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お蕎麦屋ホームステイ[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/06/14(木) 13:25

現役の頃は月に2大会くらいのペースで
大会に出場していた。
大会はだいたい月曜日からスタートして決勝は
土曜日というパターン。
だからずっと勝ち残るとその分もらえる賞金は
多くなるけど、宿泊費などの滞在費もかかるんだよ。
賞金額が低い大会なんか、早めに負けてレッスンに
戻った方が良いくらい。
 
それでもランキングを上げるためのポイントを
上げるためにも、選手としてのプライドのためにも
出場し続けなきゃいけない。
その代わり、いかに滞在費を低く抑えるかが大事に
なってくる。
家から通える範囲の大会、これが一番だね。
宿泊費が掛からない。
でもそういう考えを持っている人って多いから、けっこう
参加選手が多くなって賞金の割にはレベルが高かったり
してしまう。
そこで狙い目の地方の大会に行きたいんだけど、
そうなると宿泊費が・・・。
 
選手の中には車中泊で頑張る人もいたけど、俺は
どうも夜中外が気になって眠れなかったこともあり
遠征中の車中泊は一度はやったけどダメ。
インターネットカフェで泊まってみたこともあるが、あれも
24時間営業だから当然24時間誰かが周りをウロウロ
していて眠れなかった。
そんだけ気を遣うんだったらちゃんとホテルに
泊まってぐっすり眠り、美味しい朝ごはんをそこで
食べたほうが身も心もリラックス出来ていい結果も出る。
宿泊費ケチッた代わりに戦績悪かったら意味ないからね。
 
でも何かいい方法ないかなって思って、よく遠征先が
決まったら色んな知人にダメ元で
「俺を泊めてくれる家、無いかな・・・」って聞いたもんだよ。
そうするとたまにあるのだ。
そうやって知り合いに紹介してもらって、大会期間中ずっと
泊めてもらってご飯までご馳走になることも多かった。
そういうのは本当に助かりました。
 
その中で一番印象的だったのは、山梨県のお蕎麦屋さん。
山梨で大会に出場するときには、知り合いに紹介してもらった
そのお蕎麦屋さんに毎回泊まらせてもらっていた。
年数回開催している山梨のその大会は、良質のクレーコート
だったから、俺の得意なサーフェイスだったし、大会運営も
きっちりしているからとても気に入っていた。
加えて、宿泊もまかないも完備だから精神状態も身体も
最高な状態が維持出来たから、毎日しっかり良いプレーを
することが出来たんだよ。
 
試合は朝からスタートするので、だいたい午前中には
終わってしまう。
午後からは練習とトレーニングをやるんだけど
5時頃には終わるから、それからお蕎麦屋さんに帰る。
そうすると「おーい、これ食っとけ!」といきなり
打ち立て茹でたてのおろし蕎麦なんかを食べさせてもらい、
一息ついたらお店の手伝い・・・というパターン。
皿洗いとかお客さんに料理を運んだりと、働くのだ。
でもそういうことは楽しかったし、その後にまたドーンと
ご馳走を食べさせてもらえたから、手伝いは苦じゃなかった。
むしろ、それがあるから心置きなく泊まらせてもらえた。
 
そんな環境もあって、選手生活の中での戦績は
この山梨での大会が圧倒的に良い。
優勝2回、準優勝も2回。
ただ、夜はそのお蕎麦屋の古民家に独り取り残されるのが
怖かったけど、とにかく遠征中に自分の居場所があり、ちゃんと
一週間そこで心地よく過ごせることが戦績を出すためには
大事なことだと感じたよ。
それにしても、あのお蕎麦屋で過ごす山梨遠征は
楽しかったなぁ。

戦績を伸ばす簡単な方法[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/06/13(水) 09:16

18歳で上京してテニスコーチになった時、
選手が集まるこの会社の先輩コーチたちは
とにかく強い人が多かった。
どの先輩にも全く歯が立たなくて、「すげぇ~」って
思ってたんだけど、その中でも一番強かった先輩は
練習は朝6時から行い、トレーニングも毎日3時間
するくらいタフな選手生活を送っていた。
その先輩を間近で毎日見ていたんだけど、
俺も含めた皆の感想は、
「やっぱり一番強い選手はやることが違うよな」
というもの。
そこまでやってない俺たちは超えられる訳がないって
思ってたよ。
 
