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テニス泥沼化計画[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/02/03(日) 09:43

試合中、泥沼状態になることがある。
何やってもスッキリ上手くいかないけど、相手も同じで
膠着状態。
我慢のテニスをしないといけないこの時間帯は、多い少ないの
違いはあるだろうけど、意外とどの試合にもあるんじゃないかな。
そう考えると、「泥沼状態にならないようにするためには」という
ことを考えながら普段からテニスをするんじゃなくて、むしろ
「泥沼状態をどうプレーするか」を考えないといけないし、逆に
強い相手や同レベルの相手との対戦なんかは、泥沼状態から
良い形で抜け出した方が勝利を得られるわけなんだから、
率先して泥沼状態に試合を持ち込むくらいの意識があった方が
良いんだよ。
 
安定した試合内容でトーナメントを勝ち上がっていく選手も
一見、危なげなく6-2・6-1とかで楽勝を続けているように見えても
実は毎回試合の中で、そういう泥沼状態を一瞬だけでも
経験していたりする。
でもそこからの抜け出し方が分かっているから、焦った様子も
見せないし、悩んだ表情も見せないのだ。
そもそも、試合には泥沼状態が付き物だと最初から分かっているし
選手によってはわざと泥沼状態に持ち込むタイプもいるくらいだからね。
俺なんかもそういうタイプだったし。
だから泥沼状態に陥ることを避けようとしたり、そうなった場合に
イライラして感情的になるようじゃ、自分の実力は絶対に発揮出来ない。
 
でもそこで泥沼状態を良い形で抜け出すには、それなりの泥沼状態
必勝法を持っていないといけないよね。
まず欲しいのは、泥沼で互いに思い切って攻撃できないの
だから、長いラリー合戦となるでしょ?
だったら一番シンプルに、永遠に相手とラリーを続けるという
強い意思を持つことだね。
互いに決め手が無い状態だから、結局ポイントとなるのは相手のミス。
ミスするまで永遠に繋ぎ続ける覚悟がないといけない。
でもやっぱりそれだけではダメな時もある。
相手もその作戦を真似してくるからね。
そうなったら、相手を左右に揺さぶったり、チャンスならネットプレーを
狙ったりして攻撃をしないといけないんだけど、大事なことは
泥沼状態なんだから「決める」なんて大それたことを考えて攻撃しないこと。
あくまでも「相手からミスをもらう」という目的でオープンコートに揺さぶったり
ネットに出てプレッシャーをかけるのだ。
泥沼状態は特に「早く決めて終わりたい」という気持ちが強くなるけど、
そもそも泥沼なんだから、あくまでも泥臭さに徹して欲しいんだよ。
 
確かにムチャクチャ強くなれば、泥沼状態が無く試合を
進められるかもしれないけど、それは相手がムチャクチャ格下だった場合。
結局強くなれば、その分試合のグレードも上がるし、勝ち上がれば
相手の方が格上になったりするんだから、泥沼状態から卒業する
ことは永遠にない。
だったら、もっと普段から泥沼状態になった時のことを想定した練習を
しないといけないし、自ら相手を泥沼状態に引きずり込む作戦なんかも
考えておかないとダメなんだよね。
強い選手のテニスはカッコイイけど、あれは泥沼状態になっても、
迷わず、うろたえず、スマートにその状態を対処して抜け出すから
カッコイイんだからね。
永遠にラリーを続ける意思、ちゃんと持っているかな?
泥沼状態を楽しんでプレーしてね。

佐藤充選手[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/02/01(金) 03:32

高校の部活を支援していて思うのは、それぞれ部活を頑張っている
皆に結果を出してもらいたいということ。
じゃあ、その結果は何かと言うと、もちろん戦績なんだけど
それだけじゃなくて、過去の自分を追い越して自分自身が成長する
こともそうだし、部活動を通して仲間を作ったり信頼関係を築くこともそう。
それから、精神的に成長することも「結果」を出したと言える。
とにかく、部活動で全力を尽くすということは、試合の結果を追い求め
続けることなのだが、戦績以上に多くの価値ある結果を得ることが出来る。
 
