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てにすまん 高西ともブログ 2012/3

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視野を広げたい

[テニス技術] 投稿日時:2012/03/16(金) 01:51

テニスコートの広さって微妙だね。
広いと言えば広いが、狭いと言えば狭い。
弱い相手だと空いているスペースがいくらでも
見えて、「相手コートは広い!」って感じられるけど
強い相手だと、シングルスのコートに一人しか
立ってないのに打つところがないように感じるくらい
コートが小さく感じてしまう。
 
でもやっぱりテニスはスペースを使って戦術を
組み立てるスポーツだから、相手コートの空いている
スペースを見つけて攻撃に生かさなきゃいけないし、
自分のコートのスペースもちゃんと把握しておかないと
いけない。
そのためには視野が広くないといけないんだけど、結構
プレー中ってボールとコートと相手しか見えてなかったり
する人が多いんだよね。
視野を広くするためにはどうすればいいのだろう。
 
まずそもそも視野が広いというのは、どういうことかと
言うと、自分がちゃんと狙える範囲が広いということ。
コントロール力がない人は端っこ狙えないから
コートの端なんて見ようとしない。
自分が好きなコースとかコートの真ん中しか打てない
から、そういう人の視野は狭くなる。
 
一方サイドライン辺りまできっちり狙えるうえに、
ロブなども駆使して上の空間も使える人は当然
その狙える範囲が打つショットの候補に挙げられる
から、視野は広くなりやすいんだよ。
 
でも、いくらどこにでも打てるコントロール力があっても
打つコースをすぐに決めてしまうと、せっかくの広い
視野も無駄になるから要注意。
ボールを打つギリギリまで、次に打つコースの候補を
わざと選ばないようにして、複数の候補の状態のまま相手に
「この候補の中から俺はどれを選ぶでしょうか!?」
ってな感じで、しっかり構えると、相手はコースが読めずに
思わず足が止められて動けなくなるんだよ。
 
と言うことは、しっかりと深さや上の空間、そして
サイドラインいっぱいの横の広さなんかを強調できる
コントロール力がないと、視野は広くしにくいってことだ。
で、その大事なコントロール力を一番手っ取り早く得るためには
ボールの回転量を増やすことかな。
もちろんバランスや軸足の踏ん張り、姿勢なども
大事なんだけどね。
回転量を増やすことがイメージ作りに役立つと思う。
 
「なんであそこに打たなかったんだろう」
試合中、ポイントの合間にいつもそうやって反省してしまう
人、そんな人は視野が狭いと思うよ。
ストロークもボレーも回転量増やしてコントロール力を
上げて、コートの端っこや上の空間をいつでも、きっちり
狙えるようなショットが用意出来たら、そこで狙えるように
なった範囲の広さや空間を全て視野に入れられる。
視野を広げてよりテニスを楽しめるようにしよう。

俺って強いんだぞ!

[戦術] 投稿日時:2012/03/15(木) 06:46

生まれて初めて優勝というものを経験したのは
22歳の頃だ。
毎月開催されていた、たった3面のコートで行われる
小さな大会で、まずはリーグ戦を行い、上位がその後
トーナメントで戦うという、ワンデートーナメント。
 
ほぼ毎月出場しながら、徐々に戦績を上げ、優勝まで
たどり着くのに半年ほどかかったかな?
優勝したあとも、また次の月にはエントリーして出場
していたんだけど、優勝してからは周りの選手達の
俺を見る目が一気に変わった。
「あの人、先月の大会で優勝した人だ!!」
そんな感じで俺を見てくれる。
 
何しろ生まれて初めて優勝したもんだから、そんな風に
見られることが嬉しくてたまらない。
「そう、俺が先月大会で優勝した高西です」的な
感じで、選手皆が控えているクラブハウスでも
ちょっと周りを意識してストレッチしてみたり、他の
強い選手と「調子、どう?」的な話をしては、
「俺は、君らとは違うんだよ」って見せつけていた。
 
すると・・・テニスの試合内容も変わってきたのだ。
それまでは、格下の相手にも競ってしまう癖があった
俺のテニスなんだけど、優勝した次の大会からは、
弱い相手にもすんなり勝てるようになってきたんだよ。
 
その理由は、まず格下の相手が俺のことを
「優勝するほどだから、かなりスゴイ選手なはず!」
と過剰に感じてくれたことで、簡単に空回りして
くれるようになったこと。
それから、俺自身が前回の優勝者として、
余裕を見せつけたかったから、ムキにならず冷静な
プレーを心がけたこと。
ホントは内心
「先月優勝なのに、今月は予選敗退なんてどうしよう」
って気持ちがあったんだけどね。
 
でもこういう変化を感じてからは、
「ん?相手が勘違いしてくれると、勝ちやすいかも」
って思い始めたような気がする。
「なんか強そう」って雰囲気をコートだけじゃなく、
会場にいるときも作って見せたり、試合中にいかにも
強そうな選手に見えるように、堂々とラリーや
ネットプレーをこなしてみたり、とにかく「らしく」
見せることは勝敗に影響することが分かった。
 
