大きくする 標準 小さくする

てにすまん 高西ともブログ 2011/5

<<前へ 次へ>>
rss

表があるから裏がある

[戦術] 投稿日時:2011/05/10(火) 07:37

段々暑くなってきたね。
これから夏にかけて、更に気温も湿度も上がって
長い試合が大変になって来る。
暑さ対策は大丈夫かな?
 
テニスの試合って競るととにかく長い。
俺も一度4時間の試合を経験したが、レベルが上がってきて
互いに一歩も引かない状態だとそういう試合時間も
珍しくは無い。
 
それだけ長い試合時間だと、当然相手のショットや組み立て
なんかは途中で覚えてしまう。
なので、基本的には試合の序盤でもう相手に自分のテニスを
隠しておかないで逆に見せ付けないといけないのだ。
「俺はこういうテニスであなたと戦いますよ!」と堂々と
宣言してプレーするのだ。
 
でもテニスってどれだけ相手からポイントがもらえるか・・・という
スポーツなので、見せ付けたそのテニスでポイントが取れているか
検証しないといけない。
粘りがウリの人なら、粘り切って相手が嫌がってくれたらミスを
もらえるし、ネットプレーが武器の人は、ネットプレーでポイントを
重ねられればOK。
でも当然相手はそのうち、立て直してくるに決まっている。
 
そこで重要なのは「サプライズ」だ。
「これが私のテニスです」と最初にしっかりアピールしたのが「表」だと
すれば、「裏」ということになるね。
ようするに「裏をかく」ってことだよ。
例えば粘る人がいきなりサーブ&ボレーなんかをやったら、相手は
粘って来ると思っていたから思わずボールを浮かしてしまったり
驚いて強引で雑なパスになったりしやすい。
ネットプレーが武器の人も、しっかり深くアプローチしてボレーを
狙っていたのを、急にアプローチの時にネット際へドロップショット
打ってみたり、アプローチに出るフリを見せてみたり・・・と
ちょっとしたサプライズを入れると効果的なんだよ。
 
でもそのサプライズをどのタイミングで行うかが、テニス選手の
センスの見せどころ。
「しまった!!今の場面でこれは悔しいなぁ・・・」という
ところで出来ればサプライズプレーを披露したい。
ということは・・・・そのサプライズの前後はしっかりといつもの
自分の「表」のテニスを堂々と黙々とプレーし続ければいい。
 
皆も「表」のプレーはどんなプレーで、たまに仕掛ける「裏」は
どんなもので、しかもそれをどんな場面で混ぜようか考えてみよう。
そういうのが上手くいくようになると、普段自分が何を練習するべきか
見えて来るし、何よりテニスが更に面白くなるよ。

片手も両手も

[過去の思い出] 投稿日時:2011/05/09(月) 03:16

テニスコーチをやるにあたって、片手バックハンドが
出来るかどうかが、けっこう重要だったりする。
片手バックの人にも教えるため・・・でもあるんだけど
実際それ以外に、生徒さんと打ち合う時、ラリーが途切れたら
間髪入れずに次のボールを出せるように片手でボールを持ったまま
ラリーが出来るようにするため。
両手バックの人なんかは、ポケットにボールをゴロゴロ入れないと
やってられないから、そういう意味では片手バックハンドの方が
左手にボール持ちながら出来るので便利。
 
と言う事で、俺もレッスンの時には殆ど片手バックハンドで
生徒さんと打ち合う。
でも試合では両手バックの俺がなぜ片手打てるのかと言うと、
もともと片手バックハンドの選手だったのだ。
両手に変えたのは20歳の頃だ。
 
でもその当時の片手バックハンドは見るに堪えない
何とも酷いバックハンドストロークだったよ。
腕力も無いくせして、気合入れて腕っぷしでボールを
飛ばそうとしていたから、当然テイクバック大きくなりすぎで
打点は食い込まれ、結局ボソッとした浅いショットに
なってしまったもんだよ。
 
トップスピンもあまり掛からなかったから、
相手がボレーに出てきても足元に沈める事が出来ないし
ショートクロスなんかでサイドを攻めることも出来ない。
何とかスライスで誤魔化してはいたけど、スライスだけでは
限界があるし、その頃は「テニスが強い=トップスピンが上手い」と
思ってたから、そのスライス打つたびに何だか逃げてる気もした。
 
