大きくする 標準 小さくする

てにすまん 高西ともブログ 2012/1

<<前へ
rss

スコアを忘れちゃう人

[戦術] 投稿日時:2012/01/31(火) 09:51

現役時代、試合のレポートを書いていた。
色んな人にも見てもらって、試合中にどんなことを
思って試合をしているのかを実感してもらって
いたんだけど、いろんな感想をいただいた中でよく
言われたのが、
「1ポイントずつ、よく内容を覚えてますね」ってこと。
 
1セット目の5ゲーム目、お互いバックハンドストロークで
ラリーが続いて、そこから相手がストレートに攻めて
きた・・・とか、2セット目の3ゲーム目は最初のポイント俺が
ワイドにサーブ打ってからボレーに出て、それをロブで
抜かれた・・・とか。
とにかくそういうことを書くと感心されたもんだ。
 
でもなんでそういうことを覚えているかというと、
そのポイントが試合の流れを決める重要なポイントで
印象に残っているというのと、もう一つは、
スコアや状況によってやるプレーがだいたい
決まっているから、その時のスコアで「何をした」、
「何をされた」を覚えているのだ。
 
例えば、0-3から2-3に追い上げて、自分の
サービスゲームになった時、最初のポイントはどうするか。
俺の場合、ここは手堅く1stサーブを入れて、長いラリーで
粘りをアピールしたい。
追い上げの勢いはあるが、ここで一気に攻めると自分に
プレッシャーかかるし、相手も手堅くプレーするだろうからね。
 
そこでその通りの粘りのプレーが出来てポイントを
取ったら「思い通りに出来た」として印象に残るし、もし
相手が予想に反して、ガンガン攻めてきたとしても
それはそれで印象に残る。
それぞれの状況によって自分のプレーは何をするのかが
だいたい決まってあれば、例えその結果が予想通りでも
そうならなかったとしても、印象として頭の中に残るんだよ。
 
そうやって覚えておくことが出来れば、試合の後半、
相手のやり方も見えてくる。
そのデータが勝利に繋がっていくんだよ。
よく試合中にスコアでもめることがあるが、その時両者が
状況やスコアによってプレー内容を決めているので
あれば、途端に解決する。
でも互いに目の前のショットを打つことばかり考えている
ような選手同士だと思い出せなくて困るんだよね。
 
試合後、最初のゲームの1ポイント目から、マッチポイント
まで、内容を言えるようにしよう。
覚える方法は、状況によって何をするかパターンを
決めておくこと。
単調なプレーでスコアを忘れてしまう人、気を付けてね。

気合入れすぎスペイン留学

[過去の思い出] 投稿日時:2012/01/30(月) 13:34

アメリカに行ったのは22歳の時。
たった3ヶ月間だったし、色んな大学や
チームを転々としながら過ごしていたから
そんなに「テニス修行」という形ではなく
海外をちょっと見てみたい・・・という位の
軽い気持ちで行った。
 
でもその2年後、24歳の時に行ったスペインは
ものすごい気合を入れて臨んだテニス留学。
1年間、日本に帰らず、スペインで絶対強くなってくると
周りにも自分にも宣言して行ったんだよ。
でもそんなにすんなり上達するものではなく、
最初の半年は逆に空回りして落ちていく一方。
行く前の方が強かったんじゃないのって思ったよ。
 
でもそこから徐々に良くなり、一年経って帰国する
頃には、かなり手応えあるテニスを掴むことが出来た。
が・・・それでも帰国する時は緊張だった。
前の職場に戻って、またテニスコーチを始めたんだけど
皆「どれだけ強くなったんだろう!」って凄いハードルを
上げて超期待状態で待っていてくれたのだ。
俺がいない一年の間に新しく増えた若手選手も
皆、「あれが、噂の高西選手か!!!」って感じ。
 
そりゃそうだよね。
1年間という単位で海外に行くと、誰もが生まれ変わって
帰ってくることを期待してしまう。
だって俺だって凄い期待してこの一年間スペイン滞在を
決めたんだから。
 
そして、帰国後初めて、他スタッフと練習した日、
練習最後に若手選手が
「すみません!!1セット、試合してもらって良いですか!!」
って言ってきた。
「もちろん!よろしく。」と早速試合を開始。
結果は・・・・タイブレークで辛くも勝利。
途中のスコアとか試合内容とかは殆ど覚えて無いが
「危ね~」って試合後思ったのは覚えている。
 
