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てにすまん 高西ともブログ 2014/2

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テニスの上達で一番大事なこと

[考え方] 投稿日時:2014/02/19(水) 18:27

熊本と大分で部活支援活動のテニスレッスンを行った。
子供達にテニスをもっと上達してもらうことで、より
テニスを好きになってもらいたいと思ってこの活動を
全国で行っている。
 
でもテニスが上達するってことって何だろう。
そこの答えがハッキリしていないと意味が無い。
ショットのスピード?
コントロール?
戦術だろうか?
色んな上達要素があるんだけど、一番はこれだと思う。
「頭が良くなる」
これに尽きる。
 
とにかくテニスは色んなことに頭を使わないといけない。
身体の使い方、相手の観察、パターンの読み、それまでの出来事
今後の予測、ボールの見方、風向きや太陽の位置、もちろん
自分の現在状況・・・・などなど。
もちろんこれだけ色んなことをいっぺんに考えるのは難しい。
でも無意識でも必ずこれら全てを通して導き出された答えを
ショットにぶつけることが出来れば当然結果は大きく違ってくる。
いくら一日8時間練習をし続けても、何も考えない人は
ある程度は上手くなるだろうが、そこから先には進めない。
とにかく「頭が良くなる」とはそういうことなんだよ。
 
自分自身も今までのテニス人生を振り返った時、上達前の
20歳頃の自分のテニスと現役最後の32歳のテニスを比べると
明らかに違うのは「考える力」なんだよね。
決断するためには情報やデータを元に答えを導きだして
プレーしている。
もちろん経験量の違いで答えの正解率は違うだろうが、
考えて導いた答えは根拠がハッキリしているから、間違ったと
しても反省しやすいし、何より自分自身を信じる癖が付く。
 
じゃあ頭を良くする為にはどうすれば良いか。
「頭を使え!!」
俺もよく高校生や中学生に向かって叫ぶことは多いけど、
そう言うと「はい!」って元気よく返事をする彼らは
さほど変わらず考えないプレーを続けてしまうことが多い。
頭を使う為にはまず考えてもらわないといけない。
考えてもらう為には・・・そう、質問をぶつけること。
「今は何がマズかったの?」
「現在、どういう状況なの?」
現状を考えてもらい、それが分かれば次に取るべき答えの
行動が見えてくる。
「次は何をやればいいの?」
そしてその答えが合っていたのかどうか。
「さっきの作戦で良かったの?」
「もっと他の方法は無かったの?」
 
時間は掛かるけど、こういった質疑応答のやり取りが無いと
考える癖が付かない。
でもこういった問い掛けにちゃんと答えられるようになり、
しかもその答えが的確になってくれば、必ずそれは試合中の
苦しい状況を乗り越える力になってくれるし、勝敗の分かれ目
でも力を発揮してくれるはず。
そして更に考える力が付いて来たら、ラリー中の一本一本の
ショットにも判断した結果もたらされた「考え」が上乗せされ
それが質にもコースにも反映されるくらい、スピードアップ
した頭の回転が手に入る。
いわゆる状況判断力。
試合が終わっておうちに着く頃になって
「あの時、こうすれば良かった」なんて悲し過ぎるからね。
 
でもね、こういった勉強とは違う頭の良さは
テニスの結果に結びつけてもらいたいのはもちろんなんだけど、
本当はこれからの人生に活かしてもらいたいんだよ。
今の自分の状況をきちんと理解し、今これから何をしなきゃ
いけないか、そしてそれによって出された答えを信じて行動し、
それが合っていたかをすぐに反省し直して、また更に次の行動を
導きだす。
テニスは何ポイントも積み重ねないと勝利は来ない。
だからナイスショットで決めたとしても、またすぐ次の
プレーを考えないといけないし、勝ったとしてもまた次の
相手が待ち構えている。
テニスで考える力を培って、人生もしっかりと前へ進む力を
養ってもらいたい。
 
慣れてくると自分が自分に「現状はどうなの?」って
冷静に聞いてくれるようになるんだけど、まだまだ中学生や
高校生はそうもいかない子が多い。
顧問の先生や上級生がそういった質問を皆にすることによって
部員皆が考え、答えを導き、その結果を反省してまた次の答えを
生み出す・・・そういう環境を作り出してもらいたい。
そして答えを出した者は、その言葉を信じて責任ある行動を
とってもらいたいものである。