でもその先輩コーチ、当時のランキングは日本ランキング
100位にも入っていない。
それどころか、オープン大会で予選を勝ち上がって
本戦に上がることも大変だった。
もちろん当時は大会数が今よりも少ないから、一つ一つの
大会のレベルは高かったんだけど、その先輩が100位にも
入っていないってことは、100位という世界はとてつもなく
ハイレベルで俺たちには有り得ない世界だって思ったよ。
 
でもその先輩コーチが努力の末、やっと毎日テニス選手権という
大会で遂に予選勝ち抜いて本戦に上がったのだ。
それをキッカケにランキングも上がったので、色んな大会で
予選免除の本戦スタートとなってランキングも更に上がっていった。
不思議なことに、一番上だったその先輩が予選を勝ち上がって
本戦に上がった途端、続々と他のコーチ達も予選を勝ち上がり
本戦に上がっていった。
 
俺もその一人だったんだけど、レベルは違うけどいつも
一緒に練習してもらっているその先輩が勝ち上がったって
ことは、なんだか自分も行けるって思えたんだよ。
恐らく他のコーチ達も同じ心境だったと思うんだ。
 
でもこういう現象って他のスポーツの世界でもあるよね。
メジャーリーグにトライして結果を出した野茂投手。
彼のあと、続々と日本人メジャーリーガーが誕生して
結果を出し始めた。
サッカーの中田選手も「日本人でもいける!」とアピール
してくれたし、サッカー自体、ワールドカップに一度出場を
決めてからは、「日本ってワールドカップに行ける国」って
当たり前に思えるようになった。
それまでは「行ければ最高!」ってちょっと憧れだったから。
テニスの日本男子も錦織選手の影響が出てるんじゃないかな。
 
とにかく今自分が活動しているグループにいる頂点の
人がグっと伸びてくれると、それをキッカケに周りにいる他の
人達がそれに続いて伸びやすい。
じゃあ自分のグループの頂点の選手が今ひとつ
伸び悩んでたらどうなるか・・・。
残念ながら他の選手も「トップが無理なら俺たちも無理」って
なりやすい。
そういう場合は、自分が代わりにトップに立って切り開くことが
必要なんだけど、それと同時に自分が属しているグループの
範囲をもう少し広げて考えてみるのもいいね。
もちろんそうなったら、もっと部外の人達とも練習したりして
交流しないといけないから、広い行動力が重要。
結局野茂投手も中田選手もそうだったと思うんだよ。
 
皆も今いる環境を考えてみよう。
今頑張っているグループでトップは誰だ?
そのトップの人がどんどん結果を出しているなら、
そいつに続いて行けばいい。
でもちょっと伸び悩んで結果が出ていない場合、もしくは
自分がそのグループのトップにいる場合は、そのグループを
離れる必要は無いが、もっと大きなグループとの交流が
必要となり、その大きなグループのトップにあやかって
頑張ることが必要だ。
もちろんその大きなグループのトップになるってことも
かなり面白い目標だと思うよ。

得意ショットに最高の演出を![てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/06/12(火) 10:52

得意ショットって何?
俺の場合は回り込んでから逆クロスへの
トップスピン系フォアハンドストローク。
その得意ショットをどう試合の中で扱うのか
皆はちゃんと考えてるのかな?
考えないで試合中どんどん連発していると、試合の
序盤でその得意ショットの威力もコースも相手に
覚えられてしまって、効果は無くなってしまうんだよ。
 
君の得意ショットが俺と同じ回り込んでの
トップスピン系フォアハンドストロークだったら
まずそれを使う前後には違うショットを相手に
見せておきたい。
違うというのは対照的ということ。
威力があるんだったら、それと対照的なゆっくり系の
スライスだったり、回転をかなり多めにしたグリグリの
トップスピンなんかでも良い。
 
コースを対照的にすることも効果は大きい。
得意な逆クロスと対照的なクロスにボールを集めておいて、
チャンスが来たときに得意の逆クロスのフォアを打ち込む
なんてパターンは多くの選手が使うパターンだよね。
俺はデュースサイドのサーブの時に、ワイドに
スライスサーブで相手を外に流しておいて、
返ってきたのを回り込んでフォアで逆サイドっていう
パターンをよく使っていたよ。
 
とにかく得意ショットって他のショットよりも優れては
いるけど、そのショット一発だけではポイントは取りにくい。
それをいい場面で使ってあげるためには、他のショットや
他のコースをある程度見せておかないといけないんだよ。
サービスエースを狙う場合も同じ。
得意なコースに良いサーブが入ったとしても、そればかり
狙っているとなかなかエースって決まらない。
 
