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ブログ技術【ネットプレー】

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ノーバウンド?ハーフボレー?どっち?[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2014/01/07(火) 11:42

「ボレーで足元にボールが来た時、ノーバウンドかハーフボレー、
どっちの方が良いんだろう?」
以前いたテニススクールの会社の研修でそんなテーマが出たことが
あり、その時は2時間くらい熱い議論が交わされた記憶がある。
その2時間の議論の中で俺は「返球出来ればどちらでも良いのに」って
ちょっと冷めて聞いていたんだけど、今そのテーマで話をする場合
もうちょっと付け加えて話をしたくなる。
 
基本的には「返球出来ればどっちでも良い」というスタンスなんだけど
この返球出来る確率を上げる為には、まずはノーバウンドで処理する
ボールとハーフボレーで処理するボールのボーダーラインがちゃんと
作られてないといけない。
同じ足元のボールでもバウンドする場所によって打ち分けをしないと
いけないからね。
そもそもノーバウンド処理とハーフボレー処理と、技術的にも
戦術的にも有効なのはどっちかと言うとノーバウンド処理だ。
相手ショットの威力を利用しやすいし、タッチも分かりやすい。
タイミングもバウンドさせない分、前で取れるからちょっと
早いタイミングで返球出来るしね。
なので、ノーバウンドとハーフボレーとどちらも選べるような
微妙なボールが飛んで来た場合は出来るだけノーバウンドを
選んでもらいたい。
で、ノーバウンドで取れないくらい前にボールが落ちた時には
ハーフボレーの選択をする・・・という考え方がまずベースに
あって欲しい。
となると、ノーバウンドかハーフボレーかの判断力を養う為には
その前に相手が打った瞬間、そのボールのバウンドがどの辺りに
なるのかというバウンド地点を見極める力も必要ってことだね。
 
基本的にはノーバウンド処理の方が有効ではあるんだけど、
何でもかんでもノーバウンドって訳でもない。
例えばとっさにネット際へドロップボレーを落としたい時には
わざとノーバウンド処理出来るボレーをハーフボレーに切り替える
こともある。
足元ノーバウンドのボールをドロップボレーするよりも
ハーフボレーの方が明らかにボールの勢いを殺しやすいからね。
となると、ボレーにいる時はノーバウンドで処理するための
前の打点と、あえてハーフボレーにして殺す為の後ろの打点、
二つ用意されていることが必要になるってことだね。
でも打点を前後に2種類用意することって、ローボレーに限らず
他のボレーでも必要なんだよ。
例えば打点を前で取ればクロスにボレーしやすいし、ちょっと
遅らせれば逆クロスに流しやすいし、いつも取っている打点よりも
急に大きく前へ打点を変更すると、タイミングが超早いポーチ系の
ボレーになる・・・といった感じ。
打点を複数前後間の中で用意しておいて、とっさに使い分ける
という技術は戦術面でも必須アイテムなんだよ。
 
ということで「足元にボレーが来たらノーバウンドかハーフボレーか」
という話になったら、俺はこう答えるね。
「選べるなら基本的にノーバウンドでボレー。でもハーフボレーという
選択肢も常に持っておくこと。」
それをするためにはバウンド地点の判断力、状況を読める力、各ボレーの
特徴の把握、打点を複数用意しているかが重要になる。
特に足元のボレー処理の苦手な人って、共通しているのが
「ノーバウンドで処理する方がお得」って考えを持っていないこと。
迷った挙げ句に落としてハーフボレー・・・ってパターンが
多いんだけど、そうなると打点が詰まってネット超えなかったり、
超えてもフワッと浮き過ぎで相手ボレーに叩かれたりするのをよく見掛ける。
たくさん練習しなきゃいけないのは当たり前だけど、ノーバウンドと
ハーフボレーの特徴の違いと優先順位をちゃんと把握して臨むことが
大事なんだよ。
サービスダッシュやレシーブダッシュの時に避けて通れないこの課題、
しっかり頑張ってね!!

