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てにすまん 高西ともブログ 2013/10/3

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勝ちたいなら嫌われろ。

[考え方] 投稿日時:2013/10/03(木) 12:54

テニスの試合の最中、相手選手のことをどう思う?
ん?そうやって考えたこと無い?
俺は試合中、相手選手のことを嫌いって思うことが
殆どだったよ。
いや、もっと違った表現をすると、「憎たらしい」という
存在だね。
どんなに仲の良い選手と対戦したとしてもポイント
取られたら悔しいし、「コノヤロー」って思ってしまう。
 
心穏やかにプレー出来る時って結局、大幅リードしていて、
しかも相手選手のやる気も無くなり、こっちがただ繋いでりゃ
簡単にミスをしてくれる、そんな状態になった時くらい。
でもそんな時は間違いなく相手選手はこっちのことを
「アノヤロー」ってハラワタ煮えくり返っていることが多い。
とにかく試合ってものは互いに憎しみ合って戦うこと。
だって勝ちたいのに相手が邪魔してくるスポーツなんだから、
憎たらしくなるのが普通でしょ?
 
でも、大量リードで勝ちがほぼ決まっている状態じゃなくても
心穏やかにプレー出来る時がある。
それは相手を認めてしまっている時。
「やはりあなたは私より強いです。完敗です!」って感じ。
そう、もう勝ちを諦めた時なんだよね。
例えば初戦でナンバー1シードの選手と対戦することになったとしよう。
優勝候補であるナンバー1シードに対して、こちらは初戦も
勝てるかどうか怪しいというレベル差だったら当然、序盤に圧倒的な
試合展開で大量リードをシード選手にされても腹が立たないどころか、
「さすが!」って拍手まで送りたくなってしまうのだ。
 
でもここで諦めずに「どうやったら勝てるだろう」って考える
ことが出来て何か策を講じることが出来たら、その瞬間から
何かが変わるはず。
もちろんそのまま0−6で敗退することもあるけど、そこから
相手のリズムが狂って、こっちの調子が上がって・・・という
パターンを期待するなら、「コノヤロー」って気持ちになるはず。
でもそういう「考えられる選手」になって、「逆転大金星テニス」を
誰もが目指せるかと言うと、実はそれも難しい。
そういう展開を避けてしまうことって実は多いのだ。
 
なぜかと言うと、ナンバー1シードがノーマークの選手に
大逆転されそう・・・という展開になったとしよう。
そうなると試合内容は絶対泥沼化しているはずなんだよ。
そうなると、試合中ナンバー1シードの選手は、イライラしながら
凄い形相でこっちを見てくるだろう。
追いつかれた悔しさもあるけど、何よりこんなレベル差の選手と
競っている自分にも腹が立っている。
とにかく屈辱的に感じるんだよ。
こっちのことが憎たらしくて仕方が無いって思うのだ。
そんな「憎たらしいって思われる」ことに耐えられる?
耐えられない人はついつい大量リードされた時点で相手の強さを
認めて、そのまま何事も相手と一悶着起こさないようしながら
試合を終わらせてしまう道を選んでしまうのだ。
 
だって、そこから追いついたとしよう。
すると、ちょっと怪しいジャッジに対し
「今のホントにアウトなの!?」
なんて凄い剣幕て抗議してくるだろうし、ボレーにいれば
スマッシュなんかもぶつけてくるかもしれない。
ボールを渡す時も、意地悪で取りにくい強さで打ってくるしね。
とにかく「あなたが嫌い」という態度をとことん見せつけて
くるだろうね。
そんな嫌ってくる上位の選手に対して「嫌いで結構!」という
態度をちゃんと取れる選手は、そういう場面から逃げないで
自分のプレーのリズムを崩さないでいられるのだ。
ここで「相手に憎まれる」ことを恐れたり、挙げ句の果てに
「いやいや、私はあなたを尊敬してます」「嫌いにならないで」
なんて態度を見せることで、強い相手の憎悪から逃げる人は
チャンスを逃してしまうんだよ。
そんな人はアウトしたのに、ついつい「入ってました」って
言ってしまったり、ボレーなんかで仕掛けられたら、
すぐに勝負してしまってミスをどんどんプレゼントしたりする。
最悪なのは相手が怪しいジャッジをしても「いや、文句ないです」
って感じで大人しくなって抗議出来なくなる。
対戦相手との争いを避けて相手と平和的にプレーを選択する選手に
勝利なんてあり得ないんだよね。
 
とにかく試合は相手との憎しみ合いとなる。
だってどちらも勝とうとするし、そのために相手を蹴落とそうと
するし、どっちかが負ける訳だから。
もちろん本当にケンカしている訳じゃない。
スポーツだからね。
しかし、そういう爽やかなスポーツマンシップに甘えて
相手と向き合って「お前には勝たせない!」って態度が
取れない人は絶対そこから上には這い上がれないし、
バカにされるし、なめられるのだ。
 
もし強い対戦相手からチャンスを掴み、そして勝ち星が
目の前に見えても相手にしっかり嫌われる覚悟を持って
「嫌いで結構!」
という精神を持てるようにしないとね。
相手に好かれようなんて思ったら終わりです。