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ミスした後のトップスピンストローク[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/08/07(水) 11:42

試合中のトップスピンのストロークと言えば、やっぱり安定感を
しっかりとアピールしておきたいもの。
そんなトップスピンストロークのミスは痛い。
そもそもミスというものは大きく分けると2種類ある。
一つは相手コートの枠に入らず「アウト」するミスで、もう一つは
ネットに引っかかってしまう「ネットミス」。
 
飛び過ぎてしまってアウトになるミスを試合中に気にしながらラリーを
すると、ラケットをしっかりと振り切るのが怖くなることが多い。
振り切った分だけボールが飛んでしまってアウトする・・・という
イメージを頭の中に一度描いてしまうと、もうラケットはボールを
触った途端にピタッと止まってしまって、当てるだけ・・・なんて
パターンになってしまう経験、誰もがあるんじゃないかな?
 
逆にネットに引っかかるネットミスをしてしまうとどうなりやすいか。
ネットミスをした人はそれ以降、ラケット面の被せ具合が若干
甘くなってしまうことが多い。
被せるとボールを抑えすぎてしまい、またネットに掛かるんじゃないかって
不安が頭に過ぎってしまう。
確かに単純に考えても上向きの面でボールを打った方がボールの
下の部分を触りやすくなる訳だから、ネットは超えやすいって思うだろうね。
でも「アウトしたらラケット振らない」、「ネットしたら面を被せない」という
対処法で上手くいった試しがない。
むしろこれらの調整方法って逆効果なんだよ。
 
まず、飛び過ぎでアウトする人が、スィングを途中で止めるような
形でショットを打ち始めるとどうなるか。
振り抜かないスィングだとボールの回転量が減ってしまうため、
ボールのスピードは落ちるけど、結局飛距離は意外と飛んでいって
しまうからアウトが減らないどころか、ますますコントロールがしにくくなる。
じゃあネットミスを怖がっている人がやってしまう被せが甘い面での
ショットはどういう影響では出てしまうか?
確かにそれでボールを持ち上げやすくなった気がするだろうが
面の被せが甘いと打点を前に設定できなくなり、ボールが来るのを
待ってしまってから打つ・・・という打ち方になりやすいのだ。
待ってしまうということは詰まった打点でボールを打ってしまう。
ということは結果的にボールの飛距離が伸びずにネットに
掛かりやすい状況からは抜け出せないままなんだよね。
 
となると、結局はミスをした時に必要なのは、これと逆の発想を持てるか
になることが多い。
アウトしてしまったのであれば、またアウトすることが怖いかもしれないが
逆にもっとしっかりラケットを振り抜くこと。
そうすることで、回転量が上がってリズムよくしっかりとコートに
収めることがしやすくなるのである。
ネットに掛かかるミスをしてしまったのであれば、むしろラケット面を
しっかり被せることで、打点を前へ調整しやすくして、それによって
スィングを前後の動きから上下動にすることで、よりボールを持ち上げやすく
させるという発想を持ってネットを超えやすくするようにしてもらいたい。
 
でもやっぱりミスした後は、そのミスが続くんじゃないかと不安を
抱えてプレーしてしまうから、やっぱりアウトした後によりしっかり
振り抜くことや、ネットの後に面を被せることを意識するってことが
怖いって感じると思うし、アウトしないように当てるだけにしたり、ネット
しないようにラケット面を被せなかったりした方が、その直後はミスが
続かないで済むということもあるかもしれない。
でもそれは誤魔化しのテクニックである。
 
そんなテクニックを覚えても、結局はまたその間違った対処法で
新たなミスがボロボロと出てくるし、そもそもそんなショットで
プレーしようって思ってない訳でしょ?
どんなにプレッシャーが掛かったドキドキ場面でも、しっかりと
レベルアップに発展させられるようなトップスピンストロークを
身に付けるためには、「アウトしたらより振り抜く!」、それから
「ネットしたらもっと面を被せる!」という発想が無いと、気付いたら
自分のテニスが全然成長出来ないテニスになってしまうので要注意。
でも、そういう対処法を覚えると
「あいつ、大事な場面でよくあれだけ打てるよな」って言われる
トップスピンストロークを身に付けられるよ。

