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てにすまん 高西ともブログ 2013/5/7

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だからダブルスが嫌いなんだよ!

[試合【ダブルス】] 投稿日時:2013/05/07(火) 10:58

ダブルスって楽しい・・・そう思えるようになったのは
いつからだろう?
うーん、30歳過ぎてからかもしれない。
それまでは、なんてストレスの溜まる競技なんだって
思ってたよ。
 
それまでもスクールコーチとして偉そうにダブルスを
生徒さんに教えてはいたけど、実際自分のテニスは
シングルスが殆どで、ダブルスはシングルスのついでに
エントリーする程度。
練習なんかシングルスばっかりだし、ダブルスの練習なんて
しないから、ダブルスの極意なんてことも考えもしなかった。
おかげでダブルスの戦績もそんなにパッとしなかったが
シングルスの戦績の方が大事だったからダブルスで
負けた後の反省もちゃんとやってなかった。
 
一時ネットプレーを強化して、プレーの中にもっとボレーを
登場させようと、頑張ってボレーを上達させたんだけど、
ダブルスの戦績アップにはさほど影響しなかった。
シングルスの中でストロークが安定するようになっても、
ダブルスの中ではストロークラリーが今一つだったしね。
 
「俺にダブルスは向いてないな・・・」
そんなこと思いながら、ダブルスをし続けていたんだけど、
そう思ってダブルスをしていた時期が長かったから、ダブルスの
何が嫌いだったのか、今でもハッキリ覚えている。
まず一番嫌だったのが相手ボレーの存在。
俺はクロスの相手とラリーでストロークの打ち合いをしたいのに、
その間に急に割り込んでくるボレーの存在は鬱陶しくてしょうがなかった。
レシーブの時もそうだ。
サーブを返球することに集中したいのに、俺のレシーブを相手ボレーは
偉そうにニヤニヤしながら狙ってやがる。
ま、実際にはニヤニヤしていないが、そう見えてくるのだ。
それから相手が並行陣になった時、空いているスペースが
見付からないのでどこに打つか焦る。
シングルスで相手がネットに詰めてきた時には、スペースは
いくらでも見付かるのに・・・。
 
自分が前衛にいる時も苦痛だったよ。
シングルスだったら全て自分が取るボールなんだけど、
ダブルスの場合は、取れたら取るし、無理ならパートナーに
任せる訳だから、「うーん、これはどっちかな・・・」って考えている
間にボールはもう通り過ぎてしまい、結局全然前衛の仕事が出来ない。
やっとボレー出来た時も打ちやすいコースには相手の選手が
立っていて返球されまくるから、どんどん強打してしまって結局
自分でミスしたり、相手にカウンター喰らったりしてしまう。
 
挙げ句の果てに良いプレーした時のハイタッチも上手くいかない始末。
パートナーに駆け寄ってハイタッチをしようと手を挙げて用意したのに
それに気付かれずに、さっさと自分のポジションへ構えに行かれた
瞬間、「ああ、なんてダブルスって難しいんだろう」って思ったよ。
 
でもそんな苦痛なダブルスがなんで楽しくなったかと言うと、
もちろん各ショットの技術も上がったのだが、自分の中で「嫌だな」って
思っていたことを、相手にも更に誇張して思わせるようにしようって思ったから。
例えば自分がボレーにいる時は、果敢に相手のクロスラリーに
割って入って見せたり、相手がレシーブ打つ時に狙っていることを
動きでアピールしたりすれば、相手も同じように嫌がってくれるでしょ?
アプローチして並行陣になった時も、「決めてやる」ってことよりも
ロブ打たれても足元に沈められても返球することに徹して、
「壁」をアピールしてミスをさせることを重視したら、これも相手は
同じように焦ってくれるようになる。
相手のボレーに対しても、触れるんだけど返球するのがやっとという
ボールを混ぜておくと段々「触ろうか、見逃そうか・・・」って
悩み始めてくれるし、相手の決めボレーのコースもしっかり覚えて
そこを重点的に守るようにしていけば、相手は段々強引な決めボレーを
使うようになり無理をするようになるのである。
 
さすがに、相手に「ハイタッチって難しい」って思わせることは
出来なかったけど、とにかく自分が純粋に「嫌だな」って思うことって、
逆に相手を崩すヒントになっていることに気付いて、そこからダブルスって
面白いって感じられるようになったんだよ。
しかも、相手がそれでアタフタしている様子を見ていると、じゃあ
自分がそういう状況に陥った時には何をすれば良いのかって
ことも分かってきたしね。
そうなると更にダブルスは楽しいって思えるようになった。
 
テニスって相手と戦うスポーツだから、こういう自分が「嫌だな」って
思う部分を相手にも思わせる考え方って、大きなヒントになる。
もちろん当てはまらない場合もあるけど、自分の苦手な部分を
感情的に捉えず、色んな戦術に活かせるようにしてもらいたいもんだ。