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てにすまん 高西ともブログ

遠くに行けば強くなる!? [過去の思い出]

投稿日時:2011/11/09(水) 09:22

選手生活をしているとお金が掛かる。
ラケットやシューズ、ウェアなどをまだ提供して
もらえなかった時期は、そういう道具も自分で
買いそろえないといけないからね。
ラケットなんて3本か4本必要だし、シューズも練習が
ハードだから消耗が激しい。
ガット代も週1,2本は切っていたから出費が痛かった。
 
でも一番痛いのは、エントリー代と遠征費。
一回の出場費だけで8000円とか10000円とか掛かる。
それに移動代とか宿泊費も掛かるし、その分仕事を休むから
収入も減る。
そのうえ、最初は賞金なんて全然もらえなかったからね。
 
だからどうしても近場の大会を選びたくなる。
家から通えるうえに、試合は午前中だから、夕方から仕事に
戻れる・・・というメリットがある。
宿泊費と遠方への交通費が抑えられただけでも随分と
出費は少なくなるから助かるんだよ。
 
でも、俺は頑張って遠くへも遠征に行くようにしていた。
超貧乏選手だったけど、泊まりで行かないといけない場所へ
積極的に行くように心掛けていたよ。
その理由は何かと言うと「チャンス」なんだよね。
やっぱり俺が活動していた関東の試合は、強い選手が集まりやすい。
そうなると賞金が少ない大会でもけっこう高いレベルの選手が
集まってしまったりするので、勝ち上がるのが困難になったりする。
それが地方の大会となるとちょっと選手層が薄くなるので
勝ち上がってポイントや賞金をもらえるチャンスが増えるんだよ。
 
でもそんな感じで遠方への遠征を続けていると、勝ち上がるチャンス
だけじゃなくて、もっと多くのメリットを見付けることが出来た。
それは完全な「選手モード」になれるということ。
試合会場に朝からずっと色んな選手達と一緒にいて、アップしたり
試合したり、試合後に練習したり、その後トレーニングとか
一緒に風呂行くとか、メシに行く・・・なんて行動を共にしていると
徐々に自分の意識が「テニス選手」になっていき、モチベーションが
上がるのが感じられた。
 
それから移動時間も重要だった。
特に遠方の地で敗退した後、飛行機や新幹線に一人で乗って
窓の外を眺めながら試合のことを思い出すと、本当に悔しくて悔しくて、
「絶対俺は強くなってやる!!!」という気持ちをしっかりと胸に刻み
その悔しさを再確認出来た。
その悔しさが俺のテニスを成長させてくれた。
 
一回の遠征でエントリー代、宿泊費、移動代など合わせると
数万円・・・なんてこともあったから、本当に貧乏選手だった俺には
きつかったんだけど、その後のテニスの成長には大いに役立った。
日本全国、色んな場所へ行くことも出来たしね。
そう考えると、結局テニス選手って、遠征、遠征、遠征・・・の生活を
繰り返さないと強くなれないのかもって思うし、そういったことに
お金を惜しむようだとダメなのかもって思うね。

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