ストロークで自分らしさを取り戻す3つの事[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/07/26(金) 13:41

俺が現役時代の頃、試合の出来を左右するものは
ストロークだった。
当初は完全ストローカーだったからそれは当たり前
なんだけど、段々ネットプレーの比率が上がって、
ネットプレーヤーになった時も、やっぱりプレーのリズムは
ストロークで作り上げていた。
 
だから試合中、プレーのリズムがおかしくなったり
精神的におかしくなったりした場合は、ストロークのリズムを
調整して立て直そうと思ってやっていたんだよ。
 
調整の項目は大きく分けて3つあった。
一つは軸足のタメとトップスピン打つ時のラケットダウンの
タイミングを長めに合わせること。
フォアハンドストロークは右足を軸にしたオープンスタンスが
主流だったから、その右足の膝をしっかりと曲げて長めに
タメを作るんだけど、それと同じタイミングでラケットダウンも
長めにじっくりタメを作る。
足と腕の振りをこれによって一体とさせることが出来たし
足からしっかりパワーをもらってラケットを振るという
自覚が得られるから調子は上がりやすかった。
もちろん苦手な前足に乗ってのフォアやバックハンドを打つ時も
同じようにじっくりと多めに時間をかけてラケットダウンと
共にタメを合わせて打つようにしていた。
 
二つ目はボールの回転量を増やすこと。
回転量を増やすということは、ショットの安定感が増す
ということにも繋がる。
「回転かけているから、振り抜いても大丈夫!!」そんな意識が
湧いてきたら気持ちも乗ってきて調子も上がりやすいでしょ?
そうなると当然スィングスピードも上がり、良いリズムが生まれやすい。
回転がかかるショットということになると、コートの端も狙い
やすくなるんだよ。
だからゲームの組立や展開も作りやすくなってくる。
 
3つ目は「声を出す」ということ。
これはかなり単純で効果は絶大。
自分が打つタイミングに合わせて「アー!」って声を出す。
普段ももちろん声は出すんだけど、調子が悪くてそれを
立て直す時にはとくに大きな声でしつこく「アー!!!」って
叫んでいたよ。
でもそうやって声を出す時もタイミングだけはかなり気を付けていた。
声を出すタイミングで重要なのはラケットダウンと軸足のタメの
タイミングに合わせて声を出すということ。
タメの時間を長めに取って打っている場合は「ア~~~アッー!!!」と
タメの「ア~」と打つ時の「アー!!」で2回分叫んでいたからね。
 
そして声を出すことによって、自分の気持ちを「試合戦闘モード」に
切り替えやすかった。
黙々と打っていると「俺は大丈夫なんだろうか?」
「次はミスしてしまうんじゃなないだろうか・・・」ってついつい
ネガティブな発想も浮かびがちだが、声を張り上げることで
そんな暗い闇夜の世界に引きずり込まれないで、なんとか理想の
プレーヤーを演じ続けられたのだ。
 
この「軸足とラケットダウンのタメ」、「回転の増量」、「声を出す」の3つを
ストロークラリーの中で意識すると、プレーのリズムが比較的簡単に
出来上がる。
もちろん、サーブとかボレーなんかも同じやり方で自分の調子を上げる
ことは出来るんだろうが、なんとなくストローク以外のショットはもう少し
クールにプレーしてストロークだけ、タメもスピンも声出しも極端に
した方が調子は上がりやすいんだよね。
だから試合中、調子がおかしくなってくると、ストロークラリーが
多くなるんだけど、タメもしっかり、回転もグリグリ、そして
声も大きくなってくる。
でもそれを実行すると、「よし、大丈夫だ!」ってすぐに立ち直れる
ことが出来たんだけど、今考えると一種の暗示にかかっていたと
思うんだよね。
「これをやれば大丈夫になる」と自分自身でピンチの時に
助けてくれる方法ってことで強く信じていたんだと思う。
 
試合中って本当に苦しいことが多い。
特に競った試合は気が抜けないどころか、試合の終盤になれば
なるほど緊張感も高まり、精神的にもキツい。
そんな時に、こうやってストロークを利用した立て直し方法みたいに
細かいところまで決まっている具体的な立ち直り術を覚えておくと
本当に便利だよ。
落ちていきそうな自分を何とか踏み止めることが出来るからね。
是非、皆もストロークの時に試してもらいたいが、もちろん他の
ショットでも構いません。
「これがあるから大丈夫・・・」って思えるショットをちゃんと
見付けて、自分に見事暗示をかけられるようにしたいもんだ。

