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てにすまん 高西ともブログ
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そこのあなた、チャンスボールを決められないでしょ!
[考え方] 投稿日時:2013/02/23(土) 10:23
「チャンスボール」と呼ばれるものがある。
浅くて甘いショットはそう呼ばれるし、その名の通り決める
チャンスが大きいショットだ。
しかし、この「チャンス」と言われているにも関わらず、これに
苦戦している人は多いのはなぜだろう。
確かに甘いショットではあるんだけど、それでも相手コートには
その相手選手が決めさせまいと待ち構えているわけだから、
そう簡単には決めさせてもらえない。
でも「チャンス」と呼ばれているだけに、「決めないと損」、
「決めて当然」という焦りも自分の心の中に湧いてくる。
決めるチャンスのチャンスボール、どういう形で打つと
そのチャンスを活かして決められるのだろうか・・・。
問題は技術にもあるんだけど、大きくは考え方にある。
まず、チャンスボールを打った時にミスしやすい人は、どういう
流れの考え方で打っているのか。
フォアハンドストロークで、甘くて浅いショットを打ち込む時の
流れを、打っている人の心の声だけで表してみた。
「あっ!チャンスボールが来た!」
「どうしよう・・・これをしっかり振り抜いて打とうか、それとも
丁寧に入れに行こうか・・・。」
「一発で決めたいけど、ミスが怖いからボールをよく見て
打つことにした方が良いかもしれない。」
「ボールをよく見て打とうとしている間に相手が陣形を
整えてしっかり構えてる!」
「コースを読まれそうだ・・・。」
「カウンター喰らったらどうしよう・・・。」
「もう相手が打ち返せないくらいの速いショットで打ってしまえ!」
こういう考え方の流れでチャンスボールを打ったこの選手の
結果は、大抵フラット気味の豪快なフォアハンドストロークを
打ち込もうとしたけど、後ろのフェンスへぶつかりそうなくらい
大きなアウトか、そのままネットに突き刺さってしまうという結果に
なることが予想できる。
問題は色々あるけど、まずチャンスを握っている方なのに
相手よりも優越感を感じられずに、不安を感じながら
プレーしていることだね。
相手からポイント取りたいんだったら、優越感を持たなきゃ。
ではチャンスでしっかり決めることが出来る人の考え方の
流れはどういう感じかなのだろう。
「よし、チャンスが来た!」
「とりあえず素早くボールに寄って、オープンコートを狙うか。」
「相手の状況にも対応できるように、裏をかくコースも用意しておこう。」
「相手に打ち返されても、ネットプレーがあるから、打ち込んだボールを
取られてもいいや。」
「相手をよく見ておいて・・・はい、狙うコースはこっちでした。」
こういう流れだと最後の決めショットもさほどパワフルじゃなくても
決まりやすくなるし、もし触られたとしても次にネットプレーを
用意しているから焦りもない。
重要なのは、素早くボールを打つ地点に寄って、相手のポジションが
立て直される前の崩れた状態のまま次のショットを繰り出そうとすることと、
一番空いているオープンコートの他に、裏をかいたコースも用意しておくこと。
でも一番大事なのは、相手がチャンスボールを打ってくれた時に
「待ってました!」という気持ちで迎えることだね。
そこで「うわぁ!チャンス来たけどどうしよう・・・」っていう選手は
上手くいかない可能性は低いだろうね。
チャンスボールってこの他にもちろんボレーやスマッシュなんかも
あるんだけど、どれもやっぱり決めるために共通していることは
迷いがないことと、相手と向き合っていること。
迷いがないってことは、やるべき事が決まっていることだし、
相手と向き合うってことは二つ以上パターンを用意していて、
それを使い分け出来るようにするということ。
技術ももちろん必要だけど、なんせチャンスボールだから
失敗する人は恐らく考え方に問題があると思うよ。
チャンスをちゃんと活かせる選手になりましょう。
浅くて甘いショットはそう呼ばれるし、その名の通り決める
チャンスが大きいショットだ。
しかし、この「チャンス」と言われているにも関わらず、これに
苦戦している人は多いのはなぜだろう。
確かに甘いショットではあるんだけど、それでも相手コートには
その相手選手が決めさせまいと待ち構えているわけだから、
そう簡単には決めさせてもらえない。
でも「チャンス」と呼ばれているだけに、「決めないと損」、
「決めて当然」という焦りも自分の心の中に湧いてくる。
決めるチャンスのチャンスボール、どういう形で打つと
そのチャンスを活かして決められるのだろうか・・・。
問題は技術にもあるんだけど、大きくは考え方にある。
まず、チャンスボールを打った時にミスしやすい人は、どういう
流れの考え方で打っているのか。
フォアハンドストロークで、甘くて浅いショットを打ち込む時の
流れを、打っている人の心の声だけで表してみた。
「あっ!チャンスボールが来た!」
「どうしよう・・・これをしっかり振り抜いて打とうか、それとも
丁寧に入れに行こうか・・・。」
「一発で決めたいけど、ミスが怖いからボールをよく見て
打つことにした方が良いかもしれない。」
「ボールをよく見て打とうとしている間に相手が陣形を
整えてしっかり構えてる!」
「コースを読まれそうだ・・・。」