そこで対戦した若手選手やそれを見ていた他のスタッフが
どう俺のことを思ったかは分からないが、とにかくこの一勝は
危なかったけど、俺の中でとりあえず一区切りが出来て
ちょっとホッとしたかな。
その後出場した大会の試合では、安定して結果を出し続け
ランキングも上がり「高西がスペイン行ったのは正解だった」って
評価されて嬉しかったけど、とにかく帰国する時は
手応えだけで、確信出来るものではなかったのだ。
 
物事、何かにトライする時には、それ相応の気合は
必要だけど、それによって緊張やプレッシャーに潰される
ことも有り得るな・・・ってその時思った。
軽い気持ちでは何も出来ないし、気合入れすぎると
潰れてしまう。
それでもやっぱり気合入れて前に進むべきだね。

直線ダッシュで高速スィング

[テニス技術] 投稿日時:2012/01/27(金) 14:15

速いストロークを打ちたい。
速いサーブを打ちたい。
皆がそう思っている。
そのためにはどうすれば良い?
まずは・・・そう、速いスィングが出来ないと
速いショットは絶対無理だよね?
200キロのサーブが打ちたけりゃ、スィング速度も
当然200キロ以上ないといけないに決まっている。
 
そのスィングスピードを上げるためには、
体の使い方をこうやって、筋肉はどこどこの○○筋を
鍛えれば良い・・・なんかも大事なんだけど、今現在
皆が持っている筋肉や体の柔軟性でベストな
スィング速度を出す方法がある。
それは「直線ダッシュを頑張れ」ということだ。
 
どういうことかというと、例えばダッシュするでしょ?
直線コースを100メートルダッシュするのと、
曲線コースを100メートルするの、どちらが速いかな?
そりゃもちろん直線でしょ!?
コーナーがあると遠心力が働いてしまってスピードを
落とさないと、膨らんでしまって走ることさえ難しい。
直線のみの方がスピードも全力で出せるし、安定もある。
 
それと同じでラケットでスィングする時も、
直線の動きの部分を意識し、そこに絞ってスィングスピードを
上げてあげると、速くてしかもイメージ通りのスィング軌道を
作ることが出来る。
それをテイクバック、ラケットダウン、そして打点に向かって
ヒット・・・と全てフルスィングで速く振ろうとすると
曲線の動きの部分で失速するし、スィング軌道も
ぶれてしまう。
重要なのはボールを打つ打点付近でスィング速度は
マックスにしたいから、打つ直前から打った後の振り抜き
で直線的なスィング部分を作り、その直線部分を
意識してフルスィングすることだね。
 
だから意外と速いスィングの人を見ると、ボールを打つ
瞬間以外はゆったり感を感じるんだよ。
でもこれを実現するためには、早めの準備も必要だね。
サーブの時には高めのトス。
準備する時間が無いと、ゆったり感を作れないのだ。
サーブ、ストローク、そしてスマッシュやボレー全て
自分のショットを打つ時、直線な部分は見えているだろうか?
それが見えてないと、スィングスピードは上がらない。

「上達出来る」選手であれ

[コンディショニング] 投稿日時:2012/01/26(木) 13:58

「強くなるためにはどうすればいいんだろう。」
皆、そう思いながら頑張っている。
俺も常にそういったことを考えて現役時代を
送っていた。
でも強くなるためには、その前に上達しないと
いけないのだ。
この意味わかるかなぁ。
 
強い選手ってセンスだと思う?
ジョコビッチが強いのはやっぱり才能かな?
フェデラーのテニスは天才だから?
ま、そういう部分もあるだろうが、俺はそう思わないし
本人たちも「才能」なんてことで強さを認めて
もらいたいとは思っていないはず。
 
となると、世界中で頑張っているテニス選手達が
そういう最強の選手のテニスに近づくためには
どうすれば良いのかと言うと、ただ打ち方とか
攻撃パターンを真似するだけでは無理で、まずは彼らと
同じ「成長出来るテニス選手」になることだ。
この「成長できる」ってところが大事。
こういう選手が上達して、その結果強くなるのだ。
 
そういう「成長できる選手」になるにはどうすれば良いか。
まずは自分を見つめて今の状況を分析できること。
今の自分の位置を確かめられない人は、どこかに
飛び込んで現在のレベルをちゃんと把握しよう。
それは大会でもいいし、アカデミーでも良いし、
サークルやチームなんかでも良い。
 
