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てにすまん 高西ともブログ 2012/8/13

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絶不調から抜け出す!?

[考え方] 投稿日時:2012/08/13(月) 21:04

「絶不調なんですけど、どうすれば元に戻せますか?」
試合を直前に控えた高校生の選手が深刻な顔して
質問してきた。
「そんなの気のせいだよ。」
そう答えたんだけど、もちろんその後に話は続く。
彼にはその後、絶不調から脱出する方法ではなく
こんな話をした。
 
「まず不調の自分を受け入れていないんじゃないの?」
そもそもテニスには好調と不調の両方があるのに
好調の時の自分は「俺って上手くなった!」って喜ぶくせして
不調の自分には「こんなはずはない・・・」って認めようと
しないことが多い。
だから不調の状態だと、どうしても好調の自分を思い描いて
しまって、不調なのについつい好調なテニスをしようとしてしまう。
 
もちろん不調のテニスは出来ればそこから抜け出し
たいんだけど、相手あってのスポーツであるテニスは、
自分に非が無くても相手のナイスプレーで
不調に陥らされることもある。
そういう時は、不調の自分を素直に受け入れ、その状態で
その時に出来ることを謙虚に行うことが大事なんだよね。
「こういう不調の時期もあるもんなんだ」
普段からそうやって「不調の自分もアリ」って受け入れて
おかないと、そこへ厄介な感情ってものが加わってしまうよ。
 
もう一つ、こんな話もした。
「意外と相手は不調かどうかなんて気にしてない。」
不調でも強い選手はちゃんと勝つし、弱い奴は絶好調と
言いながら簡単に負けてしまう。
とにかく不調でも好調でも、試合中は淡々と勝ち星を
挙げる方法を探り、その時の状況に合ったプレーを
し続けるんであって、「不調だからダメ」とか「好調だから勝てる」
なんてあんまり考えたことがないし、俺自身相手が
好調かどうかは気にしない。
 
それよりも気になるのは、相手が集中しているかどうかだ。
集中力切れて、気持ちが散漫になると勝負を仕掛けやすいからね。
不調な相手でも、集中しているとやっぱり侮れないもんだよ。
 
「そんなの気のせいだよ」
そう言ったのは、まず不調の自分も受け入れろと言うこと。
不調な自分を嫌悪するからそこから強引に抜け出そうとし、
それが絶不調に陥った要因なんだよね。
それから不調、不調と騒いでいるのは自分だけであって
相手にはそんな思っているほどアドバンテージは握られて
いないということ。
不調でも勝負を諦めず、そんな不調な自分にも勝つ術は
残されていると信じて黙々とプレーする。
その方が好調な状態で浮かれきってプレーしていることより
よっぽど嫌なもんだよ。
 
「絶不調」と言っていた彼、確かにひどいプレーをしていた。
でもそれはイロイロと技術的にも問題はあるんだけど、
やっぱり不調の自分を気にしすぎていることが原因のようだ。
だからやっぱり「気のせい」なんだよね。
試合が近い彼には、絶不調から好調へいかに変えていくかより
残り少ない練習で、不調の自分に慣れてもらいたいって思った。
絶好調なプレーの練習も必要だけど、不調の自分を
受け入れられない選手は、絶好調プレーなんて贅沢すぎだよ。
もっと不調状態に慣れておけよ。

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