「カウンター喰らったらどうしよう・・・。」
「もう相手が打ち返せないくらいの速いショットで打ってしまえ!」
こういう考え方の流れでチャンスボールを打ったこの選手の
結果は、大抵フラット気味の豪快なフォアハンドストロークを
打ち込もうとしたけど、後ろのフェンスへぶつかりそうなくらい
大きなアウトか、そのままネットに突き刺さってしまうという結果に
なることが予想できる。
問題は色々あるけど、まずチャンスを握っている方なのに
相手よりも優越感を感じられずに、不安を感じながら
プレーしていることだね。
相手からポイント取りたいんだったら、優越感を持たなきゃ。
ではチャンスでしっかり決めることが出来る人の考え方の
流れはどういう感じかなのだろう。
「よし、チャンスが来た!」
「とりあえず素早くボールに寄って、オープンコートを狙うか。」
「相手の状況にも対応できるように、裏をかくコースも用意しておこう。」
「相手に打ち返されても、ネットプレーがあるから、打ち込んだボールを
取られてもいいや。」
「相手をよく見ておいて・・・はい、狙うコースはこっちでした。」
こういう流れだと最後の決めショットもさほどパワフルじゃなくても
決まりやすくなるし、もし触られたとしても次にネットプレーを
用意しているから焦りもない。
重要なのは、素早くボールを打つ地点に寄って、相手のポジションが
立て直される前の崩れた状態のまま次のショットを繰り出そうとすることと、
一番空いているオープンコートの他に、裏をかいたコースも用意しておくこと。
でも一番大事なのは、相手がチャンスボールを打ってくれた時に
「待ってました!」という気持ちで迎えることだね。
そこで「うわぁ!チャンス来たけどどうしよう・・・」っていう選手は
上手くいかない可能性は低いだろうね。
チャンスボールってこの他にもちろんボレーやスマッシュなんかも
あるんだけど、どれもやっぱり決めるために共通していることは
迷いがないことと、相手と向き合っていること。
迷いがないってことは、やるべき事が決まっていることだし、
相手と向き合うってことは二つ以上パターンを用意していて、
それを使い分け出来るようにするということ。
技術ももちろん必要だけど、なんせチャンスボールだから
失敗する人は恐らく考え方に問題があると思うよ。
チャンスをちゃんと活かせる選手になりましょう。
俺をテニス選手にしてくれた先輩
[過去の思い出] 投稿日時:2013/02/19(火) 13:47
18歳の時上京して入社したのが、テニスコーチ派遣会社の
テニスユニバース。
まだ10代のうちに入社したから、色んな先輩方にお世話になった。
特に最初の頃はテニスも下手っぴだったから、お世話になる
というよりも、一から育ててもらったって感じだね。
そんな先輩方、色々個性的な人達が多かったんだけど
その中でも強烈な個性だったのがハチヤさん。
俺と10歳くらい年齢が離れていた彼はちょっとぽっちゃり型で
冬でも湯気を出すくらい暑がり。
ラーメンとか焼肉が大好きで、しょっちゅう連れてってくれたし
毎回おごってくれた。
後輩の面倒見が良いんだけど、挨拶や返事の仕方にも厳しく
よく注意されては怒られた。
独身で彼女がいなかったハチヤさんは、給料の全てを食事に
つぎ込んで「お金が無い」って言っていたが、それでも俺たち
後輩には飯をおごり続けてくれた。
それなのに、ある日いきなり中古のポルシェを購入した。
故障ばかりで全然走らないそのポルシェは、修理代ばかり
掛かったうえに、毎朝5時に起きてはエンジンの調子をチェック
しないといけない面倒な車。
そのせいで、ハチヤさんは更に精神的にも金銭的にも
追い込まれていたみたいだけど、それでも
「ゴメン高西君、今回は食べた分の500円しかおごってあげられない」
と言いながら、変わらず後輩たちを外食に連れてってくれた。
正直、「それならもうイイです」と言いたくなってしまう先輩だった。
そんなハチヤさんだったけど、練習は熱心だった。
熱心だったけど、彼の練習方法は打ちまくるだけだった。
2時間の練習なら、2時間ずっとストロークラリーをし続ける。
そしてそれを全て全力で打ちまくるのだ。
そのストロークの威力は凄まじかった。
フォアもバックも何のためらいも無く、しっかりボールを引っぱたく。
こっちはそれを返球するだけで精一杯だった。
暑がりだった彼は、朝練習しかしなかった。
朝涼しいうちに打ちまくる練習しかしなかった。
でも真冬も朝しかしなかった。
まだコートに霜が白く残っている状態でいきなり打ちまくる。
ストロークだけじゃなくサーブもボレーも、体からもうもうと湯気を
立てながら半袖になり、更にピチピチ気味の短パンでハチヤさんは
湯気を立てて打ち続けた。
そして、かすれた独特な掛け声でいちいち打つ時に叫ぶのだ。
よく近隣の住民から「朝からうるさい!」とクレームを受けた。
そんなやり方の練習しかしないから、後輩の俺たちしか彼の
練習には付き合えなかった。
朝練習しかしなかったのはそういうのもあったかもしれない。
ベテランコーチも混ざる午後の練習は、皆で一緒に
テーマ練習したりパターン練習したりするのだが、そういうことを
ハチヤさんはやりたがらなかった。
彼はただ目の前のボールを空いているコースに叩き込むこと
だけを考えてテニスしていたのだ。
相手との駆け引きややり取りなんかどうでもいい。
だから、会社でもちょっと浮いた存在になっていた。
でもハチヤさんは強かった。
社内のコーチの中でも戦績は上の方だった。
たまにサーブからのゲームをやったけど、全然ポイントが