それからというもの、自分を実力以上に見せることを
意識するようになったよ。
が・・・たまに、試合中に実力がバレて逆転されることも。
実力も必要ってことだね。
テニスって奥が深い。

ザーッと滑りながら追いかける

[技術【ストローク】] 投稿日時:2012/03/14(水) 18:28

日本のテニスコート、今ほとんどが
砂入り人工芝のコートになってきたね。
学校のコートはまだクレーが多いけど、新たに
砂入り人工芝で作るところが増えているみたい。
 
砂入り人工芝や土のコートで大事なのはフットワーク。
急には止まれないこれらのサーフェイスで、どれだけ
きっちりストップ&ゴーが出来るかが勝負にかかってくる。
そしてこのフットワークでキーポイントになるのが滑り具合。
バランス良く滑りながら、丁度ボールを打つタイミングと
ポジションに合わせて、ピタッと止まれると、まるで最初から
その場所にでもいたかのようなショットが打てたりするんだよ。
 
でもこの「滑る」という行為、あまりこの為の練習は
やった記憶がない。
俺自身のテニススタイルはコートの端から端まで
走らされるパターンが多かったから、プレーの中で
滑りながらボールを打つことはとにかく多かった。
でもそれは自然と身に付いたから。
滑りながらコート中を走り回る強い選手たちを見たり
一緒にプレーしていて段々と自分自身も出来るように
なったんだよ。
 
ではクレーコート王国、スペインで練習していた時は
どういう風にコーチから言われていたかというと、
「滑るな!最後まで走ってボールまで行け!」と
口うるさく言われた。
意外でしょ?
だから練習の時は出来るだけ滑らないようにするんだけど
むちゃくちゃハードな練習になると、滑らないとやってられない。
当然周りの超強い選手たちも追いかけながら、最後は
滑っているから、それをマネして俺も滑っていたよ。
「滑るな!」というのは多分「出来るだけ、ギリギリまで」
という意味だったと思う。
 
でもやっぱり、滑りながら追いかけて打つというプレーは
砂入り人工芝とクレーコートが多いこの日本ではかなり
必要なことなので使えるようにしてもらいたい。
マスターするにはまず、フットワークがいい選手たちが、
どうやって滑りながら打っているか見て真似することなんだけど
それ以外にも、低い重心とバランスの良い体軸、そして何より
一番大事なことは「打ち終わったらすぐ戻りたい!」という
気持ちを強く持つこと。
 
レベルが上がるほど、拾いまくって粘るテニスが必要に
なるから、滑れるようにしておいてもらいたい。
逆に言えばこれが出来れば格上の相手に対して
食らいついていけるかも。
ちょっと意識して練習してみよう。

1stサーブはスーパー2ndサーブ

[技術【サーブ】] 投稿日時:2012/03/13(火) 02:13

試合中、ストロークが入らなくなったらどうする?
原因は色々考えられるけど、まずは次に打つ時に
ショットの回転量を増やすでしょ?
回転が増えることで、ボールが落ちやすくなるから
ネットに掛かりにくく、そしてコートの枠に入りやすい
ストロークになる。
そうやって安定させることが出来たら、また回転量を
元通りの少ないショットにしていくというのが
よくあるパターン。
 
ということは、回転量の多い安定型ストロークと、回転量の
少ないパワー系ストロークは、基本的に同じ系統の
ショットであり、それを回転量で打ち分けていると言える。
だから打つリズムもスィングスピードも同じになり、ミスが
多くなって回転量を増やしても、また調子が戻ってきたら
パワー系に切り替えるという打ち分けがしやすいんだよ。
 
この考え方、サーブの時にも当てはめてる?
サーブって1stサーブと2ndサーブがあるでしょ?
ストロークの考え方でいくと、2ndサーブは回転量多めの
安定型になるから、1stサーブって基本的には
2ndサーブの打ち方で回転量を減らしたものという
考え方になる。
それを全く別物のサーブとして1stサーブ、2ndを
打っていると、どちらも崩れていきやすいのだ。
 
だから練習の時なんかは、まずは2ndサーブ的な
安定型サーブを練習しよう。
ストロークの練習の時も、まずはミニラリーなんかで
軽く回転の確認とかするでしょ?
あれと同じ感じで回転量多めのサーブをしっか練習し
徐々にそのイメージやリズムを維持しながら、
回転量の少ない攻撃型サーブに移行していくのだ。
 
そうやって手に入れた攻撃型サーブは、安定感を
損ないにくいから、超実戦的なサーブと言えるし、何よりも
ストローク同様、ミスが続いて崩れた時にも修正しやすく
元に戻しやすい。
だから試合の中でも安心感を得られるから、不安から来る
変な緊張感も少なくなると思うよ。
 
もちろん、試合中のどっかでたまに使う一番速い
超フラット系サーブなんかの場合は、ちょっとイメージが
変わってくるけど、そんなの毎ポイントの1stサーブで
使ってたら、入らないし、そのサーブによって2ndサーブも
イメージしにくくなるし・・・で大変なことになるぞ。
 