俺も試合中、相手にサービスエース決められた時って、
威力の凄さよりも「えっ!?そっちだったかー!!」
って意表を突かれた時にだいたいやられたからね。
ちょっとスピード落としてワイドにキレるサーブを
まず見せられたりした後にセンターへ
一番いいサーブを打たれると、威力とコースと
両方意表を突かれて一歩も動けなかったりする。
でもその後のサーブは、そのセンターに来たような
凄い良いサーブを警戒しているから、続けて同じ威力で
同じコースに打たれてもエースは阻止しやすい。
だから実戦慣れしている相手だったら、今度はまた
違うサーブを打ちながら、次に威力のあるセンターへの
サーブを使うための準備をし始めるんだよ。
 
そう考えると、試合中に自分が持っている一番得意な
ショットってそう何度も続けて打つもんではない。
一番いいショットだから、相手の印象には残るんだけど
それよりも得意ショットの前後に混ぜる地味なショットの方が
圧倒的に打つ本数は多いんだよ。
しかもレベルが低い相手の場合、得意ショットを出す前に
まず見せておいた地味ショットの段階でポイントが取れて、
結局得意ショットを出すまでも無かった・・・なんてこともよくある。
レベル差がかなりある弱い相手なのに、ガンガン自分の
得意ショットを見せながらプレーしている人はちょっと
その辺り考えてやらないと、威力ある割には効果の
少ないテニスになってしまうから気を付けてね。
 
得意ショットは「主役」なんだから、大事な「脇役」の設定を
きっちり行い、しっかり活躍できるシチュエーションを
作ることだね。
そして弱い相手には「主役」無しで勝てるように。

やっと見つけたナイスダブルス[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/06/11(月) 15:58

現役の頃、試合と言えばシングルスが
メインだったんだけど、出来る限りダブルスも
出場して、単複共に頑張ろうと思った。
でも決まったパートナーはいなかったから、その都度
いろんな選手に声を掛けて出場。
いろんな選手と組ませてもらったけど、当時まだ
ダブルスが下手くそだった俺が一番「組みやすい!」って
思ったのが当時、筑波大学の学生選手だった井上選手。
 
まず彼の何が良かったかと言うと、そんなにテニスが
上手いわけじゃないところ。
あまりに華麗でセンスの良すぎるパートナーだと
一緒に組んでいて付いていけなくなるとか、自分の
下手さが露呈されて相手ペアに狙われたり、劣等感に
苛まれたりするけど、彼のテニスは一言で言うと
「泥臭い」テニスでそれが一緒に組んでて心地よいのだ。
 
かと言って弱い選手じゃない。
上手くはないけど強いんだよ。
シングルスなんか俺よりもずっと上のランキングだったし
ダブルスも戦い方をちゃんと知っている。
ただショットの質で勝負というより、足を使って
相手ショットを拾いまくったり、動いて相手にプレッシャーを
与えたりするのだ。
それによって相手プレーヤーは混乱に陥る。
やりにくい相手と対戦したとしても、井上選手と組むと
思っていたよりも相手が実力発揮できず、意外と
やりやすかったことも多かった。
 
そして極めつけは彼が俺に試合中に
何度も言ったコメント。
「相手のショット、どこに打たれても僕が拾うので、
高西さんは思い切ってやって下さい。」
ま、俺より年下で足があって実力も上なんだから、
最初からそのつもりではあったが、本人の口から
しっかり宣言されると
「そう?じゃあ、思い切ってやらせてもらうよ」
と気持ちよくプレーすることが出来たんだよ。
ま、もともと俺もパワーより安定感がウリだったから、
ミスは少ないほうだったけど、彼と組んだらホントに
手堅くプレー出来るんだよ。
 
これがもし、「高西さん、もっとこうして下さい」とか
「僕はこういうダブルスしたいから、ここに打ってください」
なんて指図ばっかりのパートナーだったらちょっと
俺は萎縮してダメになってたかもね。
でもそれまではそういうことを言うパートナーも
多かったんだよ。
もちろんそれも正論が殆どだから、出来るだけ俺も
それに従うんだけど、ダメだったことが多かったかな。
 
彼の「サポートします!」的なパートナーへのコメント、
そしてゆっくりだけど、的確にコース選びする配球パターン、
足を使ったプレッシャー、それら全てが
「うん、ダブルスってこれなんだ!」って思わせてくれた。
井上選手と出場したのは1大会だけだったけど、
その大会で一緒に3試合ほど戦って見せてもらった
彼のダブルスは、結構その後俺の中で影響を及ぼし
今日まで続いている。
ま、彼よりももっとダブルスが上手い選手は多いけど
彼ほど自分の実力をちゃんと出し切れる選手はそう
いないんじゃないかな?
そんな自分の実力を出し切る方法を教わった気がする。
 
