
オンコートでストップ&ゴーの動き、サイドステップの
移動、屈伸とジャンプの組み合わせなど、テニスの
動きでどれだけハードに毎日頑張っているか・・・になる。
 
皆で頑張って、怪我をしにくい体を作ろう。
いつか、体力が勝敗の鍵を握る試合を
迎えた時のためにもね。
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