取れなくて、圧倒的な実力差をいつも感じたもんだ。
上京当時、俺は一人前のテニスコーチになることを頑張ろうと
思っていた。
だけど、彼と一緒に練習しているうちに段々ハチヤさんが
カッコよく見えてきて、いつの間にか結局ラケットも同じラケットを
購入したし、テニスも完全に影響されて同じように打ちまくっていた。
そしていつの間にか俺は、テニス選手として頑張るようになっていた。
結局ハチヤさんは俺が20歳の時に退社した。
テニスも練習の仕方も仕事の仕方もお金の使い方も、
全て型破りだった彼は、その後どうなったのか知らない。
でもまだ上京したてで真っ白だった俺は完全に影響された。
あの頃「すごいショット!」って思った彼のパワーは実際
今見たらどんなショットだったのか大いに気になるところだが、
今思うと、あんなにひたすらずっとボールを全力で打ち続ける
人間をハチヤさん以来見たことが無い。
練習の仕方とかテニスの打ち方は参考にならなかったけど、
上京して最初に彼とずっと練習できたことは俺にとって
とても幸運だった気がする。
「何も考えず、打ちまくれば良いんだよ」
今でもハチヤさんにそう言われたことを思い出す。
テニスユニバース。
まだ10代のうちに入社したから、色んな先輩方にお世話になった。
特に最初の頃はテニスも下手っぴだったから、お世話になる
というよりも、一から育ててもらったって感じだね。
そんな先輩方、色々個性的な人達が多かったんだけど
その中でも強烈な個性だったのがハチヤさん。
俺と10歳くらい年齢が離れていた彼はちょっとぽっちゃり型で
冬でも湯気を出すくらい暑がり。
ラーメンとか焼肉が大好きで、しょっちゅう連れてってくれたし
毎回おごってくれた。
後輩の面倒見が良いんだけど、挨拶や返事の仕方にも厳しく
よく注意されては怒られた。
独身で彼女がいなかったハチヤさんは、給料の全てを食事に
つぎ込んで「お金が無い」って言っていたが、それでも俺たち
後輩には飯をおごり続けてくれた。
それなのに、ある日いきなり中古のポルシェを購入した。
故障ばかりで全然走らないそのポルシェは、修理代ばかり
掛かったうえに、毎朝5時に起きてはエンジンの調子をチェック
しないといけない面倒な車。
そのせいで、ハチヤさんは更に精神的にも金銭的にも
追い込まれていたみたいだけど、それでも
「ゴメン高西君、今回は食べた分の500円しかおごってあげられない」
と言いながら、変わらず後輩たちを外食に連れてってくれた。
正直、「それならもうイイです」と言いたくなってしまう先輩だった。
そんなハチヤさんだったけど、練習は熱心だった。
熱心だったけど、彼の練習方法は打ちまくるだけだった。
2時間の練習なら、2時間ずっとストロークラリーをし続ける。
そしてそれを全て全力で打ちまくるのだ。
そのストロークの威力は凄まじかった。
フォアもバックも何のためらいも無く、しっかりボールを引っぱたく。
こっちはそれを返球するだけで精一杯だった。
暑がりだった彼は、朝練習しかしなかった。
朝涼しいうちに打ちまくる練習しかしなかった。
でも真冬も朝しかしなかった。
まだコートに霜が白く残っている状態でいきなり打ちまくる。
ストロークだけじゃなくサーブもボレーも、体からもうもうと湯気を
立てながら半袖になり、更にピチピチ気味の短パンでハチヤさんは
湯気を立てて打ち続けた。
そして、かすれた独特な掛け声でいちいち打つ時に叫ぶのだ。
よく近隣の住民から「朝からうるさい!」とクレームを受けた。
そんなやり方の練習しかしないから、後輩の俺たちしか彼の
練習には付き合えなかった。
朝練習しかしなかったのはそういうのもあったかもしれない。
ベテランコーチも混ざる午後の練習は、皆で一緒に
テーマ練習したりパターン練習したりするのだが、そういうことを
ハチヤさんはやりたがらなかった。
彼はただ目の前のボールを空いているコースに叩き込むこと
だけを考えてテニスしていたのだ。
相手との駆け引きややり取りなんかどうでもいい。
だから、会社でもちょっと浮いた存在になっていた。
でもハチヤさんは強かった。
社内のコーチの中でも戦績は上の方だった。
たまにサーブからのゲームをやったけど、全然ポイントが
取れなくて、圧倒的な実力差をいつも感じたもんだ。
上京当時、俺は一人前のテニスコーチになることを頑張ろうと
思っていた。
だけど、彼と一緒に練習しているうちに段々ハチヤさんが
カッコよく見えてきて、いつの間にか結局ラケットも同じラケットを
購入したし、テニスも完全に影響されて同じように打ちまくっていた。
そしていつの間にか俺は、テニス選手として頑張るようになっていた。
結局ハチヤさんは俺が20歳の時に退社した。
テニスも練習の仕方も仕事の仕方もお金の使い方も、
全て型破りだった彼は、その後どうなったのか知らない。
でもまだ上京したてで真っ白だった俺は完全に影響された。
あの頃「すごいショット!」って思った彼のパワーは実際
今見たらどんなショットだったのか大いに気になるところだが、
今思うと、あんなにひたすらずっとボールを全力で打ち続ける
人間をハチヤさん以来見たことが無い。
練習の仕方とかテニスの打ち方は参考にならなかったけど、
上京して最初に彼とずっと練習できたことは俺にとって
とても幸運だった気がする。
「何も考えず、打ちまくれば良いんだよ」
今でもハチヤさんにそう言われたことを思い出す。
練習上手は勝負好き
[練習] 投稿日時:2013/02/15(金) 12:08
