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背伸びセンス[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2011/10/20(木) 17:01

錦織選手が日本人男子で過去最高ランクの30位をマークした。
これは凄いこと。
おめでとう。
彼はここまで来れると思っていただろうか?
錦織選手がどう答えるかは知らないが、当然思っていただろうし
恐らく今はもっと上のランキングのテニスを考えているだろう。
 
実際ランキングって目指した通りに行くもんでは無い。
世界で100位目指しましたと言って、100位辺りをウロウロ
している人なんてあまり聞いたことが無い。
よく聞く話は「100位目指しました」って言ってたのがいつの間にか
100位以内に入っていて、「もうとっくに50位以内を目指してるよ」
なんて言っている選手。
あるいは、全然100位に辿り着けなくて空回りしている選手のどっちかだ。
 
俺の経験上、目指す所はちょっと背伸びした目標にしないといけない。
100位以内に入りたいなら、100位辺りの選手のテニスのプレーを
するんじゃなくて、もっと上のレベルを目指すべき。
大会に出場してベスト8以上の戦績を挙げたいんだったら、
ひょっとしたら優勝出来るかも・・・?って思われるようなプレーを
最低限しておかないといけない。
今回ランキング30位に上がった錦織選手も、間違いなくもっと
上のレベルをイメージして日頃からプレーしていると思う。
だから彼にとっては単なる通過点に過ぎないんだよ。
そうじゃないと30位になる実力があってもいけないと思う。
 
ただ難しいのは、どのくらい上を目指すのかってことだね。
それぞれ皆目標があるだろうけど、その目標よりも上を目指せって
言われたからと言って、あり得ないくらいの高い目標を設定してしまうと
それはちょっと「無謀」としか言いようがない。
自分の才能を知り、自分の可能性を感じとり、自分の運を信じられることで
初めてどこまで背伸びをすれば良いのかが見えて来るのだ。
 
じゃあそういった自己分析能力はどうやって養うかが重要なんだけど、
それはどれだけ色んな人とテニスで携わったか・・・だと思う。
自己判断力で自分の意見を貫き通さないといけないが、やはり
周りの意見や空気を感じることも重要。
コミュニケーション能力がなくて、自分の殻に閉じこもっているやつは
結局冷静な自己判断ではなく自己陶酔か意地を張っているだけだったりする。
 
錦織選手、30位になったけどまだまだ背伸びをして、更に高い視野で
テニス界を見ている気がしてならない。
これから益々楽しみだ。

俺がスペインに残した爪痕[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2011/10/19(水) 06:08

アメリカに行った時もスペインに行った時も当然
現地の言葉で会話をした。
アメリカにいる時はもちろん英語だし、スペインにいる時は
スペイン語。
でもアメリカではスウェーデン人とも一緒に暮らしていた時が
あるので、スウェーデン語も少し教えてもらったし、日本語も
その代わりに教えてあげたりした。
 
スペインにいる時も、練習していたアカデミーには
世界各国から選手が集まっていたから、ロシア語、ドイツ語、ポルトガル語
イタリア語・・・と色んな言葉が飛び交っているので、共通言語は
英語とかスペイン語なんだけど、それぞれの国の言葉も教えてもらい、
ドイツ人と朝に会った時はドイツ語で「おはよう!」って声を掛けたり
逆に日本語で言われたり・・・となかなかの国際的な環境にいたわけだ。
 
ただ・・・挨拶の次に覚えようとする言葉は何かと言うと、汚い言葉。
悪口だったり卑猥な言葉を覚えようとする。
これはどの国の選手も共通して
「日本語で、○○にあたる言葉は何て言うの?」ってすぐ言ってくる。
もちろんこの○○に当てはまる言葉はここでは詳しくは書けないけど
まぁ英語で言うとFから始まる4文字の単語みたいなもんだね。
まだ10代後半の選手が殆どだから、そんなことばっかり興味持って
るんだと思うんだけど、そういう事を聞かれるのは、凄い仲良くなった証拠でも
あるから、俺も一生懸命考えて「う~ん、××かな・・・」って汚い日本語を
教えてあげる。
 