そしてその結果が卒業したあと、色んなことに生かされるのだ。
だから部活動を頑張った選手は、素晴らしいテニスの技術を得られる
ことで、その後のテニスでの活躍が期待されるだけでなく、その選手の
人生も大いに期待されるのだ。
そんな高校の部活動3年間を頑張り続けた姿を見せてくれた
選手が、先日一人亡くなった。
明治大学4年生の佐藤充選手。
充のテニスは、彼が高校の時、3年間ずっと見てきた。
だから彼の今後に大きな期待をしていたし、つい最近まで充から
「大学を卒業するまでにもう一度勝負しましょう!」って連絡を
もらっていたのだ。
そんな彼に対して「まだ負けないよ!」と言いながら結局実現
出来なかったことが悔しいというか、腹立たしくてならない。
 
充と最初に出会ったのは彼が東京の大成高校で1年生の時。
その大成高校のコーチとして就任した日に、いきなり質問攻めを
してきたのが充だった。
テニスの技術のことだけじゃなく、ラケットやシューズやウェア、
海外のこと等も、とにかくなんでも質問しまくる充はすぐにこちらの
懐にどんどん飛び込んできた。
遠征に行く車の中でもずっと喋っているのは一年生の充で、コーチの
俺とか監督や先輩達から「少しは落ち着けよ!」「うるさい!」
と怒られてばかりだった。
 
そんな充を連れて、JOPの試合やフューチャーズの予選を回った。
それまで同世代のテニス選手とばかり戦ってきた彼には、一般の
プレーヤーやフューチャーズで見る国内トップクラスの選手達は
衝撃だった。
「俺、もっと強くなります!」
フューチャーズの予選会場でボロ負けをした後
そう宣言していた充は更にイキイキとしていた。
一緒に同じ大会を回っていたので、充と対戦したこともあった。
荒削りなプレーで危なげなくこちらが勝利を挙げたが、しっかりと
打ち込む充のショットストロークだけではなく、サーブもボレーも
魅力的だった。
一緒に出場したダブルスでは充ばかりが相手ペアに狙われて
何も出来なくなり、泣きそうな表情を浮かべながらもがいていたのを
今でも覚えている。
とにかく喜びも悔しさも目一杯感じながら充は頑張っていた。
 
2年、3年と大きく彼は成長し、舞台も全国となる。
それでも相変わらず充は人懐っこい表情を見せながらコートに
立って練習をしていた。
大成高校ナンバー1としてプレーしていた彼に、もっと
ナンバー1としての自覚と威厳を持つように話をしたことがあるが
それでも充は充のままだった。
彼はあれで実は厳しさを持ち合わせていたし、もがきながら
苦しんでいたのだった。
 
大学に行った充とは殆ど会う機会も無く、たまにメールでやり取りを
するだけだったのだが、昨年の夏に明大明治高校でイベントを
行なった時に、隣の明治大学のテニスコートで練習をしていた充と
バッタリ再会を果たすことが出来た。
随分と体も鍛え上げられ、顔つきも変わって成長したと感じたが
やっぱり喋ると昔のままの充だった。
大学に入って色んな厳しさを経験したはずなのに、そういった苦労を
表に出すこともなく、楽しそうに彼は頑張っていた。
それが俺にはたまらなく嬉しかった。
 
そんな充を見てきたのに、これから彼の将来を期待できないのだ。
充はその屈託のない笑顔の中に強い気持ちを持っていたのに。
今までの頑張りがバネとなって大きく高く跳躍しようとしていたのに。
どうしても彼の存在を俺は忘れることはない。
彼の生きようとした分だけ、俺や彼の周りの仲間が頑張って
生きようって、そう思っても、なんかやっぱり違う気がする。
充よ、やっぱり充がいないとダメなんだよ。
高校の3年間、大学の4年間の頑張りを充はどうこれから
使いたかったんだろうか。
あまりにも悔しすぎる。

これが上達の証[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/01/24(木) 23:58

皆、テニス上手になりたいでしょ?
でも、上手になるってどういうことかな。
勝てるようなテニスになるってどういうことかな?
パワーとか戦術面、精神面、体力や判断力や観察力と
色んな要素がテニスの上達には必要だけど、やっぱり
基本として打つ技術って避けて通れないよね。
 
では技術が上達するってどういうこと?
俺の中では何を感じるとショットの技術が上達したって
思うかと言うと、「コンパクトに打てるようになった」って感じた時なんだよ。
もちろん見た目に美しいフォームになったり、速いショットが
打てるようになったり、コントロールが良くなったりすることも
上達したことになるんだけど、とにかく全てを集約させると
「コンパクトに打てるようになった」ってことになるんだ。
それが一番上達出来たかどうかの目安になっていった。
 