ボレー上達はネットプレー心にあり[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/08/26(月) 18:43

とにかくボレーが嫌い!
高校生の頃はそう感じていたし、高校卒業してコーチに
なってからもずっと感じていた。
何とかボレーが出来るようになりたい・・・そう思って
日々練習をしたし、ボレーが上手い先輩コーチの
打ち方を観察したんだけど、手応えは無かった。
 
18歳で入社したそのテニススクールでは毎日朝練を
やっていたんだけど、その内容は大抵「自分がやりたいことを順番で」
という形で行われることが多かった。
俺は苦手である「バックハンドストローク」、そしてもちろん「ボレー」の
練習をお願いして毎朝のように取り組んでいた。
その練習内容は、ボール出しをしてもらってボレーのステップや
打ち方など基礎的なフォームを覚え、そして繰り返し行うことで
身に付けるということ、そして短いボールを出してもらって、
それをアプローチしてネットプレーからのシングルス練習といったもの。
 
でもいくら綺麗なフォームと思われる打ち方でボレーを打っても
ショットにキレがないし、アプローチからネットプレーをしても
抜かれるか、触ったとしてもミスするかして「試合では全然使えない」って
気持ちが膨らむばかり。
「やっぱり俺はボレーの才能がないんだ」
逆にやればやるほど、そう思って自信はどんどん無くなっていった。
 
出口の見えない真っ暗なトンネルを走っている気分だったけど
何とかそこから抜け出したいという気持ちは変わらず持っていたから、
そこで諦めることはしなかった。
幸い、その時は試合での戦績もさほどいい結果を残している訳ではなかった
から、戦績の維持・・・なんかは気にせず、時間をかけてネットプレーに
取り組んでやろうって思ったのだ。
練習方法は何やっても手応えは無かったので、とりあえず1年間、
ボレーは手応えは無いし、技術はショボイままだけど、ネットプレーヤーとして
試合に出続けようって思ったのだ。
サーブはもちろんサーブ&ボレー。
レシーブも出来る限りレシーブダッシュ。
最初にネットへ出られなかったとしても、2発目、3発目でどんどん前へ詰めて
ボレーを狙う・・・というルールを自分で決めて、1年間実行してみたのだ。
それをすることで、ボレーに慣れてボレーが上手くなるかなって思ってね。
 
当然、導入当初、結果はボロボロだった。
安定感が必要不可欠なテニスというスポーツで、どんどんそれと
真逆となるネットダッシュで前へ出まくる俺のテニスは、ミスも増えたし
相手に決められることも多くなったから、戦績が上がるどころか、
それまで勝っていた相手にも負けるようになってしまった
でもだからと言ってネットプレーを止めることはなかった。
だって、元のプレーに戻してまで大事に守るようなテニスじゃないのは
もう分かっていたからね。
「1年間やり続ける」という決心は変わらず、抜かれてもミスしても
毎ポイント、ネットへ詰め続けた。
 
しかし、ボロボロに抜かれながらもずっと続けていると、さすがにちょっとした
手応えが見え始めたんだけど、それは予想していたことと違ったんだよ。
それは何かと言うと、ポイントの取り方。
本来、ネットプレーを覚えたい理由は決めるショットを増やすため。
だからどんどんネットプレーを続けていくと、ボレーで決まるポイントが
増えると思っていたんだけど、実際ネットプレーにトライし続けた結果、
相手のミスでの得点が増えたのだ。
もちろん最初は、相手のミスが増えたこと以上に自分のミスや、
決められるポイントが多かったからあまり気にならなかったんだけど
明らかに粘るのが上手な相手でも、こちらがネットプレーを仕掛けると
ミスの数は増えたんだよ。
 
そういう相手って、こっちもストロークの場合は粘っても、
攻撃を仕掛けてもなかなかミスをしてくれないんだけど、
ササッとネットに詰めると意外と簡単にミスをしてくれたりするし
続けて次のポイントも前へ出ると、その相手はなかなか立ち直れず、
連続ミスをしてくれたりする。
ということは、ネットに詰めるということは、ボレーを決めに行く
ことよりも、相手にミスを促すために出る方が効率はイイという
ことになるし、そうなるとボレーは決めることよりも相手にパスを
抜かせないということを第一に考えておくべきだって思った。
 
しかも「パスを抜かせない」って思うようになると、相手のパスを
打つコースやタイミングを覚えるようになり、コースを読めるように
なっていった。
コースを読めるようになると、相手はよりこちらのボレーを嫌がって
ミスが増えたのだ。
「決める必要が無い」と思うようになると打ち方も変わった。
ブンブンとラケットを振って決めようとしていた以前と違って、面を合わせて
相手威力を利用して返球するボレーになっていったので、打ち方が
コンパクトになり、結果コースを相手に読まれにくいボレーになった。
 
加えて、コンパクトなボレーの打ち方は動き回った時もブレにくいから
ネットプレーでの守備範囲が広がっただけじゃなく、思い切って
前へ踏み込んでボレー・・・なんてタイミングで打てるようになった。
そして、そういう打ち方になって初めて
「うん、この飛びは良い!!」って満足するボレーの手応えを
感じることが出来たのだ。
そうなると結局「決めるボレー」も増えて行ったんだよ。
 