今までも、そしてこれからも。[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/07/08(月) 10:19

幸せなことに、今まで色んなことにトライしてきた。
小学校の時にやっていたスポーツは、サッカー、
水泳、ソフトボールに空手と幅広い。
当時は小児喘息で弱々しい貧弱な身体だったので
そんな俺の身体を鍛えようと両親が色々とスポーツを
習わせてくれたのだ。
 
そのせいか、色んなことに興味を持ってノコノコと
出かけてトライしてみるという活動的な習性が身に付いてしまった。
中3の時に始めたのはスキー。
冬休みに父親の紹介で長野県のスキーロッジに行って
皿洗いをしながら合間にスキーを楽しんだ。
高校に入って、ここからテニスをスタート。
高2の夏休みからはテニスコーチというのにもトライし、
「人に教える」という世界が広がった。
 
高校卒業してからテニスコーチになる時も、思い切って大阪から
脱出して関東に飛び出したし、コーチになってからも、アメリカへ行ったり
スペインに行ったりと、生活が安定し始めたと思うと、また何かに
トライし続けながら新たな展開を自分の人生の中に求めていった。
二度目のスペインから帰ってきて翌年の結婚もある意味トライだったし、
更に次の年にはテニスコーチの会社も辞めて独立することにもなる。
これはかなり大きなトライとなった。
おかげで、更にエキサイティングな毎日を送り、
ますます色んなことにトライし続けないといけなくなった。
 
「相変わらず活動的だね!?」
今も色んな人からそう言われることが多いのだけど、実は自分の本心に
「いい加減新たなトライすることは辞めたい・・・」というトライ精神に
嫌悪感を少なからず抱いている部分があるのだ。
しかも幼少の頃からずっと。
だって新しいことにトライすることって、不安もあるし、
新たな環境に適応しないといけないというストレスもあるし、大人になって
からはお金の不安もある。
失敗するかもしれない心配も湧いてくるしね。
安定した居心地の良い生活はかなり憧れる。
だってその生活もダラダラと生きていかなければ
それなりの生き甲斐も魅力もあって悪くない生活なんだと思うし。
新しいことにトライして人との繋がりがどんどん広がることは
嬉しいことでもあるが、その反面、交流する人数や自分が生きる世界が
広がるということは、更にストレスも大きく受けるため、やっぱり
新しいことにトライして世界を広げていくことって煩わしいって感じる。
 
でもそこで何もしないで立ち止まり、今持っているものだけで
これからずっとやっていくわけにはいかない。
今いる仲間だけでも十分楽しい人生を歩めるかもしれない。
今ある知識だけでもどうにかこれからの人生を生きていけるかもしれない。
でもやっぱり社会で生きているということは、人が周りにいるものである。
だから、仲間が減ったり変わってしまったりすることもあるわけだから、
周りの仲間を常に増やし続けないといけないし、情報や環境も時代によって
動くわけだから、やっぱり新たな世界を広げていく必要があり、
そこに身を置き開拓していかないといけないのだ。
だからこそ、本心はストレスを感じていて、煩わしく思っていても、
周りの皆には「俺は行動派なんだよ!」ってアピールしながらこれからも
楽しそうにイキイキと動き続けながら新たな世界にトライしていかないと
いけないし、それがこれからもずっと続くんだろうな。
 
と、ここまで自分の人生を振り返りながらのことなんだけど
この考え方ってテニスそのものと似ている気がする。
テニスも今現在の状況に満足していても、常に新しいことに
トライし続けないといけない。
だけど、その新たな展開や技って今までの自分のプレーに、スムーズに
組み込むのは難しく、むしろ思い切って導入したことでダメになってしまい
前より弱くなったりすることもある。
そうなるとストレスも大きく感じるし、負けてしまった時にはそのトライ精神を
後悔してしまうこともある。
 