じゃあコンパクトにラケットを振れるテニスってどういう事かと言うと、
まずは腕力に頼ってないということ。
効率良く、踏み込む勢いや相手のパワーを利用していると言える。
それから左右前後に動かされた時や、チャンスで一気に前へ
詰めた時なんかに走りながらプレーするんだけど、その時コンパクトだと
ステップと合わせやすいということもコンパクトスィングの大きなメリット。
他に、コンパクトなスィングは相手にコースを読まれにくいし
急なコース変更もしやすくなるでしょ?
振る範囲が狭いから、当然振り遅れやスィートスポットを外すことも
少なくなるわけだ。
だからミスが少なく安定した打ち方ってことになる。
 
ただね、コンパクトに打てるような技術が身に付いたって感じても
実際はスィングの大きさ、そんなにコンパクトじゃないんだよね。
むしろ傍から見ると、気持ちよくしっかり大きく振り抜いている感じかも。
でもその大きく振り抜いたスィングの中でも、丁度ラケットがボールを
打つ一番重要な瞬間、ここに凄く集中出来ていて、なんだかボールを
「チョン」って軽く打ったような感じに思えるんだよ。
ボレーもサーブもスマッシュも、この瞬間的な「チョン」って感じが
技術の上達と共に感じられるようになってきて、自分の中では
それが「コンパクトに打てるようになった」って思うのだ。
 
テニスはサーブ、ストローク、ボレー、スマッシュと、色んな
ショットを覚えないといけない。
それぞれ打ち方もグリップも違うこれらのショットを全て
マスターするのは難しい。
でも「ラケットでボールを打つ」ということは全て共通している。
それぞれのフォーム全体に気を付けることもある程度必要なん
だけど、一番大事な打点付近のラケットとボールの関係を
正確に演出するためにも、「コンパクトに打つ」って意識は
是非とも持ってもらいたいし、コンパクトに打てた感覚が得られたら
それがショットの上達した目安と言えると思うよ。

最高のラリー練習方法[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/01/23(水) 14:56

効果的な練習方法ってないですか?
よくそういう質問を受けるんだけど、テニスの練習なんて
そんなに凝らなくても良いんだよ。
単なるクロスラリーだけでも、考え方や課題、注意点を
しっかりおさえておけば、かなり良い練習になるし、
実際選手は単純な練習方法が殆どだ。
 
でも一つ、俺の選手生活の中でベストの練習方法を挙げると
すれば「クロスストレートラリー」だな。
シングルスコートでお互い1対1で向かい合い、片方は
クロスばっかり打って、もう片方はストレートばっかり打つ。
互いにオープンコートに打つことになるから、常に走ってボールを
追いかけて行って、打ち終わったらすぐに逆サイドへ戻って
カバーしないといけない。
上手に繋がればかなりハードな練習となる。
 
この練習を初めてやったのは20代前半の頃。
いつも一緒に練習してもらっていた先輩の選手がある日いきなり
「高西、クロスストレートラリーをやるぞ!」と言って始めた。
最初はあまり俺自身のコントロール力が無かったから、ちゃんと
クロスとかストレートに返球できず「おいっ!」ってイライラされて
いたんだけど、言わせてもらうと先輩選手のショットが
強過ぎたんだよ。
しかも凝り性の先輩だったから、気に入った練習はずっとやる。
ただでさえキツいこの練習を2時間くらいずっと続けるんだよ。
こうなると返球するだけでも一苦労。
だけど、キレられないように緊張と疲労の中、ちゃんとクロス、
ストレートと返球して頑張り続けた。
 
次にこの練習と出会ったのはスペイン。
24歳の時に練習場所としていたアカデミーで、いつも
行っていた練習の中でクロスストレートラリーは日課だった。
日本でも散々やっていたこの練習だけど、スペインの弾む赤土で
しかもコントロール力のある選手とやると、本当にこれがキツい。
大きく右に左に振り回されるのはモチロンのこと、それに
加えて後ろへ下がらされるから運動量は半端ない。
こちらはそれを更にこれ以上攻められないようにしっかりと
ボールを持ち上げて回転量を加えて返球しないといけないから
ただスライスなんかで凌ぐだけではダメで、きっちりと良い
ポジションに入り続けないといけない状態だった。
 