そんな悲惨な片手バックだから、思い切って両手バックに
してみたんだよ。
でももちろんレッスンでは片手じゃないとラリー練習が
大変だから片手のまま行い、自分の練習時間になると
両手バックを練習した。
両手にしても相変わらずバックは下手だったけど、
まだ打点食い込まれても強引に後ろ手でプッシュしたら返せた
から「楽チンだ!」って思った。
 
今はもう試合の中でも多少使えるくらいまで、片手ショットを
レッスンの中でやっている。
あの頃は四苦八苦しながら片手バックを頑張っていたが
コツを掴むと簡単にボールは持ち上がるし回転も
しっかりかかる。
そして何より感触も軽い。
そのコツは何かって?
 
軸足だよ。
軸足でしっかり床反力で身体を支えているのを感じられると
片手バックでもしっかり打つことは出来ると思う。
腕力に頼り過ぎている片手バックの人は、要注意!!

トップスピン系ストローク、ここに気を付けろ

[技術【ストローク】] 投稿日時:2011/05/06(金) 08:28

テニスのショットが上手くなるという事は
スピードが速くなるだけじゃない。
「安定感」とか「ピンポイントに打てる」といったコントロール面も
重要だ。
そのコントロール力を磨くために意識して練習することは
ボールの軌道を思い描くこと。
 
トップスピン系のストロークの場合、特に大事に
しないといけないのは、弾道の頂点がどこに来るのか
事前にちゃんと決められるかどうかで大きく違ってくる。
当然深く打つ時はその山の頂点も高くて、しかも遠くになるんだけど
相手がネットプレーに出て来た時に足元へ打つショットや
ショートクロス系のショットは山の頂点が手前になる。
ショットの深さなどによって山の頂点は色々と違ってくるのだ。
 
この弾道の頂点が決まれば、そこに向かってしっかりと
ボールを擦り上げてあげれば良いから、スウィングの軌道も
決まりやすく、思い切って振り抜きやすい。
同時にその頂点を迎えた後ボールが落ちて行くのもちゃんとイメージ
出来ると、そのボールにどれだけトップスピンの回転を掛けて
あげれば良いのかも見えて来る。
結果、打った直後にボールが上がっていく角度とトップスピンの
回転量が明確に見えて来るのだ。
 
だからトップスピン系ストロークのコントロール力が付くという事は
弾道の頂点を色んな高さ、色んな位置へ自在に設定して
その通りに打てるという事。
相手コートのどこにバウンドさせるか・・・ということは
皆ちゃんと考えるんだけど、そこにちゃんとコントロールするには
頂点の設定をおさえておかないといけないよ。
サーブもそういうところがあるから意識して練習してみよう。

深く打ちましょう

[技術【ストローク】] 投稿日時:2011/05/05(木) 03:57

ショットが甘いとやられる。
だからショットは甘くならないようにしなきゃいけない。
じゃあ、甘くないショットってどんなのだ?
 
一般的にトップスピンのストロークでの甘いショットは、
浅くてゆっくりのショットが「甘い!」と言われる。
だからまず「深く打たなきゃ!」って深さを出すことを頑張る。
でも次に「速さ」も付け加えたくなるんだけど、これが
けっこう落とし穴になる場合が多い。
 
深さを出すには方法は二つある。
一つは深い地点まで届くような勢いのあるショットを打つ。
で、もう一つは飛距離が出るように弾道を上げる。
どっちが簡単かと言うと・・・後者の弾道を高くすることで
深く打つことなんだよ。
勢いを付けて遠くまで飛ばそうとすると、飛び過ぎで
アウトする可能性が高くなるし、そのアウトを警戒して
回転量を増やすと、勢いのあるショットでしかも回転多めだから
結局浅くなりやすい。
目的としては「やっつける」ことよりも「やられない」方が
重要だから、勢いはとりあえずここではそんなにいらないんだよ。
 
弾道を高くすると、メリットはもう一つある。
それは高くバウンドさせやすいこと。
ボールの回転量をむちゃくちゃ上げても高くバウンドしするんだけど
そればかりで高いバウンド目指すとスウィングもむちゃくちゃ
大きく振らなきゃいけない。
それよりも落下させる地点を高くすればするほどボールは
高く弾むんだから、それを意識した方が簡単でしょ?
 