テニスの練習相手って仲の良い人とやることが多い。
試合会場でも知っている選手がいたら、率先してその
選手と練習するし、普段の練習も色んな選手とやるけど
やっぱり仲が良い選手とやることが殆ど。
「あいつ苦手・・・」ってヤツは、どうしても他に相手がいない場合を
除いては練習したいとは思わない。
でもそうなると、練習の中で馴れ合いになって緊張感が
無くなるのでは・・・と思われるがそんなことはない。
仲は良いけどライバル心を持っているから、むしろ
「アイツにだけは負けたくない」って気持ちになるからね。
若かりし頃は練習なのにキレてラケットを折ったことが
あったけど、その時の相手は全て可愛がっていた後輩だったし。
ラケットを投げて折るって行為はマナー違反で最低の行為では
あるが、それくらい仲の良い相手との練習でも緊張感持っていたんだよ。
そしてそういう気持ちが練習の中で芽生えないとダメなんだ。
だって沢山ボールを打てば技術は上がるけど、その培った
技術を実戦の中で発揮させるためにはメンタルが強くなきゃ
いけないでしょ?
そのメンタルを育てるためには緊張感の中でどれだけボールを
打ってきたか・・・ということになる。
もちろん試合と同じってわけにはいかないけど、練習でも
プレッシャーを感じないといけないんだよ。
じゃあ練習の中で緊張感を作るにはどうすれば良いのか。
それは簡単。
それぞれの練習の中に勝負を盛り込んでいって、そしてその勝負に
勝ち続けようとすればいいんだよ。
でも練習で「勝負!」って言って試合ばっかりやっていたら、打ち方の
基礎練習が出来ないし、相手とのクロスラリーとかボレーストロークなどの
ラリー練習で、繋げようとしないで決めてばかりだとちょっと相手から
「練習にならない」って迷惑がられるだろうね。
じゃあどういう勝負かと言うと、それはとっても地味な勝負なんだ。
例えば相手とフォアサイドのクロスコートラリーをやっているとする。
お互い、フォアハンドストロークを練習したいから、淡々と打ち合う
練習だから、頭の中はフォアハンドストロークのステップや打点や
スィングのことなんかを考えて練習をやるんだけど、100%自分の
打ち方のことだけじゃなくて、そこで「絶対相手より先にミスしない」という
相手との勝負を意識してみるのだ。
この意識が一つ浮かぶだけで、緊張感が生まれて体と心に
微妙な変化が出てくる。
そしてその変化をコントロールするテクニックも同時に練習することが
メンタルの強化に繋がっていくんだよ。
そして相手がなかなかミスしないようだったら、クロスラリーの中で
ショットをもう少し深く打つようにしたり、スライスを混ぜてみたり
緩急をつけてみたりして、ラリーは続けるんだけどそうやって相手を
心理的に揺さぶる要素を入れて「相手にミスをさせよう」という形に
勝負を持って行くことで、ラリーを続けながらも勝負を行うのだ。
そうするとラリー練習が成り立つし、しかもそういう発想こそ、
ショットを決めることよりも実際の試合の中では必要なポイントの
取り方となるんだよ。
もちろん自分よりレベルが低い相手と練習する時にも
「負けない!」という意識を持って勝負しないといけない。
でも当然何かプレッシャーをかけるとすぐにミスしてしまうような
レベルの相手だと、緊張感も無くなるしいつの間にかその相手のために
自分のプレーを犠牲にして優しいボールを返してあげたりしてしまう。
そういう相手にはそのレベルに合わせたボールを返し続けてあげるんだけど、
それでも自分自身はそれを全てライジングで対応したり、バックサイドの
クロスストレートのラリーなら、回り込んでフォアを打ってはセンターに
戻るというプレーにしてみたり、相手がとんでもないコースへ
打ってしまった時だけ、こちらもそれをエースでオープンコートに
打っていいことにしたりすることで、いくらでも勝負を意識することは
出来るし、緊張感を作ることは出来るのだ。
一番まずいのは、「頑張ってラリー続けようね」という雰囲気で
互いに仲良く打ち合うような練習。
自分は相手のために、相手は自分のために打ちやすいボールを
打ってくれるんだっていう意識で練習していると、いつの間にかネットの
向こうにいる人は敵ではなく仲間になってしまう。
練習仲間であろうと、ネットの向こうは敵。
お互い良い練習をするためにも、勝負意識を持ち続けることを
忘れないようにしてもらいたいんだけど、技術的なことも当然
考えないといけないから、その両方を満たしたバランスの良い
練習が出来るといいね。
試合会場でも知っている選手がいたら、率先してその
選手と練習するし、普段の練習も色んな選手とやるけど
やっぱり仲が良い選手とやることが殆ど。
「あいつ苦手・・・」ってヤツは、どうしても他に相手がいない場合を
除いては練習したいとは思わない。
でもそうなると、練習の中で馴れ合いになって緊張感が
無くなるのでは・・・と思われるがそんなことはない。
仲は良いけどライバル心を持っているから、むしろ
「アイツにだけは負けたくない」って気持ちになるからね。
若かりし頃は練習なのにキレてラケットを折ったことが
あったけど、その時の相手は全て可愛がっていた後輩だったし。
ラケットを投げて折るって行為はマナー違反で最低の行為では
あるが、それくらい仲の良い相手との練習でも緊張感持っていたんだよ。
そしてそういう気持ちが練習の中で芽生えないとダメなんだ。
だって沢山ボールを打てば技術は上がるけど、その培った
技術を実戦の中で発揮させるためにはメンタルが強くなきゃ
いけないでしょ?