試合のカテゴリーを一つジャンプアップさせたり、今までトライしたこと
ない新たな場所で試合に臨むというような、新たな環境へのトライも同じ。
その試合会場には知らない選手ばかりだし、そういう知らない選手たちに
話しかけたりして一緒に練習などをしないといけない。
レベルの高い相手だと断られるとか、プレーを馬鹿にされるかもしれない。
自分が今まで戦っていた選手仲間の多い試合会場での居心地の良さとは
打って変わって「勝てない」「相手にされない」「遠くてお金が掛かる」などの
ストレスしか最初は得られないんだよ。
 
それでも新しいことをトライすることって重要。
「いつかは、このショットが・・・」とか「このレベルの選手たちに勝ってやる」
という気持ちを持っていれば、まだ芽が出ない状態でストレスが多くても
頑張り続けられるでしょ?
そう、新しいことにトライし続けるってことは、今後の自分に期待して
その成長の場を作っているってこと。
逆に、現状にしがみついて「楽しいから」と言って、今の環境から
抜け出せない人は、将来の自分に期待できていないか、自分一人で
やっていけるって勘違いしている人。
世界を広げて、そこに自分の身を置いてみよう。
そこで生じる色んな出来事を受け止めて、乗り越えていこう。
それがテニスの試合では「勝ち抜いていく」というテクニックとなるし
人生では「自分という人間の発見」となっていくんだと思うよ。
常にトライし続ける精神を持つこと。
そして今後の自分に期待を持つこと。

試合中の反省術[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/06/25(火) 12:11

テニスの試合中って辛い。
そんな辛い精神状態でも、しっかりと頭を働かせて考えながら
プレーをしないといけないんだけど、そこで重要になってくるのが
「反省」の仕方である。
ポイントを取るスポーツではあるのだが、ある程度相手にも
ポイントは取られても仕方がないのがテニス。
仕方がないんだけど、そのポイントを取られた時にする反省が
マズイと勝てないんだよ。
 
この反省をする時、当然「次はどうやればポイントを取れるだろう」
ということを目的として頭を働かせないといけない。
となると、今現在の自分の技術的状況、体力的状況、精神的状況、
そして相手の技術・体力・精神的な状況に加えて戦術面なんかも
考慮して「もっと、こういうことをしなければいけなかったな。」という
反省になるのである。
その反省の中から生み出される答というものは、必ず
その瞬間の自分を多少なりとも評価してあげて、今後の自分に希望を
持ってあげられることが前提となり、そうやって生まれた答えは
「これくらいなら、何とか出来そうだ」と思わせるような答となるはずである。
 
でもここで反省の仕方を間違えると大変なことになる。
次のポイントをどう戦うかを考えないといけない反省なのに、
「だから俺はダメなんだよ」って思ってしまう反省の仕方をしてしまった
経験のある人って多くない?
かくいう俺も、現役の頃よくそういう間違った反省の仕方をして
試合中に自己嫌悪に陥ったことはよくあった。
そうならないためにも、ただ過去の自分のプレーを振り返るだけじゃダメ。
大事なことはちゃんと節目を設けて反省することなんだよ。
それともう一つは反省の中で出来ないことばかりを羅列するんじゃなくて
些細なことでも出来ていることも見付けておくこと。
出来ていることが分かってないと、突破口が見つからないし
何よりも反省すればするほど自分が情けなくなっていく。
 
節目を設けるというのは、例えば一発ショットをミスした場合、
そのショットのみを反省するだけで良いと思う。
でも試合の流れが良くなくてミスをしてしまったのであれば、
もう少し節目を広げてここ2、3ゲームの反省をすれば良い。
意外と試合中は試合スタートの1ポイント目から全て振り返りながらの
反省ってあまりしないんだよね。
そこまで振り返って反省しようとすると「後悔」とか「悔しさ」など
感情が湧いてきてしまって感情的になりやすい。
しかし、そういう節目を設けないで際限なく過去にまで振り返って
反省をしてしまうことって多いんだよ。
 
