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てにすまん 高西ともブログ 2012/7/25

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両立させるからこそ価値がある。

[過去の思い出] 投稿日時:2012/07/25(水) 16:00

18才で上京してテニスコーチの派遣会社に
就職し、テニススクールでコーチしながら選手活動を
していたのだが、30歳で退職。
ま、若気のいたりもあって辞めたのだが、次に何か
あてがあった訳でもなく、勢いで辞めると言ってしまった。
そのくせ選手活動はまだ続けたいと思っていたので、
練習やトレーニングをしながら次の仕事を探した。
色んなスクールからお話をもらえたことは嬉しかったけど
「月2大会ほど大会には出場するんですが・・・」と告げると
「う~ん、じゃあ厳しいかな」となる。
どこもそこまでレッスンを休まれると厳しいのだ。
 
それでも何とか貯金を切り崩しながら試合にエントリーして
練習してトレーニングして、選手活動を続けていた。
大会に出場すると賞金は出るんだけど、そんなのエントリー代や
遠征の交通費、宿泊費、滞在費なんかで消えるどころか、
赤字になることが殆ど。
出場しないほうがマシなくらい。
しかし貯金が減り続けても「選手を辞めよう」って思わなかった。
「お金が無いなぁ」って感じながらも、変わらず全国各地の
試合に出場し続けた。
ある時には1週間、海外に遠征も行ってきた。
スペインのカナリア諸島で開催されたチャレンジャー大会に
行ってきたんだけど、さすがに帰国したあと、通帳を見て
そこに記されていた残高3万円の数字を見た時には
選手活動の危機を感じた。
でも、やっぱり「終わりだな」って思わなかった。
3万円でどうやって選手活動を続けるのかって
考えていたよ。
 
しかしそれから、色んな選手仲間や元職場のコーチ仲間から
情報をもらったり仕事を紹介してもらい、徐々に仕事が
増えるようになったのだ。
でもそうやって仕事を斡旋してくれた人たちは口を揃えて
同じことを言っていた。
「選手活動もコーチ業も、両方頑張っているから紹介した」
借金はしなかったけど、どんどん自分のテニスにお金をかけて
まで頑張った分、幸運なことに、それが自分の仕事として
跳ね返ってきたのだ。
 
18才でテニスコーチを本業として頑張り始めた時には
会社の命令で義務練習と試合に出場していた。
それは選手活動で得た経験をレッスンに活かせ・・・という
会社の方針だったのだ。
特に選手活動には興味なかった俺も、命令じゃ仕方ないと
渋々頑張っていたんだけど、段々と選手の世界へのめり込むと
同時に、レッスンのための選手活動が、いつの間にか選手活動の
資金集めのためのレッスンというスタンスになっていった。
もちろんレッスンは手を抜かずしっかりとやったけど、
頭の中には自分がレベルアップすることの方が占めていた。
 
でもここに来て、会社という後ろ盾がなくなり、その中で
選手という活動をしていかないといけなくなったときに、
自分の立場というものがはっきりと認識できた。
それは「テニス選手コーチ」であるということ。
レッスンは選手活動のためでもあり、選手活動は
レッスンのためでもある。
コーチの立場も選手の立場も、両方プロとしてベストを尽くす
からこそ、両方が成り立っているんだなって。
 
本当はスポンサーが付いて、テニスだけやってりゃあ
いいような選手活動をしたかったんだよ。
コーチ業は嫌いじゃないけど、選手の活動に専念したいと
思っていた。
もちろん32才で引退するまでその希望は変わらなかったけど
心の中では、選手とコーチ、両方のプロとして生きていく
ことを誇りに感じるようになっていった。
だって選手として頑張って結果を出した分、それが仕事の本数に
反映されたし、そういう形で仕事が盛り上がった分だけ
また選手活動も活発に出来るようになったから。
 
レッスンなんて、いくらでももらえるもんだ・・・って会社に
いる頃は思っていた。
だけどフリーになって初めてレッスン出来る幸せを、
感じたし、そのレッスンが自分自身の選手活動によって
生み出されるって分かったら、益々両方に対してプロ意識が
芽生えた。
「テニス選手コーチ」
今の日本のテニス界にはこういう選手がたくさんいる。
両立の難しさはあるけれど、両立させるからこそ価値がある。

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