そのメンタルを育てるためには緊張感の中でどれだけボールを
打ってきたか・・・ということになる。
もちろん試合と同じってわけにはいかないけど、練習でも
プレッシャーを感じないといけないんだよ。
じゃあ練習の中で緊張感を作るにはどうすれば良いのか。
それは簡単。
それぞれの練習の中に勝負を盛り込んでいって、そしてその勝負に
勝ち続けようとすればいいんだよ。
でも練習で「勝負!」って言って試合ばっかりやっていたら、打ち方の
基礎練習が出来ないし、相手とのクロスラリーとかボレーストロークなどの
ラリー練習で、繋げようとしないで決めてばかりだとちょっと相手から
「練習にならない」って迷惑がられるだろうね。
じゃあどういう勝負かと言うと、それはとっても地味な勝負なんだ。
例えば相手とフォアサイドのクロスコートラリーをやっているとする。
お互い、フォアハンドストロークを練習したいから、淡々と打ち合う
練習だから、頭の中はフォアハンドストロークのステップや打点や
スィングのことなんかを考えて練習をやるんだけど、100%自分の
打ち方のことだけじゃなくて、そこで「絶対相手より先にミスしない」という
相手との勝負を意識してみるのだ。
この意識が一つ浮かぶだけで、緊張感が生まれて体と心に
微妙な変化が出てくる。
そしてその変化をコントロールするテクニックも同時に練習することが
メンタルの強化に繋がっていくんだよ。
そして相手がなかなかミスしないようだったら、クロスラリーの中で
ショットをもう少し深く打つようにしたり、スライスを混ぜてみたり
緩急をつけてみたりして、ラリーは続けるんだけどそうやって相手を
心理的に揺さぶる要素を入れて「相手にミスをさせよう」という形に
勝負を持って行くことで、ラリーを続けながらも勝負を行うのだ。
そうするとラリー練習が成り立つし、しかもそういう発想こそ、
ショットを決めることよりも実際の試合の中では必要なポイントの
取り方となるんだよ。
もちろん自分よりレベルが低い相手と練習する時にも
「負けない!」という意識を持って勝負しないといけない。
でも当然何かプレッシャーをかけるとすぐにミスしてしまうような
レベルの相手だと、緊張感も無くなるしいつの間にかその相手のために
自分のプレーを犠牲にして優しいボールを返してあげたりしてしまう。
そういう相手にはそのレベルに合わせたボールを返し続けてあげるんだけど、
それでも自分自身はそれを全てライジングで対応したり、バックサイドの
クロスストレートのラリーなら、回り込んでフォアを打ってはセンターに
戻るというプレーにしてみたり、相手がとんでもないコースへ
打ってしまった時だけ、こちらもそれをエースでオープンコートに
打っていいことにしたりすることで、いくらでも勝負を意識することは
出来るし、緊張感を作ることは出来るのだ。
一番まずいのは、「頑張ってラリー続けようね」という雰囲気で
互いに仲良く打ち合うような練習。
自分は相手のために、相手は自分のために打ちやすいボールを
打ってくれるんだっていう意識で練習していると、いつの間にかネットの
向こうにいる人は敵ではなく仲間になってしまう。
練習仲間であろうと、ネットの向こうは敵。
お互い良い練習をするためにも、勝負意識を持ち続けることを
忘れないようにしてもらいたいんだけど、技術的なことも当然
考えないといけないから、その両方を満たしたバランスの良い
練習が出来るといいね。
グリップを使い分けよう
[テニス技術] 投稿日時:2013/02/13(水) 23:23
グリップの持ち方って、一応それぞれのショットに対して
主流はあるけど、人によってちょっと違ってくる。
特にストロークなんかはとんでもない持ち方をしている
選手なんかもいて、よくあんなので打てるなって思った
ことあるでしょ?
