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もっと暑くなれ~、もっと風よ吹け~[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/07/12(木) 08:47

テニスは高校からスタートした・・・という事が、
選手時代はいつも頭の片隅にあった。
だって周りは小学生、遅くても中学生から始めた
選手ばかりだし、インハイ、インカレ、全日本ジュニア出場
なんて珍しくない。
皆幼少の頃からお知り合いって感じだからね。
 
やっぱり子供の頃からテニスやっている選手って
打ち方に何か独特な柔らかさというか、しなやかさを
感じた。
そのしなやかな打ち方だとやっぱりショットの質も
違ってくるのだ。
「そんなショットを打ってくる相手とまともに打ち合っても
勝てるわけがない」
いつもそう思っていた俺だけど、だからと言って
負けたくはなかった。
高校生の頃は「無理!勝てない!」って思ったけど
色んな経験を積んでいくと、劣等感は常に感じながらも
「でも勝負は勝ってやる」という気持ちに燃えていた。
 
ショットの質では勝てない・・・となると、何で勝負するかと
いうと戦術である。
でも最初の頃は、ネットプレーもイマイチだったし、
戦術もそんなにいいのが思い浮かばない。
残念ながら、戦術で勝負は出来なかった。
ショットの質は自信無い、戦術も浮かばない。
そうなると何を頼りにするようになるかと言うと、
天候だった。
夏の暑い日には「もっと暑くなれ!!」って願い、
風の強い日には「もっと激しく吹き荒れろ!!」って祈った。
自分のテニスには自信が無いもんだから、何か第三者的な
ことが相手の足を引っ張ってくれないかなって思うように
なったんだよ。
 
でもそういう考え方を身に付けたおかげで、逆に夏の暑さも
強い風にも、自分自身はストレスを感じないようになった。
しかも、相手が何を嫌がるのか・・・ということを注視する癖が
付いたから、後に色んな戦略を考えられるようになった時、
どの作戦が相手に効いているのか分かるようになった。
もし、最初から誰にも負けないずば抜けた最高のショットを
持っていたら、そういう考えや観察力は身に付かなかったかもね。
 
未だにテニスで対戦している相手が「暑い!」とか、「眩しい!」とか
ネガティブなコメントを発するとワクワクしてしまう。
自分も暑くて眩しいんだけど、自分のことより相手だよ。
それがテニスには重要なんだって今はそう思っている。

窮鼠、猫を噛む・・・ということは。[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/07/11(水) 10:22

「窮鼠猫を噛む」
猫に追い込まれたネズミは最後、覚悟を決めて
噛み付いてくる。
そりゃそうだ。
どこにも逃げ道が無ければ、向かってくる敵に
歯向かわないと残された道はない。
例え猫と言えども、追い込んだネズミには気を付けなきゃ
危ないよって意味。
 
この言葉がいつからあるのか知らないけど、戦国時代
敵の城を攻め落とす戦略として、逃げ道を一つ残して
追い込んでいくのがコツだったそうだ。
逃げ道が残されていると、城に立て篭っている兵の中に
「あれ?あそこから逃げられそうだ」という気持ちが膨らみ
そういう逃げ腰の気持ちがどんどん周りの兵にも
伝染していくらしい。
完全封鎖してしまうと、「もう逃げられない」と皆で一致団結
してしまい、時間が掛かってしまうどころか、逆に死を覚悟して
いる分、敵としては厄介になってしまうみたい。
 
テニスに置き換えるとどうなるだろう。
まず、相手がネズミ、自分が猫とした場合、アプローチからの
ネットプレーやストロークで左右に大きく振り回すなどで
相手を追い込んだ時、そこから一発逆転で相手にカウンターを
食らうというパターンはよく見掛ける。
まさに窮鼠、猫を噛んだ瞬間だね。
でもテニスは1ポイントで勝負が決まるわけじゃないので、
追い込まれたネズミが最後、どういう風に反撃するかを
猫としてはそこで覚えておいてもらいたい。
そして次またネズミを追い込んだとき、その思い切った
捨て身の反撃パターンを、待ってましたとばかりにしっかり
対処してもらいたいものだ。
「猫を噛みに来た窮鼠を噛む」ということ。
 