でも意外と日本語って汚い言葉が無いんだよね。
そもそも選手達も、覚えた汚い言葉をどう使うかって言うと
プレー中に上手くいかなくなると「チクショー!!」っていう意味で
使うんであって、必ずしも悪口に使う訳ではないのだ。
でもそうなると「チクショー」ではちょっと軽いし、そんなに下品とは言えない。
だからと言って他にそういう場面で使える汚いワードが思い付かない・・・・。
 
そこで、そういう場面では使えないけど、とにかく日本語の
汚いワードを3つ、語呂を揃えて教えてあげた。
ま、何を教えたかは到底ここでは書けないんだけど、
語呂も良いし、意味も超下品極まりないから、各国の選手達が嬉しそうに
大声で叫んで使ってくれていたんだけど、教えた俺としては日本人が
聞いたら引くようなワードだから、複雑・・・。
 
しかしそれから2年後、また同じスペインのアカデミーで練習することに
なった俺は、久し振りにそのコートに戻った。
すると「○○!!××!!□□!!」と知らない外人選手が
その汚い日本語ワードを使っているではないか!!!
しかもその選手に聞くと代々伝わっている日本語らしい・・・・。
さすが、国際的なテニスアカデミー。
テニスの技術だけじゃなくそういうことまで伝承されるんだね。
俺がそのアカデミーに残した爪痕がちゃんとあって、ちょっと感動。

繋ぐ気で決める!?スマッシュ!![てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2011/10/18(火) 11:20

「苦手なショットって何?」って
レッスン中に聞くと色んなショットを皆が言うんだけど
その中でも上位に入っているのがスマッシュ。
「得意です!!」って言う人も中にはいるだろうが
そんな人も、試合の中で一本スマッシュミスをした途端
そこから急に打てなくなる・・・なんてことが起きやすいショット。
 
皆、苦手に思ってしまう理由としては、まず単純に技術的に
難しいショットというのもあるけど、他にもいろいろ考えられる。
その一つが「決めるショット」というイメージを強く持ってしまうこと。
「スマッシュ打つって事は、そこで決めなきゃいけない」
そう思うと、パワフルスマッシュを自分に要求してしまうが
技術的に難しいから、打つ前に躊躇したり不安がよぎったりして
それがミスに繋がりやすい。
しっかりミスしないスマッシュの技術を日々練習することも大事だけど
一番は「決まらなくても良いんだ」という気持ちで、繋ぎスマッシュを
身に付ける事だね。
 
繋ぎ・・・となると、回転をしっかりかけることが重要。
スライス系、トップスピン系の回転があれば安定して
どこへでもスマッシュ打てるよ。
となると、身体の横向き状態も作れないといけない。
でも繋ぐつもりで回転系スマッシュ覚えたとしても、意外とそれが
「決めスマッシュ」になりやすいんだよ。
 
回転掛けると威力は多少落ちる。
だけど、回転掛けた分両サイドへワイドに打てるから相手は
守りにくくなり、結果スマッシュが決まりやすくなるし、ボールが返って来たと
しても相手陣形は崩れているから、その次のボレーなんかで
トドメを刺しやすいでしょ?
 
「スマッシュ苦手・・・」って人は、まず「繋ごう」って気持ちを持つこと。
そのために回転を覚えること。
その回転を使って、両サイドへワイドに打ち分けること。
すると・・・いつの間にか決められるスマッシュが手に入れられる。
これを意識して練習して、スマッシュ好きになってくれ。

笑っちゃうくらい面白い[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2011/10/17(月) 14:52

「笑いながらプレーしてるね。」
よくそう言われる。
確かにテニスのプレー中にニヤニヤしてしまう癖があり
実際、現役時代の試合中に相手から
「おいっ!真面目にやれよっ!」って怒られたこともある。
ま、その時は笑っていたのではなく、眩しかったのが
ニヤついているように見えただけなんだけど。
 
でも最近は確かに笑っている。
笑ってしまうのだ。
楽しくて。
別にふざけてやっているわけではなく、真剣にやっているのだ。
じゃあなぜ笑ってしまうのかと言うと、真のテニスの楽しさを
感じられるようになったからだと自分では思っている。
まぁ相手としては気持ちの良いモノではないので、当然仲間内で
遊びテニスをする時だけ笑うのをガマンしないでニヤニヤと
ボールを打っている。
 