色んな持ち方がある中、結局どういうグリップが自分に
合っているんだろう。
まず厚い握り方のウェスタングリップにすればするほど、
ラケット面はより地面を向きやすくなってくる。
薄い握りのイースタンにすると、ラケット面は地面を向けにくく
なって、相手に対してまっすぐフラットに向けやすいし、
上にも向けやすいよね。
地面にラケット面を向けた厚いグリップは、当然下を
向いている分、抑えやすいからボールは上がりにくい。
ということは、抑えをしっかりしてないとボールが吹っ飛び過ぎて
しまう場合は厚いグリップが必要になり、効果的となるんだよ。
速いスィング持っててパワーある人・・・とかね。
それからラケット面の下向き具合って、ボールを打つ高さや
体の開き具合によっても変わってくる。
でも厚いグリップは、頭くらいの高い打点とか、オープンスタンスで
体を開いて打つ時でも変わらず下を向けた状態を維持出来るから
安心してラケットを振り抜きやすい。
薄めのグリップでも、手首を調整して下向きのラケット面を作ることは
出来るけど、高い打点なんかはさすがに辛くなる。
ということで、ライジングで上へバウンドしようとするボールを打つ
ことが多い人、高い打点で打たないといけないことが多い人、
オープンスタンスでのショットが多い人なんかは、グリップは
厚くしていった方が良いと言える。
ただし、どのくらい厚くするかはその人のスィングスピードに
関係してくるので気を付けて調整しよう。
スィングが速い人ほど、飛び過ぎ防止で厚く握ってラケット面を
被せるのだ。
さほどスィングスピードが無いくせしてムチャクチャ厚いグリップで
握ってしまうと、下向きが効きすぎてボールが全然飛ばなくなって
しまい、結局相手の打ち頃ショットになったり、ネットに引っ掛かって
ばっかり・・・なんてことになる。
強い選手に憧れるのは良いけど、その選手と同じくらい厚い
グリップはダメだよ。
いくら打ち方を真似しても、スィングスピードが違うのであれば
グリップは薄く調整しなきゃ。
逆にスライスで打つ場合やブロック系の合わせる打ち方の
人はそんなに厚い握り方をする必要はない。
多少の下向きは手首で調整したら作れるからね。
薄いグリップの利点は、相手の威力を利用して合わせるショットが
打ちやすいことや、咄嗟にスライスとかネットプレーの切り替えが
しやすいことにある。
さっきも言ったように、スィングスピードがさほど速くない人は
グリップが薄めとなる。
だから、ショットが速い相手と対戦した時に、対抗して打ち合うなら
しっかり厚めでいかなきゃいけないんだけど、そういった格上に
対して合わせながらカウンターを狙うかスライスで凌ぐ場合は
むしろ薄めが良いと思う。
実際俺が現役の頃、試合で使っていたグリップの種類はフォアハンド
ストロークだけでも5種類ほど。
トップスピンで3種類は使っていたし、スライス系で2種類使い分けていた。
それは相手ショットによって変わる打点の高さや自分が打つショットの
回転量、それからその時の攻守の状況と精神的な違いでグリップを
変えて調整していたんだよ。
下がって繋ぐ時と、チャンスの時に踏み込んで打つ時ではやっぱり
それ専用のグリップにした方がイイもんね。
バックは苦手だったから、トップスピンは当初一つの持ち方で対応
していたんだけど、やっぱりネットミスを怖がって厚めのグリップじゃ
持てなかった。
でもそうすると、高い打点の対応が出来なかったし、攻めるチャンスが
来てもなかなか踏み込んで打ちにいけなかったな。
苦手だから高い打点も踏み込んだ打ち方も出来ないって思っていた
けど、状況に応じてグリップを使い分けることを覚えたら、苦手どころか
ついにはフォアよりも安定したショットに変わって行ったんだよ。
結局グリップの調整が出来ないからバックが下手だったんだ。
だから皆も、グリップの厚い薄いの違いが何かをちゃんと把握して
どのグリップが自分のプレーに合っているのかをそこから
判断出来るようなってもらいたいね。
もちろんそこから状況に応じてグリップの使い分けをサッと
出来るようになれば最強だ。
逆に言うと、間違ったグリップのままだと誤魔化すショットから
抜け出すことが出来ないから、テニスは成長しないよ。
自分のスィングスピード、そして自分のプレースタイルと向き合って
グリップを考えてみよう。
主流はあるけど、人によってちょっと違ってくる。
特にストロークなんかはとんでもない持ち方をしている
選手なんかもいて、よくあんなので打てるなって思った
ことあるでしょ?