もちろん、ネットプレーを全ポイント思い切ってやろうって思って
すぐにこういう結果が出たわけじゃない。
最初にも言ったように、スタート当初は負けやすくなった。
1年やり通した結果「ん?出続けると相手が崩れやすいな」って
感じられるようになり、またその数年後に「第二次ネットプレーヤー期」を
また1年設けて、そこでやっと打ち方や踏み込み方に変化が出たので
かなり時間は掛かっている。
 
でもその結果、ボレーが上達するにはボレーの練習だけじゃダメって
ことが分かったのだ。
ボレーを上達させるには、ネットプレーヤーの真の目的を理解し
ネットプレーの本当の効果を分かっていないとボレーの技術って
進歩しないんだね。
それから、俺はボレーが苦手なんじゃなくて、ネットプレーヤーの気持ちが
分かっていなかっただけってことも判明したしね。
皆の中にも「ボレーが上手くなりたい」と思って、ひたすら
ボレーのフォームチェックと決めるボレーの練習をやっている人がいたら
現在の中途半端な段階でどんどんネットプレーをトライすることをオススメする。
ネットプレーは技術じゃなくて、キャラクターで戦うんだってことが
分かるはずだよ。

ボレーストローク用のボレー[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/03/06(水) 23:59

ボレーストロークの時、ちゃんとボレーストローク用の
ボレーを練習している?
そもそも、この二つが全然違うって分かっている?
じゃあ、試合中にボレーボレーの状態になったら、
どういうボレーを心掛ける?
相手の勢いでガンガン押し込んだり、足元狙ったりして
ミスさせたり、浮いた甘い返球を誘ったりするでしょ?
では試合中のボレーストローク状態ではどうだろう。
もちろんボレーボレーでも使うネット際への短めのボレーも
使うんだけど、基本はベースラインにいる相手を更に
後ろへ下がらせる目的が加わってくる。
ボレーボレーの時は相手を後ろへ下がらせようなんて、
ロブでも使わない限りないもんね。
 
じゃあ相手を下がらせるボレーとはどういうの?
自分の方が今ベースラインプレーをしている時に思わず
下がってしまう場合を想像してみよう。
下がりたくなる要素として一番は深いショットだよね?
深いショットはそれだけ有効なショットではあるんだけど、
その分失敗のリスクも伴う。
となると、他のやり方で下がりたくなる要素は何なのかと
言うと、それは高い弾道なのだ。
相手が弾道を高くするとついついそれを見て下がってしまう。
 
一番分かりやすいのはストロークどうしのラリーの時かな。
相手が高々とロブのようなショットをストロークラリーで
打ってくると、こっちもしっかり下がって打ちたくなるでしょ?
高い弾道のショットは高く弾む。
高く弾むから下がって対応したくなるのだ。
だからそれをボレーでも当てはめることが出来る。
しかも滞空時間が出来るわけだから、相手にボールが渡るまで
時間が掛かるんだけど、その長い時間の間により良いボレーの
ポジションを作ることが出来るし、フェイクなんかも混ぜられる。
ストロークを打とうとしている相手選手はゆっくりだからボールには
追いつきやすいけど、ポジションは下がらされてしまうし、下がらされ
ながら相手のプレッシャーを受けないといけないのだ。
ボールがゆっくりの分だけしっかりとしたスィングでパスを
打たないといけないから、コースも読まれやすかったりする。
そういったことを警戒していると焦ってしまい、結局ミス・・・という
パターンに陥りやすのがこの高い弾道のボレーの狙いでもある。
 
そういったパターンを作るためにも、普段のボレーストロークの
練習では、弾道を高くした滞空時間のあるボレーで練習して
おかないといけないし、そういった弾道を使うにはポジションも
ちょっとネットから離れてボレーを練習しておかないといけない。
ネットに近い場所でボレーする時は叩きつけたり、
ショートアングルで角度つけたボレーの方が有効だからね。
ネットから離れ気味で弾道高いボレーのボレーストロークを
普段からしっかり練習しておこう。
 
でもそんなのんびりフワッとした弾道高いボレーが試合で
役に立つのか・・・って思うかもしれないけど、逆にボレーが
苦手な人のボレーミスの要因は何かと言うと「決め急ぎ」でしょ?
早く決めなきゃって焦るあまり、ネットに叩きつけたり、逆に
飛び過ぎてアウトしたり、ネットに近づこうとし過ぎてステップが
合わなかったり・・・と、とにかく「決める」ってことばかりが
頭にあることが逆にマイナスとなっている。
もちろんチャンスは決めなきゃいけないけど、アプローチなり
サーブ&ボレーなりで前へ出てきて最初の1stぼれーは
大抵一度相手をどこかへ動かしてから打たさないと
いけないことが多い。
そんな時には、弾道高めのしっかり深いボレーを打って
下がらすことが出来るようにしておきたいもんだね。
 
