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こんなやつとは練習したくない。[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2014/04/08(火) 11:34

こんなやつとは練習したくない。
 
ラリーが全然続かないやつ。
技術的に続けられないのも問題だけど、それよりも
決めようとし過ぎてミスばっかり。
続けようとしろよ。
こっちの練習にならないだろ。
 
すぐ怒るやつ。
自分のミスにも怒るし、風が強いとかイレギュラーしたとかって
いちいち感情的になってイライラする。
挙げ句の果てにこっちのナイスプレーが続いたことに怒ったり。
真剣に取り組んでいるのは分かるけど、はっきり言って迷惑。
ちゃんと自分をコントロールしろよ。
 
体力無いやつ。
練習ってやっぱりハードにやりたいし、試合のことを考えると
3時間以上はやりたいんだけど、それがもたないんじゃあ
後半グダグダになる。
技術の向上ばかりに目を向けている場合じゃないよ。
ちゃんと普段から走っておけ。
 
頭使わないやつ。
練習ってある程度相手の事も考えて練習しないとダメでしょ。
自分だけの練習じゃないんだから。
練習メニューにどういう意味があるのかちゃんと理解してもらわないと。
それからテニスというスポーツ自体、頭使わないと成長しないしね。
 
志が低いやつ。
「どうせ俺なんて」って気持ちのやつと一緒に練習してると
すぐに諦めるし、改善しようとしない。
妙に冷めた空気持ち込んで、練習の雰囲気も壊れてしまう。
有頂天になっているやつも困るけど、自分の成長を信じていないやつは
一緒に練習したくない。
決めてもヘラヘラしているやつにはライバル心が湧いて来ないしね。
 
試合に出ないやつ。
強くなりたいって思っているけど、試合に出場して負ける事を
恐れているんだよ。
「強くなったら出よう」って言ってるけど、試合に出場しないまま
自分が納得するまで本当に強くなれるのか?
そういうやつはマッチ練習もやりたがらないし、派手な一発強烈ショット
ばかりを練習しようとしている。
でも、そもそもそんなシンデレラストーリーはテニスの世界に存在しない。
いい加減、逃げ回るのはやめにしろよ。
 
こだわりのないやつ。
ラケットとかシューズとか、練習中に着るウェアとか最低限
こだわって欲しいよね。
とくにガットが切れそうなラケット1本しか持って来ていなくて
「切れたら貸して」なんて言う練習相手はうんざりする。
しかも貸してあげた俺のラケット、全然違うタイプなのに結構
打ちやすそうに使いこなしたりするし・・・。
ズルズルに滑るシューズでこけまくったりしているのに、また
次も同じシューズ履いてくるなんてタイプもいるんだよ。
向上心があるのなら最低限で良いからこだわろうよ。
プライドを見せろ。
 
テニスが好きじゃないやつ。
テニスの楽しみが分かっていないやつとは練習したくない。
テニスの楽しみとは、相手選手と打ち合うこと。
自分自身をコントロールすること。
粘ったり考えたり、どんな状況で自分自身を信じ抜くこと。
そういった様々な要素をちゃんと理解したうえで、それを
試合という本番にぶつけて結果を出そうとすること。
 
強い選手の共通点って、やっぱり練習相手が豊富なこと。
テニスをちゃんと好きになって、色んな人の練習相手に
選ばれるように。

テニスが成長しやすい性格、ダメな性格[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2014/04/01(火) 02:25

自分を分析するのは難しいけど、周りからはどういう
人間に見られているかというと、「おっとりしている」とか
「まじめそう」とか言われる。
ま、ちょっとこちらに気を遣っていると思うんだけど、
確かにそういう一面はあると自分でも思っている。
でも実は「おっとり」とか「まじめ」って周りとの衝突や
トラブルを避けて、物事を円滑に進めたいという気持ちの
顕われで、実のところ本当の性格はかなり怪しいかな。
だってよく知っている人からは「毒舌」とか「適当」なんて
言われるからね。
 