そして学習能力があること、トレーニングや練習などの
自己鍛錬に勤しむことが出来ることも絶対条件。
もちろん自分がそれまで培ってきたことに自信と
誇りを持っていることも大事だね。
自信がなかったり、人の良いとこばかり妬みながら
テニスしている人は上達しにくい。
 
周りとのコミュニケーションが取れないのもダメ。
ずっと家を離れて試合を転々とする遠征生活や
きつくて苦しい練習を毎日し続けるためには、他の
選手仲間やコーチとのコミュニケーションが重要だからね。
海外に飛び出す人は英語はもちろん、本拠地にする
国の言葉も話せないときつくなる。
 
もちろん健康管理などのコンディショニングも
食事や休日の過ごし方で変わってくるので
分かっていないといけない。
 
結局テニスそのものを頑張っても、それ以外の
部分がダメでは全く成長できないんだよ。
それじゃあ勝てない。
選手活動なんて、殆どがストレス。
そんなストレス状態でも耐え忍び、そこから僅かなチャンスを
見つけられる選手こそが、そのレベルを乗り越えて
上に進んでいくんだよ。
 
テレビの画面見て、強い選手を観戦していても
そういった部分は伝わりにくい。
表面的で外見的な強さが目立つ。
だからこそ、強い選手が練習している場所や
大会の会場なんかで彼らの裏の部分を生で見て、
そして接してもらいたい。
強い選手は「強くなる要素」をちゃんと内面にも
持っているってことを感じて欲しい。
強さを求めるなら、上達できる選手になってくれ。

遠征で勝ち続けるには・・・

[過去の思い出] 投稿日時:2012/01/25(水) 13:19

試合で遠くに遠征したとき、一番大事な
ことはやっぱり勝つことである。
わざわざ遠くまで来たのに早々と負けると
ショックはデカイ。
 
でも勝ち続けるには試合に集中しないといけない。
集中するには、アップや練習をしっかり行なったりするのも
大事なんだけど、滞在先での生活環境を整えないと
いけなかったりするでしょ?
俺の場合、その環境の善し悪しは、
食べ物が大きく関係していた気がする。
夜ご飯が楽しみな遠征だと何だか一日頑張れた。
だって美味しい食べ物を前にしたとき、腹ペコは
快感になるでしょ?
 
でもすごい田舎にあるテニスクラブで試合となると
滞在しているホテルや旅館で食べないと、飯に
ありつけない場合がある。
それが美味ければ文句ないんだけど、ちょっと
イマイチの晩ご飯の時は、その日頑張って試合で勝って、
その後トレーニングや練習で、お腹ペコペコ状態でホテルに
戻って来ても、何だかテンション上がらないし、それどころか
余計に疲れを感じてしまう。
 
スペインで色んな場所に遠征したときなんかは
そういうことは多かったなぁ。
お金がない選手ばかりだったから、コーチがホテルとか
レストランと交渉して、すごい安い定食なんかを
用意してもらうんだけど、それがイマイチでね・・・。
不味くはないんだけど、味気ない食事が多かった。
 
でも日本にいる時も、たまにあったなぁ。
ちょっと場所はバレるから言えないけど、とある大会の
オフィシャルホテルの夜ごはんは酷かった!!
殆ど肉も野菜も入っていない焼きそばにライスとかね。
あまりに酷いから選手たちから抗議が出たくらい。
でもそこも周りは山に囲まれていて、車が無いと
外に食べに行けないんだよ。
 
逆にしっかり結果を出した大会なんかは
やっぱり美味しいものを毎日食べていた気がする。
もう毎晩、ご飯が異常に楽しみだったよ。
でももう一つ大事なのは、一緒に食べる人だな。
気の合う選手仲間とそういう美味しい晩ご飯を
食べていると「テニスの大会って楽しい!!!」って
感じられるから、辛くストレスの溜まりやすい遠征でも
気持ちよく過ごすことが出来る。
そしてそれが次の日の結果に結びつくのだ。
「また皆で一緒にここでご飯を食べたい!」ってね。
 
別に高価な物を食べろとは言わないが、ちゃんと心の
こもった温かい食事と、それを一緒に食べる仲間、
これがあれば、遠征した時も自分の実力を発揮
させやすい。
テニスだけ頑張ればいいわけじゃないんだよ。
«前へ

<< 2012年1月 >>

MONTUEWEDTHUFRISATSUN
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31