ボレーストローク用のボレー、それは打ち合っている
ストロークの選手が段々下がりたくなるボレーなのだ。

秘密兵器 ピョンピョンボレー![てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/03/03(日) 09:37

テニスコーチとして就職したのに、当初ネットプレーが
全然出来なかった。
バックハンドストロークも、サーブも入らなかったけど、
とにかくネットプレーは酷かったね。
初級のクラスの生徒さんとはなんとかボレーストロークは
出来るんだけど、上級クラスなんかになると生徒さんの方が
鮮やかなボレーをしていたくらいだから。
 
それから2年後、20歳の時お金を貯めて車を購入した。
念願のマイカーは俺の行動範囲を大きく変えた。
休日には車でナショナルのコートへ選手の練習を
見学に行くことが多くなったのだ。
今は無いけど、東京の久我山にはナショナルの練習コートが
あったからね。
ナショナルとは日本のトップクラス、言わば全日本代表の選手の
ことで、当時は松岡修造選手、本村剛一選手、鈴木貴男選手、
伊達公子選手など、そうそうたるメンバーが練習していて、そんな
選手達の練習を休みの日の午前中は見学していた。
 
彼らの練習は黙々と地味なラリー練習をやり続けるんだけど
そのイメージを自分の頭の中に植え付けたい俺としては、同じリズム、
同じフォーム、同じ弾道でずっと打ち続ける彼らのラリー練習は最高の
デモンストレーションとなった。
当然どのショットも最高に素晴らしくて、全てを参考にさせて
もらったんだけど、特にネットプレーは俺にとって重要な課題だから
目を思いっきり見開いて見学したもんだ。
テニスコーチをやっていると、スプリットステップやって、どっちの足を
踏み込んで・・・みたいな教科書通りのボレーノウハウだけは
頭に入っているんだけど未だボレーレベルは相変わらず初中級って
感じだったからね。
 
で、そんなトッププロ選手達のボレーストロークのボレーを観て
その時色々感じたんだけど、その中でも一番印象に残っているのは
「ピョンピョン跳んでる!!!」って感じたことだった。
ボレーストロークやっているボレーの選手がなんだかずっと
ピョンピョン跳ねながらボレーをしているように見えてしょうがなかった。
ピョンピョン跳ねながらのボレーなんて、自分の周りにいた選手や
コーチにはいなかったし、その姿があまりに思い描いていた
テニス選手の華麗な動きと掛け離れていて違和感を覚えたほど。
だって、俺の周りにいた上手い先輩選手やコーチなんかは
華麗で優雅なボレーを見せてくれていたからね。
そんな先輩達はピョンピョン跳ねてなかったんだよ。
 
で、なんでピョンピョン跳ねていたかと言うと、それはショットの
速さだった。
ストロークの相手がボールを打つ瞬間、当然ボレーヤーは
スプリットステップで軽くジャンプしながら両足を地面に
着地させるんだけど、相手のストロークのショットがムチャクチャ
速いから、あっという間にボレーヤーにボールが届く。
だけど、ストロークからのボールが速くても彼らトッププロの選手達は
ボールをしっかり迎えにいきながら毎ショットしっかり
両足でステップを行い、踏み込んでボレーしていたんだよ。
しかも右足も左足も両方ちゃんと動かして打つんだけど
その両足の動かし方がまた速いから、まるで
両足同時に動かしているように見えたのだ。
 
結局、スプリットステップは両足だし、その後の打つ
ステップも両足で行ってるように見えるし、打ち終わったあとに
また構え直すのも素早く両足を動かして行う。
そしてそれがムチャクチャ速いボレーストロークのラリーで
ミスせず淡々と繰り返されると、結果ピョンピョンと
跳ねながらボレーしているように見えたのだ。
 
そこで覚えたピョンピョンボレー、実際に自分の練習に当てはめると
これがビックリするほどいい手応え。
ボレーはタッチがとても重要だけど、ステップがちゃんと
出来ていないとその分、腕の動きで誤魔化さないといけないでしょ?
逆に言うとステップがきっちり出来ていればかなりシンプルな
ボレーのタッチだけで済むってこと。
ピョンピョンボレーに出会う前の俺のボレーは、とにかく
足を動かさないで腕を一生懸命振りながらボールを
飛ばしていたからね。
 