でもこの「毒舌」とか「適当」っていう面もプラスに考えている。
「毒舌」なんて、言った相手には失礼ではあるけど自分の
思った事を包み隠さず伝える事だし、「適当」なんてのも、
人生において多くの事に取り組まないといけないことを
考えると必須アイテムでしょ。
もちろん全てが適当ではマズいけど、適当にこなす代わりに
バランス良く全体に目を光らせられるようにすることが
かなり重要となると思っている。
でも「おっとり」とか「まじめ」、「毒舌」、「適当」という
色んな要素を持っているのって俺だけじゃなく、大抵の人が
そういう色んな一面を抱えているんじゃないかな?
大事な事はその割合なんだよ。
そしてもう一つ重要なのはそれらを使い分ける自分自身の
コンディションなんだよね。
「まじめ」と「適当」を場面によって使い分ける自分という
本体がちゃんと機能しないとダメだってこと。
 
これまでのテニス人生において、そんな自分自身の
コンディションが最悪になる事はしばしばあった。
何度かそういう辛い時期を経験したけど、その中でも
「これはキツかった」
というのは初めてスペインに行った24歳の時。
そもそも「スペインに行けば俺は強くなるかも」という
安易な気持ちだったのも原因の一つではあるが、とにかく
1年間滞在した最初の半年はどんどんテニスのレベルが
下降していくという悪夢のような半年間だった。
 
思っていた以上に練習が厳しく、スタートしてすぐ怪我に
見舞われしまったうえに、ホームステイ先では言葉の壁。
テニスだけやってりゃ良い訳でなく、銀行に行って口座を
作ったり、役所に行って滞在の手続きに翻弄したり・・・。
日本のエージェントとのやり取りやお金の問題も気に掛かる。
結果が出ないからコーチから「トモはそっちのクラスで」って
13歳くらいの子供のクラスに落とされる。
俺は24歳だぞ!何やってんだこんなスペインまで来て!!
そんな状況でこそ自分自身をコントロールして「まじめ」と
「適当」を使いこなしていかないといけないのに、
その時、それが全然出来なかったのだ。
 
テニスはもちろん一生懸命、トレーニングも一生懸命。
でも自分のテニスには絶望状態。
夢膨らませてスペインへ上陸したのに、今の俺はなんて
ザマだと自己批判するうえに、落ちていく自分を恥ずかしいと
思う気持ちさえも芽生えていた。
そんな状態で「毒舌」という部分の自分を出すとそれは単なる
悪口や過剰な被害妄想の人間にしかならない。
下のクラスのコーチの言っている事をちゃんと素直に
聞けないこともあったし、自分のテニスを棚に上げて
練習相手のテニスにケチ付けたりしたしね。
日本から多くの人達が応援の励ましメールをくれたんだけど
「俺の状況を知らないで気楽に『頑張れ』なんて書かないで」
なんて返信してしまったこともあった。
 
そんなスランプから抜け出すキッカケは何だったろう。
半年経って、やっと身体が慣れて来たことと、友人も増えて
テニス以外に気持ちを向けられるようになったこと、
コーチや選手達とも絆が出来てきたこと、ちょうど
他のアパートに空きがあってホームステイを抜け出したこと、
年末で多くの選手が母国に帰って、残ったスペインの強い地元選手と
練習する機会が増えた事・・・とちょうど色んな好条件が揃って
やっと落ち続けていた自分のテニスが上向いて来た感触を覚えた。
それからは心身共に余裕を多少なりとも感じることが出来て、
自分自身をコントロール出来るようになっていったのだ。
 
結局、まじめに取り組んでも自分の可能性を自分自身で
疑ったり否定していては意味が無いし、自分の素直な部分も
ただ愚痴を言ったり人を責めたりするようなことに繋がっては
危険ということをこの半年間で学んだ。
じゃあ最初から自分をちゃんとコントロール出来ていたら
半年間のスランプはもう少し短かったかもしれないが、
もしかするとそれでも変わらず、やっぱり同じ半年間
苦しむというパターンかもしれない。
ただ大事なのは、テニスにおいても他のことでも、こういう
どうあがいても頑張っても結果が出ないでドンドン落ち続ける、
そんな時期があるという覚悟で臨まないといけないってことだね。
辛い時期でも自分を信じ続けながら、コツコツと出来る事を
こなして良い流れがまた来るのを待つ・・・ということが出来ないと、
結果の出ない悲惨な自分の姿に対して感情的となり、
周りの人達を気付かないうちに傷つけてしまっていることもある。
 