一度自分の試合のデータをチェックしてみよう。
もしかしたら、サーブの時に殆どフラット系1stサーブを
打っているが、案の定それが入らず、2ndサーブばかりで
サービスゲームをこなしているかもよ。
そういう人は大抵、2ndサーブもイメージが掴みにくく
なり、苦しんでいる可能性は高いね。
 
さぁ、まずは2ndサーブで使えるような
しっかり回転量多めのサーブを打ってみよう。
そして調子が上がってきたら、そのサーブの回転量を
徐々に減らしながら、フラットに近づけていき、そして
1stサーブを手に入れよう。
とにかく、1stサーブはスーパー2ndサーブって
ことだよ。

恐怖のヒッティングパートナー

[過去の思い出] 投稿日時:2012/03/12(月) 14:09

現在、いろんな場所でレッスンをしたりイベントを
開催している。
その中でデモンストレーションを行う機会は多い。
要するに「こうやるんですよ!」みたいなお手本だな。
どのショットも一応はちゃんとしたフォームで
打てなきゃいけないんだけどそれ以上に大事なのは
「わー!!!スゴイ!!」
ってプレーもある程度は見せないといけないこと。
 
選手活動の後半はオールラウンドのプレースタイルで
やっていたから、現在はとりあえずどんなプレーもこなすが
意外と20代の頃は、このイベントでのデモンストレーションで
やってしまった失敗経験が多いんだよ。
 
まだ20代前半の頃、働いていた横浜のスクールに
ある女子のトップ選手がイベントのゲストで来た。
その女子選手のクリニックの中で、当然彼女のプレーを
お客さんに見てもらうというデモンストレーションタイムが
あったんだけど、そこでヒッティングパートナーに選ばれた。
これはスゴイ光栄なことだし嬉しかった。
 
当時、上り調子だった俺は、勢いもあって会社からも
「期待の若者」って感じで見てもらえていたから抜擢されたの
だと思うが、ギャラリーも含め100名以上参加者が集まって
見守る中、その女子の選手と俺がデモンストレーションを
やると聞いて、正直本音はビビッていた。
だって、当時の俺のプレースタイルは「打ちまくり」。
相手よりも速いショットを打ちまくって、エースかミスか・・・という
テニスで何とか運良く勝っていたんだけど、そんなスタイルの
選手がゲストをたてなきゃいけないヒッティングなんて
務まる訳がない!!!
 
さて、当日、有名なこのプロの女子選手のレッスンを受ようと
多くの方が参加。
もちろんこの中には俺が受け持っている生徒さんもいる。
ギャラリーもビックリするくらい集まってしまった。
まずはこの選手の自己紹介と挨拶を行い、
「では、さっそく○○プロのプレーを見てもらいましょう!!」と
一番皆が見やすいコートで、俺とそのプロ選手は向かい合い、
コートの真ん中でストロークラリーが始まった。
 
その時俺はどんな感じだったかというと、
これまで味わったことがないくらい緊張していた。
全く足が動かない・・・・。
飛んでくるボールの距離がよく分からない・・・。
バウンドの場所や弾み具合ががよく分からない・・・。
そして、呼吸が出来ない・・・。
ただ「ちゃんとやらなきゃ、ちゃんとやらなきゃ」ばかり
頭の中をグルグル駆け巡って、過呼吸状態でラケットを
振り回していた。
 
結果、ラリー1,2球ですぐ俺がミス。
次もすぐミス、その次も、そのまた次も。
それを見て更に
「やばい、やばい、やばい、やばい!!!」と焦る俺。
場内も変な空気になってきたし、スタッフたちも
「おいおい、大丈夫?」って感じで俺を見ている。
 
そしてすぐ「高西、交代!」とヘッドコーチから言われた。
すごい長い時間に感じたけど、恐らく1分もコートには
立っていなかっただろうなぁ。
俺のあとヒッティングに入ったのは、俺より年上のコーチ。
落ち着いた雰囲気でプロ選手と楽しそうに打っている。
ショックだった!!!!!
ホントに惨めで、悲しかった。
大勢の生徒さんが見ている前で交代を宣告された自分が
情けなかった。
 
でも、これだけじゃなく、色んなイベントで色んな失敗劇を
繰り返しては悔しくて、情けない体験を味わった。
だって、試合とは違う緊張があるからね。
でもやっぱりちゃんとそういう場でも、参加者の皆さんが
喜ぶプレーを見せてあげるのが選手やコーチの仕事。
あの時「高西、交代!」と言われたのは仕方がない。
 
今、イベントの中のデモンストレーションでは
緊張をあまり見せずにプレーできている。
でも本当はチラッと当時の苦い思い出が浮かぶ。
が、にこやかに余裕の表情でこなせるようになった。
多分、自分の心に嘘を付けるようになったんだろうなぁ。
当時の俺は自分の心に正直すぎたのかも。
我ながら面白い仕事をしていると感じるよ。
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