試合ではそんなに連続してボレーを打ち続けることって
ないから、どうしても普段はピョンピョンボレーって見られない。
プラクティスじゃないとなかなか無いからね。
車を購入して久我山のナショナルのコートへ通わないと
ピョンピョンボレーには出会えなかったわけだし、出会って
無ければ、今頃俺もまだ初中級ボレーのままかもね。

陥りやすい誤魔化しボレー[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/10/31(水) 10:54

たくさん練習をして、たくさんボールを打てば
テニスは上手くなる。
でも、上手くなるだけじゃないんだよね。
誤魔化すというテクニックも身に付いてしまう。
それが特に出やすいのがボレーだ。
 
ストロークに比べて相手との打ち合いのリズムが早くなる
ボレーは、どうしても準備が中途半端になって、間に合わなく
なる場合が多いんだけど、それをたくさん練習で経験していると
段々、ラケットを持っている腕だけを動かして誤魔化す打ち方に
なりやすい。
本来なら、フォアに来たらフォア側に、バックに来たらバック側に
軸足を設定して骨盤と膝で体の向きを作るんだけど、まだボレーに
自信がなくて、とりあえず相手コートに返球することだけを考えて
プレーしている人なんかは、とにかくラケットを持っている腕だけ
動かして面を作るような打ち方を最初に覚えてしまいやすい。
腕だけ動かして面を作っているもんだから、フワッと浮いた
チャンスのボールが来ても、腕だけで後ろへラケットを引いて、
腕だけで打ってしまい、大振りになって振り遅れたり
体の向きが作れていないから回転も不十分で到底コントロール
出来ない打ち方となってしまう。
 
そういった腕だけ動かして打つボレーをしている人は、
当然正面向きでボレーするので色んな特徴が出てくる。
まずは、厚いグリップでしかフォアボレーが出来ない人。
厚いフォアハンドストロークのようなグリップだと、正面向きのまま
相手コートに面を向けられるから、ついつい使ってしまうんだけど、
ストロークを打った後にグリップチェンジしてボレーが出来ない
人もこういう誤魔化しボレーになる場合が多いね。
でもこういう打ち方はネットにドン詰めしないとボレー出来ないし
色んなコースに打ち分けしにくいし、なによりバックボレーが
全く打てない打ち方なんだよ。
 
ちゃんとボレーのグリップで握っていながら、腕だけの準備で
ボレーをしてしまう人はどういう特徴があるのかというと、
ラケットヘッドがダウンしてしまう打ち方のボレーになる。
ボレーの薄いグリップは横向きの体を作って初めて、打ちたい方向へ
面が向くから、そのまま正面向きだとどうしてもクロス方向にしか
面が向かず、結局ラケットヘッドを落として面の向きを調整する
誤魔化しテクニックを使わないといけなくなるのだ。
もちろんそんな打ち方だとちゃんとアンダースピンが作れず
サイドスピンのボレーになるので、ボレーがフワッとなって
伸びが無くなるし、ヘッドダウンのボレーは食い込まれやすいから
打点を前にしにくい。
何とか相手コートに安定して返球は出来るけど、ホントに
ただ返すだけだし、打点が食い込まれるから徐々にストロークから
圧されて結局やられる・・・なんてパターンになりやすい。
 
とにかく腕って器用だから、相手ショットに反応したと同時に
動いてくれるんだけど、先に腕が動き始めると肝心な足腰が
ウンともスンとも動かなくなってしまう。
反復練習の中で是非とも、反応した後は軸足の設定とそれに
伴った骨盤と膝の動きを最初に行って、その後に初めて
ラケット持った腕が動く・・・というパターンを覚えてもらいたい。
 
しかし・・・やっぱりボレーボレーやむちゃくちゃストロークが速い
相手のショットを受けていると、どうしても正面ボレーで誤魔化さないと
いけない時もあるんだよね。
そういう時に、実は誤魔化しテクニックのボレーが役立つ。
だから決してそれまで覚えた誤魔化しボレーが役に立たないって
ことはないんだよ。
でもそれはあくまでも余裕がない緊急事態の話であって、
そういう状況の時以外には、ちゃんとしたボレーを使えるように
しておいてもらいたい。
厚いグリップで正面ボレー、ラケットヘッドをダウンさせてサイドスピンの
食い込まれ気味の正面ボレーばっかりしている人は、そのボレーで何とか
誤魔化しながら返球出来ているかもしれないけど、
もうちょっとちゃんとしたボレーも覚えようよ。
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