城を攻め落とす時のコツも猫としては使える。
俺もよく使うんだけど、アプローチしてネットに出ていった時、
相手が最も得意とするパスのコースだけちょっと空けておく。
そうすると、追い込まれた相手は
「あっ!あのコース空いてる!」とばかりに食い付きやすい。
こちらはそこに打ってくるのを待ってる訳だから、多少
良いパスでも対処はしやすいよね。
 
じゃあネズミの立場の場合どうしよう。
強い相手を前にした場合、どんどん追い込まれて逃げ場が
無くなってくる。
そうすると「このままじゃ決められてしまう!ここは一発!」
とばかりに、思い切った一発を打ってしまうんだけど、
この行為が「窮鼠、猫を噛む」だが、さっきも言ったように
試合巧者はこの窮鼠のパターンを計算した上で
追い込んでくる。
となるとテニスでは「窮鼠、猫を噛む」というパターンは
たまには良いけど、そんなに頻繁には使えない。
追い込んだ猫が一番嫌がることは、追い込まれたネズミが
まだ逃げ道残されていると信じて、逃げ続ける
ことなんだよ。
特にテニスの場合は、逃げ道って絶対残されているからね。
完璧に守備を固めるなんて絶対無理なんだよ。
 
そうやって逃げ続けるためには自分がネズミで相手が
猫だと思っても、決して「窮鼠」とは思わないことだね。
むしろトムとジェリーのネズミみたいに振舞ってもらいたい。
そうすると金星のチャンスも見えてくるかも。
でもたまには「窮鼠、猫を噛む」という行動も取ったほうが良い。
たまに思い切った反撃をすることを相手に教えておくと
相手も攻撃が慎重になるから、攻撃が甘くなりやすい。
逃げ続けやすくなるでしょ?
 
「窮鼠、猫を噛む」って言葉は色んなところで
使われるよね。
それだけ皆、この行動パターンは本能に組み込まれている。
ということは、猫の立場としてはどう窮鼠の対処をすれば
いいのか、ネズミの立場だったらどう猫と接すれば良いのか
予め考えておかないといけないよね。

ブロック系スライスを練習してみよう[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/07/10(火) 09:29

スライスってよく使う?
俺はかなりシングルスだけじゃなく、ダブルスも
スライスを多用している。
その理由は、まず楽チンだから。
手を抜いてる?いやいや、楽にボールを飛ばすことが
出来るということは、大きく走らされて状況が苦しい時にも
返球しやすいということだし、楽にボールを飛ばせる
ということはスィングをコンパクトに出来るわけだから
相手にコースを隠しやすくなるし、急なコース変更も可能となる。
威力はトップスピンに比べると少ないけど、そこが
スライスの魅力でしょ?
 
ということは、スライスをマスターしたいとき、何を
気を付けながら練習しなきゃいけないかというと、
「楽ちん」ということなんだよね。
労力惜しまずガンガンとスライスを打っていても
なかなかコツは掴みにくい。
大事なことは、どれだけ少ない労力で伸びのある
しっかりしたスライスを打てるか・・・なんだから。
 
そこでまずスライスの練習でやってもらいたいことは
フォロースルーを使わないブロック系のスライス練習。
ボールを打った瞬間、ラケットをそのまま止めてしまうのだ。
フォロースルーをしないってことは、テイクバックもあまり大きく
取れないんだよ。
テイクバックが大きいとフォロースルーも大きくなりやすい。
それからフォロースルーでボールを運べないから、
打った瞬間のアタリだけでボールを飛ばすということになる。
そうなると、打点の位置や足の使い方、ヘッドアップの角度や
ボールを捕らえる角度まで効率良くボールを飛ばす方法を
探し始める。
ここでフォロースルーをしっかり入れたスライスとなると
どうしても腕力でボールを運ぶことを優先させてしまう。
そんな不効率なスライスは試合で使えないからね。
 