とにかく自分がどういう人間かは簡単には分からない。
でも複雑で色んな要素によって成り立っているのは確かだから
それらをきっちり場面によって使い分けられる「自分」という
本体を、どんなキツい状況下でも正常に動かせられるように
したいもんだね。
あぁ、応援メールに対して感情的な返信をしてしまったことは
未だに悔やまれる。
 

器用な選手、不器用な選手[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2014/03/14(金) 15:02

器用な人はテニスが上手い。
自分よりも強い人のテニスを見たらすぐに真似出来るし、
複雑な身体の使い方も難なくこなしたりするし、新しい
ことの導入も上手いしね。
打つ瞬間も、色んなコースを思い浮かべたりして
あらゆるパターンを用意したりする。
じゃあ不器用な人はテニスが下手か・・・と聞かれると
面白いことにテニスってスポーツはそうでも無いんだよね。
不器用だからこそ、決められたことをとことん貫いて
無心になってプレー出来たりする場合がある。
色んな選手見て来たけど、結構「あの人って不器用だな」って
感じる強い選手もいっぱいいるもんだ。
なので器用とか不器用って、実はそんなに気にすることでは
ないのかも。
 
でも器用な選手と不器用な選手は、プレーのスタイルや
打ち方に多少の違いが出てくる。
器用な選手の方は配球のパターンが多く用意されていて
その中での使い分けが激しいことが多いし、打ち分けが
激しい分、打ち方もコンパクトで柔軟な打ち方になりやすい。
不器用な選手は、何度も同じパターンに持ち込んで同じプレーを
繰り返しながら試合を進めることが多いから、得意ショットは
終止しっかり打ち、苦手ショットは常に控えめな対処の仕方と
いうふうに、決まった形となりやすい。
だからテイクバックの構え方から打点、打ち終わりの形まで
決められている分、しっかりとした大きめのフォームで打つ
印象がある。
 
でも器用な選手と言っても、上には上がいるわけだ。
「器用だね!」とか「運動神経抜群!」と幼少の頃から周りに
言われ続けても、勝ち上がって上の選手と対戦すると、
自分の甘さは嫌という程見せ付けられる。
そうなると、器用と言われていようが、不器用なタイプの選手と
同じパターンを我慢して続けながらちょっとした隙を
見付けてから突いたりして、相手が精神的に揺らぐのを待つ
テニスをしないといけなくなる。
不器用な選手もそうだ。
「俺、不器用っすから・・・」なんて雰囲気でずっと我慢の
テニスを続けると相手が根負けしてミスをしてくれることも
多いんだけど、当然ミスが続いた相手はそれに気付いてまた
建て直してくるに決まっている。
そこで立ち直る前に、まだ崩れた状態の相手に対して追い込みを
かけるようなプレー・・・例えばネットに出るとか、ストローク
ラリーのコースをどんどん換えて揺さぶってみるなんかの
ちょっと先手で仕掛けるプレーを混ぜ込まないといけない。
いつもどんな時も「不器用なんで・・・」なんてことを
言っていると勝機を逃してしまうことがあるんだよ。
 
となると、ある程度自分は「器用」なのか「不器用」なのか
を知っておくことは大事だけど、結局は器用なテニス、
不器用なテニスの両方をちゃんと出来るようにしておかないと
いけないってことだ。
器用なタイプも我慢しなきゃ行けない場面は黙々と地味な
プレーをするし、不器用なタイプも攻めるべきところは
ちゃんと行動を起こすってこと。
どちらのタイプであっても、どちらのプレーをしないとね。
 
日本でも世界でも色んなトップ選手を見て来たし、実際
一緒にプレーしたり話をしたんだけど、器用な選手でも
有頂天にも天狗にならずに、でも自信とプライドは
保つという素晴らしいバランスを持っていた。
不器用なタイプのトップ選手も自分のやれるべき事だけを考え、
その中でどうやって戦って行くかを冷静に見つめながら
自信を醸し出していたし、どこかのタイミングでその不器用なん
だけど現在の自分の枠を思い切って広げる行動をハードな
トレーニングやフォーム改善、プレースタイルの変更などで
行っている。
 