色んな持ち方がある中、結局どういうグリップが自分に
合っているんだろう。
まず厚い握り方のウェスタングリップにすればするほど、
ラケット面はより地面を向きやすくなってくる。
薄い握りのイースタンにすると、ラケット面は地面を向けにくく
なって、相手に対してまっすぐフラットに向けやすいし、
上にも向けやすいよね。
地面にラケット面を向けた厚いグリップは、当然下を
向いている分、抑えやすいからボールは上がりにくい。
ということは、抑えをしっかりしてないとボールが吹っ飛び過ぎて
しまう場合は厚いグリップが必要になり、効果的となるんだよ。
速いスィング持っててパワーある人・・・とかね。
それからラケット面の下向き具合って、ボールを打つ高さや
体の開き具合によっても変わってくる。
でも厚いグリップは、頭くらいの高い打点とか、オープンスタンスで
体を開いて打つ時でも変わらず下を向けた状態を維持出来るから
安心してラケットを振り抜きやすい。
薄めのグリップでも、手首を調整して下向きのラケット面を作ることは
出来るけど、高い打点なんかはさすがに辛くなる。
ということで、ライジングで上へバウンドしようとするボールを打つ
ことが多い人、高い打点で打たないといけないことが多い人、
オープンスタンスでのショットが多い人なんかは、グリップは
厚くしていった方が良いと言える。
ただし、どのくらい厚くするかはその人のスィングスピードに
関係してくるので気を付けて調整しよう。
スィングが速い人ほど、飛び過ぎ防止で厚く握ってラケット面を
被せるのだ。
さほどスィングスピードが無いくせしてムチャクチャ厚いグリップで
握ってしまうと、下向きが効きすぎてボールが全然飛ばなくなって
しまい、結局相手の打ち頃ショットになったり、ネットに引っ掛かって
ばっかり・・・なんてことになる。
強い選手に憧れるのは良いけど、その選手と同じくらい厚い
グリップはダメだよ。
いくら打ち方を真似しても、スィングスピードが違うのであれば
グリップは薄く調整しなきゃ。
逆にスライスで打つ場合やブロック系の合わせる打ち方の
人はそんなに厚い握り方をする必要はない。
多少の下向きは手首で調整したら作れるからね。
薄いグリップの利点は、相手の威力を利用して合わせるショットが
打ちやすいことや、咄嗟にスライスとかネットプレーの切り替えが
しやすいことにある。
さっきも言ったように、スィングスピードがさほど速くない人は
グリップが薄めとなる。
だから、ショットが速い相手と対戦した時に、対抗して打ち合うなら
しっかり厚めでいかなきゃいけないんだけど、そういった格上に
対して合わせながらカウンターを狙うかスライスで凌ぐ場合は
むしろ薄めが良いと思う。
実際俺が現役の頃、試合で使っていたグリップの種類はフォアハンド
ストロークだけでも5種類ほど。
トップスピンで3種類は使っていたし、スライス系で2種類使い分けていた。
それは相手ショットによって変わる打点の高さや自分が打つショットの
回転量、それからその時の攻守の状況と精神的な違いでグリップを
変えて調整していたんだよ。
下がって繋ぐ時と、チャンスの時に踏み込んで打つ時ではやっぱり
それ専用のグリップにした方がイイもんね。
バックは苦手だったから、トップスピンは当初一つの持ち方で対応
していたんだけど、やっぱりネットミスを怖がって厚めのグリップじゃ
持てなかった。
でもそうすると、高い打点の対応が出来なかったし、攻めるチャンスが
来てもなかなか踏み込んで打ちにいけなかったな。
苦手だから高い打点も踏み込んだ打ち方も出来ないって思っていた
けど、状況に応じてグリップを使い分けることを覚えたら、苦手どころか
ついにはフォアよりも安定したショットに変わって行ったんだよ。
結局グリップの調整が出来ないからバックが下手だったんだ。
だから皆も、グリップの厚い薄いの違いが何かをちゃんと把握して
どのグリップが自分のプレーに合っているのかをそこから
判断出来るようなってもらいたいね。
もちろんそこから状況に応じてグリップの使い分けをサッと
出来るようになれば最強だ。
逆に言うと、間違ったグリップのままだと誤魔化すショットから
抜け出すことが出来ないから、テニスは成長しないよ。
自分のスィングスピード、そして自分のプレースタイルと向き合って
グリップを考えてみよう。
隣のコートで大発見!
[過去の思い出] 投稿日時:2013/02/08(金) 11:09
現役時代、在籍していたテニスユニバースを退職した時、
まず困ったことは練習場所と練習相手の確保だった。
それまで練習していた職場のテニスコートが使えなくなった
から、近くの市営コートなどを借りるなどしたんだけど、
選手仲間がホームコートとか大学の部活に混ぜてもくれて
なんとか練習環境を作ることが出来た。
その中で一番お世話になったのは、立川ルーデンス。
そこに在籍していた土屋選手にいつも練習を誘ってもらった。
俺よりもランキングはずっと上にいた土屋選手との練習は
とても勉強になったんだけど、もう一つ大きな収穫があった。
それはよく隣のコートで打っていた安藤将之選手のプレーを
見られたこと。
日本でもトップクラスでプレーしていた安藤選手だけど、その当時は
もう試合出場数も減らして主に選手のコーチをしていたから、
隣で打っていた安藤さんは、だいたい選手のヒッティングとして
コートに立っていた。
その練習は黙々と相手選手と打ち合っていることが多かったんだけど
ショットの質の高さと、その質を維持させる安定感がとても素晴らしく
思わず何度も見とれてしまったもんだ。
土屋選手のプレースタイルは主にネットプレー。
じっくりストロークで打ち合うというより、隙あらばササッと
前に出てくるタイプだったので、淡々とストロークで打ち合う安藤選手と
違って、ラリーのペースは速いしショットもその都度変わってくる。
そういったテニスも重要なんだけど、当時俺が課題にしていたのは
安藤選手的な淡々と相手と打ち合えるストロークラリー。
その上手さの秘訣はどこにあるのか、土屋選手と練習しながらも
ずっと隣のコートを観察していた。
そこで感じたことはフットワーク。
相手が打ってくる色んなボールに対して、同じポジションの
入り方をしている。
細かく早いステップで的確にボールへ近づくから安定感が
損なわれないんだけど、早い段階で準備に取り掛かることも
その安定感の大きな要因となっている。
となると、その準備の早さが全てにおいての重要なヒントに
なっているように思えたんだよね。
で、その早い準備を作り出しているのが・・・声だと思った。
黙々とラリーしている安藤選手、打ちながら声を出すんだけど
よくよく聞くと自分が打つ瞬間だけじゃなく、相手が打つ瞬間にも
小さくだけど相槌を入れているような声が聞こえる。
ということは、声って自分が打つだけじゃなく相手が打つ瞬間にも
出した方が良いのか??