例えば「試合スタートの入り方が悪かった」とかね。
酷い場合は、「アップをちゃんとしなかった」とか
「ここ最近ちゃんと練習してなかった」とか、
「トレーニングをサボっていた」とか「昨夜早く寝なかった」など・・・。
もはやそうなると反省ではなく、負けた場合の言い訳探しとなるのだ。
そんなところまで反省したところで、「じゃあ次のポイントをどう戦うか」
という答えは見付からないのである。
過ぎたことはしょうがない。
いかにスタートで失敗したとしても、練習不足で寝不足で
試合前のアップもストレッチもさぼって試合をスタートさせたとしても、
試合中の自分は絶対に否定しないで評価しながら、現時点での反省が
出来るようにならないと、勝てるチャンスが残されている試合も
簡単に落としてしまうのである。
 
そういう意味では、試合中の反省って、自分を叱りつけるよりも
励ましながら短いスパンに区切っておかないとダメだね。
ワガママな子をおだてたり、持ち上げながらプレーする感じかも。
もっと過去まで遡って試合のスタートやアップのやストレッチの改善、
練習やトレーニングをサボった反省なんて試合が終わった後に
徹底的にやればいいんだよ。
あくまでも「よし、次は行けそうだ!」って希望を持てる試合中の
反省術を身に付けてもらいたい。

うぬぼれるなっ![てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2013/06/13(木) 10:17

テニスってうぬぼれちゃいけないんだよ。
「そんなの分かっている!」
そう思っている人って多いと思うけど、そのうぬぼれって
「自分のショットを過信して天狗になっちゃいけない」って
ことだと思ってない?
もちろん、出来もしないことを無理しながらプレーすると
ミスに繋がってしまうのでその「うぬぼれ」はいけない。
でもここで言う「うぬぼれ」ってちょっと違う。
それは「自分のプレーの良し悪しが勝敗を決める」という
考えを持ってコートに立っている人のこと言ってるんだよ。
自分のプレーが勝敗を左右するなんてとんでもない。
何、主役気取りで張り切っているんだ?
 
じゃあ試合の勝敗の鍵を握っているのは誰かというと
紛れもなくそれは「相手選手」である。
相手選手がその試合の主役であり、その主役が活躍
出来ないようにしたからこそ自分に勝利がもたらされるのである。
となると、自分はどうすれば良いかと言うと「まあまあ」で良いのだ。
「自分が主役」と思っている人は、試合中ずっと自分のショットが
良くないと勝てないって思っている。
常に自己ベストのプレーを自分に課してしまうし、常に自分の
打ち方とか、自分の精神状態とか、自分の判断力がちゃんと
していないといけないって思って、ずっと自分を見てしまっている。
 
そうじゃない、試合中に見ないといけないのは勝敗の鍵を
握っている相手選手なんだよ。
相手選手の表情や戦い方、得意ショットや得意パターンは
もちろんだけど、ウィークポイントなんかもしっかり観察して
探さないといけない。
その試合の主役である相手選手を何とか主役の座から
引きずり落としてやるんだ!っていう考え方こそ、テニスの戦術や
自分自身の技術やメンタルの安定に繋がっていくのだ。
 
もちろん「自分は主役じゃない」と言っても、自分自身でしっかりと
最低限のプレーをしておかないといけないし、自分を客観的にだけど
観察しておく必要はあるよ。
でもあくまでも「相手」がメインであり、自分の力だけで勝利を
得ようとは思わないことだ。
 
主役である相手選手をいかに振り回してミスをさせるか。
主役である相手選手の攻撃をいかに耐えきるか。
主役である相手選手のメンタルをいかに崩すか。
自分のプレーはそのためのものであり、その主役である相手選手に
目を向けているからこそ、相手が大活躍したとしても心が折れずに
続けて立ち向かっていくことが出来るし、チャンスが来たとしても
淡々とそのショットを決めることが出来るんだよ。
 
とは言うものの、結局主役である相手のプレーを完璧に封じて
勝利することが出来れば、自分がその試合の主役となっている。
それからテニスのレベルが上がって、互いに高い技術を持ち、
強靭なメンタルを持っている同士の対戦となると、逆に
「俺が主役だ!」と相手にアピールして圧倒することも必要となる。
でもどのレベルでも共通していることは、自分のプレーの良し悪し
だけで勝利を得ようとはせず、あくまでも相手のテニスを落として
勝敗を決めようとしているってこと。
「勝って主役になってやる!」って思うのは良いけど、
相手の存在をちゃんと認めてプレーをし続けることを忘れないように。
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