器用であろうと、不器用であろうととにかく今現在の
自分の立っている場所を認める事と、そこからまた更に前へ
一歩踏み出さないといけないことを知っていないと行けないし、
その一歩は器用も不器用も歩幅は変わらない訳だからね。
で、俺はどっちのタイプかって?
うーん、器用なタイプだと思うんだけど、それは完全に
30歳過ぎてからそうなったと感じている。
そして今でも前へ進もうとしているよ。

テニスの上達で一番大事なこと[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2014/02/19(水) 18:27

熊本と大分で部活支援活動のテニスレッスンを行った。
子供達にテニスをもっと上達してもらうことで、より
テニスを好きになってもらいたいと思ってこの活動を
全国で行っている。
 
でもテニスが上達するってことって何だろう。
そこの答えがハッキリしていないと意味が無い。
ショットのスピード?
コントロール?
戦術だろうか?
色んな上達要素があるんだけど、一番はこれだと思う。
「頭が良くなる」
これに尽きる。
 
とにかくテニスは色んなことに頭を使わないといけない。
身体の使い方、相手の観察、パターンの読み、それまでの出来事
今後の予測、ボールの見方、風向きや太陽の位置、もちろん
自分の現在状況・・・・などなど。
もちろんこれだけ色んなことをいっぺんに考えるのは難しい。
でも無意識でも必ずこれら全てを通して導き出された答えを
ショットにぶつけることが出来れば当然結果は大きく違ってくる。
いくら一日8時間練習をし続けても、何も考えない人は
ある程度は上手くなるだろうが、そこから先には進めない。
とにかく「頭が良くなる」とはそういうことなんだよ。
 
自分自身も今までのテニス人生を振り返った時、上達前の
20歳頃の自分のテニスと現役最後の32歳のテニスを比べると
明らかに違うのは「考える力」なんだよね。
決断するためには情報やデータを元に答えを導きだして
プレーしている。
もちろん経験量の違いで答えの正解率は違うだろうが、
考えて導いた答えは根拠がハッキリしているから、間違ったと
しても反省しやすいし、何より自分自身を信じる癖が付く。
 
じゃあ頭を良くする為にはどうすれば良いか。
「頭を使え!!」
俺もよく高校生や中学生に向かって叫ぶことは多いけど、
そう言うと「はい!」って元気よく返事をする彼らは
さほど変わらず考えないプレーを続けてしまうことが多い。
頭を使う為にはまず考えてもらわないといけない。
考えてもらう為には・・・そう、質問をぶつけること。
「今は何がマズかったの?」
「現在、どういう状況なの?」
現状を考えてもらい、それが分かれば次に取るべき答えの
行動が見えてくる。
「次は何をやればいいの?」
そしてその答えが合っていたのかどうか。
「さっきの作戦で良かったの?」
「もっと他の方法は無かったの?」
 
時間は掛かるけど、こういった質疑応答のやり取りが無いと
考える癖が付かない。
でもこういった問い掛けにちゃんと答えられるようになり、
しかもその答えが的確になってくれば、必ずそれは試合中の
苦しい状況を乗り越える力になってくれるし、勝敗の分かれ目
でも力を発揮してくれるはず。
そして更に考える力が付いて来たら、ラリー中の一本一本の
ショットにも判断した結果もたらされた「考え」が上乗せされ
それが質にもコースにも反映されるくらい、スピードアップ
した頭の回転が手に入る。
いわゆる状況判断力。
試合が終わっておうちに着く頃になって
「あの時、こうすれば良かった」なんて悲し過ぎるからね。
 
でもね、こういった勉強とは違う頭の良さは
テニスの結果に結びつけてもらいたいのはもちろんなんだけど、
本当はこれからの人生に活かしてもらいたいんだよ。
今の自分の状況をきちんと理解し、今これから何をしなきゃ
いけないか、そしてそれによって出された答えを信じて行動し、
それが合っていたかをすぐに反省し直して、また更に次の行動を
導きだす。
テニスは何ポイントも積み重ねないと勝利は来ない。
だからナイスショットで決めたとしても、またすぐ次の
プレーを考えないといけないし、勝ったとしてもまた次の
相手が待ち構えている。
テニスで考える力を培って、人生もしっかりと前へ進む力を
養ってもらいたい。
 