ということで、相手がチャンスくれるまで繋がなきゃいけないんだけど
その繋ぎショットの弾道をしっかりと上げてみよう。
ロブくらい高く上げるとリズムが崩れやすくて、チャンスが来ても
振り抜けなくなるから、目安は自分の身長よりもチョイ高くするくらい。
間違ってもライナーで繋ぎショット打たないように気を付けよう。

やられた!って思ったよ。

[過去の思い出] 投稿日時:2011/05/04(水) 23:55

現役の頃は年間20大会以上出場していた。
初戦敗退って試合もあるが、勝ち上がって準決勝、決勝と
駒を進めた試合も少なくない。
なので年間試合数は50試合くらいはこなしていたと思う。
 
その試合、全部を覚えてはいない。
印象に残らない試合もあるので、たまに
「あの時対戦した○○です!」と挨拶されても
「ん?誰だっけ」ってなることもしばしば。
逆に覚えられて無かった経験もあるし、試合ってそんな
もんなんだよ。
 
じゃあ逆に覚えている試合はどんなのかというと、
やっぱり決勝とか大金星とかの試合なんだけど
悔しい試合もやっぱり忘れられない。
その中でも特に「悔しい!!!!」という試合はこれだろう。
青森の大会で体験したこの試合、競って最後は
負けたんだけど、最後の最後で「やられた!」というのが
あったので今でも忘れられない。
 
その大会では俺がノーシードで、相手はシード選手。
勝ち上がっていって、確か3回戦だったと思う。
鋭いショットに苦しみながらも、何とか粘り倒して相手から
1セットもぎ取り、そのまま2セット目も行けそう!!って思った時
雨が降ってきて一時中断となった。
文字通り「水を注された」状態・・・。
 
前日、その選手は競りまくって勝ち上がって来たので
明らかに疲労で動きが鈍い。
ここはチャンスだから、早く試合を再開してもらいたい。
すると雨も上がり、試合再開。
しかし・・・相手は黙々と丁寧なプレーをしながら執念で
攻撃しながらポイントを取って来る。
 
そして2セット目はタイブレークの末、相手に取られてしまった。
そして第3セット、ファイナルだ。
しかし2セット目取られた焦りから、こちらはスタートでミス連発。
そのままズルズルと負けそうになるが、最後あと1ゲーム取られたら
負けるという場面で逆に相手が焦り始め、
追い付くチャンスが巡ってきた。
 
しかし苦しいながらも、相手はネットへ果敢に出で
プレッシャーをかけてくる。
もうベースラインでの打ち合いは避けている状態なのだ。
そして遂に40-30でマッチポイントを握られた!!
周りの観客達も大声援を送ってこのマッチポイントを見守る。
そこで相手がサーブ&ボレーを仕掛ける。
俺はそれをダウンザラインにパス!!!
結果は・・・・「アウト!」と相手が手を上げ、それまで黙々と
プレーしていたのに「ヨッシャー!!!」と観客に向かって
ガッツポーズ!!
彼を応援していた観客も大拍手!!
 
でもね、そのショットは入っていたんだよ。
俺はもちろん抗議した。
が、彼は認めなかった。
そりゃそうだ。
こんな場面で認めるはずがない。
悔しい!!
 
が、それ以上に彼が上手いと思ったのは、「アウト!」と言って
ジャッジした後、俺が抗議する前に派手なガッツポーズを周りに見せ付け
自分の勝利をアピールし、誰もが「あ、この試合終わったんだな」という
印象を作ってしまったこと。
ま、抗議を受けてもジャッジは覆らないことも計算なんだろうね。
そんな空気で抗議をしてもムダ・・・という感じにしてしまった。
 
俺が抗議の為にネットに駆け寄ると、そのまま彼は
握手を求めてきた。
その時の彼の対応をや表情を見て「やられた・・・」って思ったよ。
こういう相手にも勝てるようにならないと、テニス選手は
やっていけないなって思った。
«前へ 次へ»

<< 2011年5月 >>

MONTUEWEDTHUFRISATSUN
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31