もちろん、今でもダブルスする時、パートナーには
「俺がちゃんと守るから、安心して思い切りやろう!」って
コメントも真似させてもらっている。
たまに細かく支持出し過ぎることもあるけどね・・・。

スコアによって変わるプレースタイル[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/06/08(金) 11:17

テニスはポイントを積み重ねて勝利を掴むスポーツ。
スーパープレーを見せても相手が単純なミスしても
同じ1ポイントで、そのポイントを積み重ねていかないと
永遠に勝利は掴めない。
だからポイントを取り続けないといけないんだけど
テニスの難しいところというか、面白いところは
そのスコアが大きくプレーに影響されるというところ。
 
例えばダブルスで、自分たちが40-15でリードしている
時に思い切ったポーチってしやすいけど、15-40の場合は
ちょっと躊躇するでしょ?
シングルスの試合で、回り込んでフォアで決める・・・なんて
パターンを得意としていても、それがタイブレークまで
もつれ込んだら、ちょっと決めきれなくなってしまう。
もちろんスコアに関係なくきっちり自分で普段から決めた
プレーをすることも可能ではあるが、やっぱり人間だから
「勝ちたい~、負けたくない~」という気持ちが思わず
ボールを打つ瞬間にスコアを頭に過ぎらせてしまい、普段から
決めていたことと違うプレーをしてしまったりするもんだ。
 
それを乗り越えて、どんなスコアの時にも、平常心で
プレーをし続けることって出来るんだろうか・・・・。
いや~、難しいと思う。
となると、「どんなスコアでも同じようにプレー」ということを
目指すんじゃなくて、どのスコアの時にはどういうプレーを
することが大事かってことを決めたほうが良い。
40―15の時のプレーはどうするか、逆に15-40の時は
どうするのか・・・みたいな感じでね。
 
スコアが心境や考えに影響を及ぼすということは、当然
相手もそのスコアによって心理的影響を受けていると
いうこと。
自分だけじゃなく、相手もそのスコアによってプレーが
決まってくる。
そう考えると、そのスコアの時に何をしたら効果的か
色々考えやすいでしょ?
自分たちがリードしている時には、思い切ったプレーを
しやすい代わりに、調子に乗って攻撃しすぎて空回りも
起こりやすいってことが考えられるし、負けている相手は
その時、ここを落としたらマズイと考えるから安定感を
強調して、手堅くプレーをしてくることが予測出来る。
 
となると、リードしているスコアの時には、手堅いプレーで
その場を乗り切ろうとしている相手のディフェンスを
崩すための攻撃が必要となる。
ただし、トドメを刺すところまで考えてしまうと、攻撃した
こっちが結局ミスしやすくなるから、プレッシャーを
与える程度の攻撃が重要となる。
サーブ&ボレーで前に行きながらも、ボレーは確実に
オープンコートやネット前のゾーンに入れて、相手に
パスで勝負させる・・・とかね。
 
逆にリードされている場合だったら、
「変な挑発には乗らない」「無理はしない」
ってことをアピールするような、スライスや滞空時間のある
トップスピンのラリーで「逃げ続けます」と宣言するようなのが
効果的かな。
もちろんその中で甘いチャンスが来たら、攻撃に転じるけど
当然これも焦ってミスしやすいパターンだから、一発決めは
御法度で、コース重視の攻撃で安定感だけは維持し続ける。
 
こんな感じで、それぞれ色んなスコアの時に
どうするのか考えておくと、試合の中で混乱することはない。
もちろん相手も色々考えるから、自分が予想していたように
相手が動いてくれるとは限らないが、それはそれで、
その相手用の戦術パターンをその場で作れるようになれると
より勝負強い選手になることが出来るよ。
 
もちろん決めたパターンが間違ってしまうことも
あるかもしれない。
ホントは繋ぐべきとこなのに、攻撃の作戦をとったり、
ネットに出たほうが効果あるのにベースラインで粘ったり。
でもね、スコアによってどんなプレーをするか決めて
試合すると負けた時の反省もしやすいし、勝った時の
勝因も分かりやすいんだよ。
無計画にその場の思い付きでプレーする方が次に続かないし
何より試合中パニックになりやすい。
 
スコアによって自分がどういう気持ちになるのか、相手は
どうなっているのかよく観察しながら、スコアに合った
プレーを選択出来るように。
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