でもずっと笑っているわけじゃない。
じゃあどんな時に思わず笑うかと言うと、相手との駆け引きをしている時。
例えばダブルスで俺がポーチ出るか出ないか動いているのを、相手が
ジッと見て思わず目が合ったりすると笑ってしまう。
こっちがボレーヤー相手にパス打つ時も、よくニヤついていると
言われるし、大事な場面で俺がサーブ打つ時も頬が緩むのが分かる。
 
その時俺の頭の中では、それまで行った過去のポイントのデータを
思い出して、目の前の相手選手の行動を予測する。
でもただ予測して当てるだけでは面白くないから、その予測したデータを
基にして裏をかいてやろう・・・なんて瞬時にサプライズを思い付くと
思わずニヤリとしてしまうのだ。
分かるでしょ?何か仕掛けをした時のワクワク感。
 
結局テニスってそういうスポーツなんだよ。
ネット挟んだ相手との戦い。
技術の競い合いだけじゃあ面白くないのだ。
ドッキリを仕掛けて引っ掛かった時のことを想像して笑うのと同じように
俺もプレー中に笑うのだ。
 
でもドッキリに引っ掛かってくれなかったり、「そんなの気付いてたよ」と
言われると凄いがっかりするでしょ?
テニスのプレー中も、ニヤニヤしながら仕掛けるんだけど、それが
バレバレで裏目に出たりすると、ホントにショック・・・。
でもまたその「気付いてた」という事をまたデータに加えて、次の仕掛けを
考え直し、良いのが思い付くとまたニヤリとする。
 
テニスは本当に面白い。
ニヤリ!

飛び込む勇気と、空しさに耐える努力[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2011/10/14(金) 10:24

テニスを上達させる一番の方法を教えてあげよう。
それは・・・・強い人達に混じってテニスをすること。
これに尽きる。
逆に言うと、自分よりレベルが低い人達や同じレベルの
人達を一緒にしていても上達の効率は良くない。
例え、良い練習メニューをやっていたとしてもね。
 
当然俺が現役の頃もそういう考えを持っていたから、常に
強い選手のいる所へ顔を出して、一緒に練習をしてもらったよ。
試合の時もそうだ。
試合の前や後の練習では強い人達に「練習して下さい!」って
お願いしに行って、練習をやってもらえると、それだけ自分のテニスが上達する。
でも試合の時は練習だけじゃない、ダブルスも一緒に組んで出場するチャンス!
ダブルスの場合は、上手い人と対戦する以上に、上手い人と一緒に
組めるので、なんだか自分もそのペアのレベルになった気分に
なれる。
 
だけど、その上手いペアを組むと当然強くなるから、いつもより勝ち上がれる。
そうすると、相手も両方上手いペアと対戦する所まで行くんだよ。
するとどうなるか・・・。
コートにいる4名のうち、レベルの高い選手が3名、明らかにレベルの
低いのが・・・俺1名。
いくら俺がポジティブで前向きにプレーし続けても、もう付いていけなくなる。
 
まだ会社に所属して選手をやっていた20代後半、ある時その会社に
実業団から一人強い選手がやってきた。
ま、会社としては俺の後輩になるわけだから、それを利用して
「一緒にダブルス出ようぜ!!」と
とにかく一緒に出る大会ではダブルスを組んでもらい、その結果、
勝ち上がることが出来たんだけど、3人ハイレベルの中で
空しく一人ドタドタテニス・・・を沢山経験した。
 
空しかった・・・・。
惨めだった・・・・。
そう感じると余計に力が入ってプレーがダメになり、もっと
レベルが低いテニスになった。
 
でもそういうのを辞めようとは思わなかった。
その結果、徐々に上のレベルの人達のプレーに順応できるようになり
そして自分のテニスを大きく成長させることが出来たのだ。
空しくても、惨めでも、強い人達の中に飛び込むことは必要だね。
ただ、ちょっと後輩選手には迷惑だったかもしれないが・・・。
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