さすがに日本でもスペインでもほぼ毎日この練習をやって
いたから、クロスストレートは得意な練習になったんだけど、
この練習の場面って試合の中で凄い重要な要素がたくさん
あることに気が付いた。
まずは、単純に相手選手のいない所へ打つ練習になる。
だから、この練習が得意になってからはパッシングショットが
大得意になった。
それから自分や相手の状況を考えるようになった。
例えば端っこに走らされた状態から速いショットで返球すると、
戻る時間が無くなってしまうから、時間掛けて相手へ返球しないと
いけないし、逆に相手が端っこにいる状態だったら、早く
次のショットを打つために出来るだけ早くボールを触りたい。
速いショットを甘いコースに打つことよりも、ゆっくりで良いから
きっちりコートの隅々を狙わないといけないってことも学んだ。
もちろんゆっくりだけど、トップスピンはしっかり掛けないと
いけないし、スライスならちゃんと伸びのあるスライスじゃないと
ダメだけどね。
 
とにかく単なるクロスとストレートのラリーなんだけど、実際の
試合の要素が盛り沢山だし、プレーしていると試合をしているような
感じになるのがこの練習のいいところ。
もちろん体力、フットワークの面も鍛えられる。
 
スペインでなかなか勝てずにもがき苦しんでいた時期に、
日本から来ていた某デ杯選手にある時こう言われたことがある。
「高西君、君のクロスストレートラリーの練習のプレーをそのまま
試合でやればいいんだよ。」
このアドバイスはバッチリ当たった。
打つリズムや緩急の付け方、何よりも繋ぎ続けながらチャンスを
うかがう姿勢が実戦そのものだったんだよね。
 
結局、クロスストレートの練習はずっと引退するまで続けた。
多くの選手とこの練習を行ったよ。
単純だけど、やっぱりどの選手もいい練習って感じて
いるんだろうね。
是非みんなも、クロスストレートラリーの練習はトライして
もらいたい。

下のレベルが狙い目だし、狙われやすい。[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/01/22(火) 13:03

テニスのレベルって幅があるんだよ。
どういうことかと言うと、もしレベルを数字で表示した場合
レベルは二つ表示される。
「上はレベル7、下はレベル4」みたいな感じ。
なんだか血圧みたいだけどね。
だから、明らかに対戦相手のレベルが高いって時でも
下のレベルが自分のレベルに掛かっている場合は
十分勝つ可能性は残されている。
そういうスポーツなんだよね。
 
このレベルの幅、試合の戦績が安定している人なんかは
幅が狭いんだけど、結構格下相手にやらかしてしまう人とか
試合での戦い方がまだ分かっていない人なんかは、
幅が大きいのだ。
レベル10くらいのプレーを見せて「すげー!!」って
思われている選手でも、試合の中盤から「ん?」って感じの
プレーを見せ始め、終盤には完全に最初と別人になっているような
プレーをしているタイプの選手は、レベルの幅が大きいんだよ。
そしてそういう人は安定した戦績はやっぱり望めない。
 
じゃあレベルの幅を狭くしてプレーの波を小さくし、安定した
戦績を出しやすくするにはどうすればいいんだろう?
まずはレベルの上と下の違いを理解することだね。
幅広い人って、強烈な攻撃的ショットを持っている反面、ミスしやすい
とか、大事な場面でビビってしまう、バテやすい、キレやすいという
要素がある。
だから上のレベルは調子が良い時の攻撃的なプレーの
評価なんだよね。
それに対して下のレベルは、主に安定感となる。
コートカバーリングの広さとか、重要な場面でちゃんと普通の
プレーが出来るだとか、体力がある、逃げのショットやコースを
持っている・・・なんて部分だね。
だから下のレベルの評価は、その選手が苦しい場面についてなんだ。
でも多くの人が、練習の中で上のレベルの上達に目を向けて
しまって、下のレベルがそのまま放ったらかしってことになりやすい。
 
その結果、レベルが上がっていると実感しているのに、試合では
下のレベルが低いままで結局勝利を得られないどころか、
明らからに格下の相手にも負けてしまったりする。
でもその格下の相手は、確かにレベルは低いかもしれないが、
低いなりにもレベルの幅が狭い可能性が高く、且つ自分の下の
レベルが完全にその相手を下回っていたと考えられるんだよ。
 
皆もしっかり普段の練習で、上のレベルの強化だけじゃなく、
下のレベルの底上げを行うこと!
そして試合の中で格上の相手と対戦した時も、相手の上のレベルに
ばかり目を取られて「ダメだ~、勝てない~」なんて思わず、相手の
下のレベルを探り出し、その部分でプレーをさせることで、勝つチャンスを
見出さないとダメだよ。
さて、君のテニスはどのくらいのレベルの幅がある?
試合途中で別人になってしまうことがよくある人は幅が広いかも。
気を付けよう。
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