そう思って、隣で安藤選手のラリーを見ながらこっちもまずは声から
真似してみた。
その結果、相手が打つ瞬間もこちらが声を出すようにすると、
相手とのラリーのリズムと呼吸のリズムが合うようになるので、
プレーに対してとても集中出来ることが判明。
特に相手が打つ瞬間、ギュッと自分の意識が相手に集まり、驚く程
スムーズにボールへ対応できるようになったのを感じたのだ。
それ以来、自分のテニスにその声の出し方を取り入れた。
その結果、試合結果も良くなったし、ランキングを更に上げることが
出来たのだ。
もちろん結果が良くなったのは安藤選手の声の出し方だけじゃない
だろうけど、それくらい自分のプレーにすんなりマッチしたんだよ。
大きな発見だったね。
皆も、自分が打つ瞬間だけじゃなく、相手が打つ瞬間も声を
出して呼吸をしてみよう。
それから、「上手いな」って思う選手を見付けたら、その選手の
上手さや強さのコツを見抜けるようにしてもらいたいね。
まず困ったことは練習場所と練習相手の確保だった。
それまで練習していた職場のテニスコートが使えなくなった
から、近くの市営コートなどを借りるなどしたんだけど、
選手仲間がホームコートとか大学の部活に混ぜてもくれて
なんとか練習環境を作ることが出来た。
その中で一番お世話になったのは、立川ルーデンス。
そこに在籍していた土屋選手にいつも練習を誘ってもらった。
俺よりもランキングはずっと上にいた土屋選手との練習は
とても勉強になったんだけど、もう一つ大きな収穫があった。
それはよく隣のコートで打っていた安藤将之選手のプレーを
見られたこと。
日本でもトップクラスでプレーしていた安藤選手だけど、その当時は
もう試合出場数も減らして主に選手のコーチをしていたから、
隣で打っていた安藤さんは、だいたい選手のヒッティングとして
コートに立っていた。
その練習は黙々と相手選手と打ち合っていることが多かったんだけど
ショットの質の高さと、その質を維持させる安定感がとても素晴らしく
思わず何度も見とれてしまったもんだ。
土屋選手のプレースタイルは主にネットプレー。
じっくりストロークで打ち合うというより、隙あらばササッと
前に出てくるタイプだったので、淡々とストロークで打ち合う安藤選手と
違って、ラリーのペースは速いしショットもその都度変わってくる。
そういったテニスも重要なんだけど、当時俺が課題にしていたのは
安藤選手的な淡々と相手と打ち合えるストロークラリー。
その上手さの秘訣はどこにあるのか、土屋選手と練習しながらも
ずっと隣のコートを観察していた。
そこで感じたことはフットワーク。
相手が打ってくる色んなボールに対して、同じポジションの
入り方をしている。
細かく早いステップで的確にボールへ近づくから安定感が
損なわれないんだけど、早い段階で準備に取り掛かることも
その安定感の大きな要因となっている。
となると、その準備の早さが全てにおいての重要なヒントに
なっているように思えたんだよね。
で、その早い準備を作り出しているのが・・・声だと思った。
黙々とラリーしている安藤選手、打ちながら声を出すんだけど
よくよく聞くと自分が打つ瞬間だけじゃなく、相手が打つ瞬間にも
小さくだけど相槌を入れているような声が聞こえる。
ということは、声って自分が打つだけじゃなく相手が打つ瞬間にも
出した方が良いのか??
そう思って、隣で安藤選手のラリーを見ながらこっちもまずは声から
真似してみた。
その結果、相手が打つ瞬間もこちらが声を出すようにすると、
相手とのラリーのリズムと呼吸のリズムが合うようになるので、
プレーに対してとても集中出来ることが判明。
特に相手が打つ瞬間、ギュッと自分の意識が相手に集まり、驚く程
スムーズにボールへ対応できるようになったのを感じたのだ。
それ以来、自分のテニスにその声の出し方を取り入れた。
その結果、試合結果も良くなったし、ランキングを更に上げることが
出来たのだ。
もちろん結果が良くなったのは安藤選手の声の出し方だけじゃない
だろうけど、それくらい自分のプレーにすんなりマッチしたんだよ。
大きな発見だったね。
皆も、自分が打つ瞬間だけじゃなく、相手が打つ瞬間も声を
出して呼吸をしてみよう。
それから、「上手いな」って思う選手を見付けたら、その選手の
上手さや強さのコツを見抜けるようにしてもらいたいね。
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