慣れてくると自分が自分に「現状はどうなの?」って
冷静に聞いてくれるようになるんだけど、まだまだ中学生や
高校生はそうもいかない子が多い。
顧問の先生や上級生がそういった質問を皆にすることによって
部員皆が考え、答えを導き、その結果を反省してまた次の答えを
生み出す・・・そういう環境を作り出してもらいたい。
そして答えを出した者は、その言葉を信じて責任ある行動を
とってもらいたいものである。

勝つ方法を述べよ[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2014/01/05(日) 17:16

今から自分よりも少しレベルの高い対戦相手との試合が始まります。
この試合が終わった時、あなたはどうなっているでしょう?
ではちょっと質問の仕方を変えるよ。
今から始まるこの試合が終わった時、あなたはどういう状態で
いたいですか?
そう言われると、「もちろん勝利を喜んでいたい」と答える人が
殆どだろうね。
「負けた方がいい」なんて思う人はいないと思う。
 
じゃあ更に質問を続けるよ。
勝利を決めたその時、あなたのプレーはどういう状況でしょうか?
理想を言えば「かっこ良くビシッと決める」という勝ち方で
試合を終わらせたいと思うだろうが、少し上のレベルから金星を
挙げるという今回のような場合はそういうカッコ良い終わり方は
あまり期待出来ないね。
我慢して我慢してもがき苦しんだ結果勝利を掴む・・・という
内容じゃないと格上には勝てないでしょ。
じゃあ自分が勝利を決めたそのプレーの時、相手のちょい格上の
選手はどういう状況だと思う?
自分よりもレベルが高い人が負ける状況に陥っている
訳だから、調子は完全に落としてしまっているはず。
崖っぷちに立たされている訳だから、焦りや苛立ちなんかも
プレーに現れている可能性もあるね。
 
ということはだな、試合が始まる時
「この試合勝って終わりたいんだ!!」って思ったら、
試合の最後は「我慢テニス」をし続ける自分と、
上手く行かなくて「イライラテニス」をする相手との
試合内容に持ち込んで行けば良い訳だ。
では、相手の「イライラテニス」はどこで発生させよう。
格上がイライラする時の法則として考えられるのは、
「粘り抜く」ということと、「したたかな攻撃」である。
「粘り」は簡単。
ただ繋いでおけば良いのだ。
だが「粘り抜く」というのは、追い込まれた時にきっちり
逃げ切る力のこと。
ある程度、カウンターショット的鋭さは欲しい。
例えばロブで逃げるのが上手だったり、スライスできっちり
サイド左右を狙ってボレーを狙う相手の足下に沈めたりする
なんて力を持っていると、地味なショットなだけにイラッと
してもらいやすい。
「したたかな攻撃」とは「このポイント欲しい」「重要な局面」
というところで、意外にも思い切った攻撃を仕掛けること。
強いハートと冷静な判断力を持っていることをアピール出来る
ので不気味なんだよね。
そこでポイント取れば大事な場面だから嬉しいし、試合の流れも
大きく左右される。
 
そしてテニスは節目がたくさんあるスポーツ。
まずは1ゲームというミニゲームをやって、それを6勝すれば
1セットでしょ?
ということは、ゲーム毎に「重要な局面」が出てくるので
そこで「したたかな攻撃」を見せるチャンスだし、それ以外は
「粘り抜く」プレーを見せるチャンスだ。
それを繰り返しながら試合後半にもつれることが出来れば、
後半は更に1ポイントの重みが増してくるので大きく相手の
心理状態もきつくなっていき、そして最後は相手が大きく崩れる
キッカケになるのである。
 
試合に勝ちたいと思う人は、最後自分自身がどういうプレーを
して勝利を掴むのか、その時相手選手はどういう状況になって
負けているのか、そしてその状態にさせるにはどの場面で何を
すれば良いのか・・・までを考えておかないといけない。
もちろんそれが自分にとって無理難題だと成功する気が起きないから
自信が持てなくなるし、簡単すぎれば相手にダメージは与えられない
から、その通り出来ても勝利は得られない。
その辺りの設定と、もちろん仕掛け方の内容は経験を積みながら
磨かなきゃいけないんだけど・・・。
でも一つ言える事は、こういう考え方で試合の臨むと、勝った時に
「勝利の方程式」が見えてくるし、負けた時にも何が良くなかったか
反省しやすいので分かりやすい。
「勝ちたい!」って試合前に思うんだったら、勝つまでの道筋も
見えておかないとね。
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