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てにすまん 高西ともブログ

やられた!って思ったよ。 [過去の思い出]

投稿日時:2011/05/04(水) 23:55

現役の頃は年間20大会以上出場していた。
初戦敗退って試合もあるが、勝ち上がって準決勝、決勝と
駒を進めた試合も少なくない。
なので年間試合数は50試合くらいはこなしていたと思う。
 
その試合、全部を覚えてはいない。
印象に残らない試合もあるので、たまに
「あの時対戦した○○です!」と挨拶されても
「ん?誰だっけ」ってなることもしばしば。
逆に覚えられて無かった経験もあるし、試合ってそんな
もんなんだよ。
 
じゃあ逆に覚えている試合はどんなのかというと、
やっぱり決勝とか大金星とかの試合なんだけど
悔しい試合もやっぱり忘れられない。
その中でも特に「悔しい!!!!」という試合はこれだろう。
青森の大会で体験したこの試合、競って最後は
負けたんだけど、最後の最後で「やられた!」というのが
あったので今でも忘れられない。
 
その大会では俺がノーシードで、相手はシード選手。
勝ち上がっていって、確か3回戦だったと思う。
鋭いショットに苦しみながらも、何とか粘り倒して相手から
1セットもぎ取り、そのまま2セット目も行けそう!!って思った時
雨が降ってきて一時中断となった。
文字通り「水を注された」状態・・・。
 
前日、その選手は競りまくって勝ち上がって来たので
明らかに疲労で動きが鈍い。
ここはチャンスだから、早く試合を再開してもらいたい。
すると雨も上がり、試合再開。
しかし・・・相手は黙々と丁寧なプレーをしながら執念で
攻撃しながらポイントを取って来る。
 
そして2セット目はタイブレークの末、相手に取られてしまった。
そして第3セット、ファイナルだ。
しかし2セット目取られた焦りから、こちらはスタートでミス連発。
そのままズルズルと負けそうになるが、最後あと1ゲーム取られたら
負けるという場面で逆に相手が焦り始め、
追い付くチャンスが巡ってきた。
 
しかし苦しいながらも、相手はネットへ果敢に出で
プレッシャーをかけてくる。
もうベースラインでの打ち合いは避けている状態なのだ。
そして遂に40-30でマッチポイントを握られた!!
周りの観客達も大声援を送ってこのマッチポイントを見守る。
そこで相手がサーブ&ボレーを仕掛ける。
俺はそれをダウンザラインにパス!!!
結果は・・・・「アウト!」と相手が手を上げ、それまで黙々と
プレーしていたのに「ヨッシャー!!!」と観客に向かって
ガッツポーズ!!
彼を応援していた観客も大拍手!!
 
でもね、そのショットは入っていたんだよ。
俺はもちろん抗議した。
が、彼は認めなかった。
そりゃそうだ。
こんな場面で認めるはずがない。
悔しい!!
 
が、それ以上に彼が上手いと思ったのは、「アウト!」と言って
ジャッジした後、俺が抗議する前に派手なガッツポーズを周りに見せ付け
自分の勝利をアピールし、誰もが「あ、この試合終わったんだな」という
印象を作ってしまったこと。
ま、抗議を受けてもジャッジは覆らないことも計算なんだろうね。
そんな空気で抗議をしてもムダ・・・という感じにしてしまった。
 
俺が抗議の為にネットに駆け寄ると、そのまま彼は
握手を求めてきた。
その時の彼の対応をや表情を見て「やられた・・・」って思ったよ。
こういう相手にも勝てるようにならないと、テニス選手は
やっていけないなって思った。

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