そういった練習で効率良くボールを飛ばせるスライスのコツを
掴んでからフォロースルーを付けていけば良い。
でも実際、試合の中でもフォロースルーをしないで、打った瞬間
スィングを止めるようなブロック系スライスもよく使うよ。
大きく左右に振られた時などは、スライスで凌ぐんだけど、打った直後
出来るだけ早く元のポジションに戻らないといけないでしょ?
そういう時はフォロースルー無しのブロック系スライスが必要。
それから、ブロック系スライスは、ボレーなんかにも
応用しやすい。
 
スライスの基本練習をする時、状況としてはあまり追い込まれた
場面でやらないでしょ?
ボール出し練習でやったり、相手とお互い動かないで打ち合ったり。
そうなると時間的にもポジション的にも余裕が出来てしまうから
どうしてもしっかりスィングするスライスになってしまうんだよ。
でもそんな状況下でのスライスも大事だけど、それよりも欲しいのは
走らされてギリギリの状態からスライスで凌いだり、相手の
速いショットを受けた時に使うブロック系のスライスショット。
そのためにもコンパクトなテイクバックでフォロースルー無し
という条件でスライスを練習してみよう。
労力を惜しまないとスライスは上手くならないよ。

テニスコーチとして一番重要なこと。[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/07/09(月) 02:24

テニスコーチなんて簡単だ。
誰でも出来るよ。
テニスの技術?
そんなの関係ない。
 
なーんて思ったのは23才の時。
高校に入ってからテニスコーチを始めたのに
高2の夏休みでテニスコーチデビューが出来たから
そう思ったかと言うと、全然違うのだ。
むしろ、それまでは苦難の連続だった。
レッスンの中で教える情報は少ないし、練習パターンも乏しいし、
大勢の人に向かって話をすることも簡単には慣れなかったし
何よりテニスが下手くそだったからね。
 
「テニスコーチってなんだろう?」
そんな漠然とした疑問を抱き、不安を感じたまま毎日毎日
コートに立ってレッスンをこなし続けた。
先輩コーチのレッスンを見て勉強しようとしたけど、
やっぱり経験のある先輩コーチたちは、教え方も上手いし
テニスも綺麗なんだよね。
余計にテニスコーチの難しさというか、奥深さを感じてしまい
自分自身がコーチとしてどういう存在でコートに立てば
良いのか分からなくなってきた。
 
それでも徐々に経験を積みながら、テニスの技術も
上げること出来たので、テニスに対して自信も高めることが、
出来て、やっとレッスンってどうやるのか分かってきた。
でも一番決定的だったのは、とある先輩コーチから言われた
一言がキッカケなんだよ。
 
その先輩は俺より10歳以上離れたコーチで、俺よりテニスが
強かっただけでなく、左利きでネットプレーが抜群に上手い
憧れの先輩コーチ。
でも普段から色んなところでその先輩コーチは練習もレッスンも
していたから、なかなか一緒に練習する機会は無かったんだけど
ある日、俺に連絡が来た。
「今度の横浜市民大会、一般のシングルスで優勝したい。
高西、手伝ってくれないか?」
横浜市民大会は単なる市民大会とは違い、規模が大きい分だけ
レベルも高くなる。
そんな横浜市民大会のシングルス優勝を狙うための
練習パートナーになって欲しいと言われたのだ。
もちろん「僕で良ければ!!」とすぐOKをした。
 
それからはその先輩コーチと毎日のように練習。
俺より強いし先輩のコーチだったけど、俺としては毎日彼の
テニスを受けながら、段々と俺自身が気になった彼の
ダメな部分を言うようになっていった。
それは毎日受けていると分かる「良い時」と「ダメな時」の
違い・・・たったそれだけなんだけどね。
「俺の意見」とか「俺が持っていた情報」っていう
偉そうなのではなく、その先輩コーチを毎日観察して得た
単なる客観的な情報をただ淡々と毎日伝えるようにしていた。
だって格下の後輩ではあるが、それ以上に優勝してもらいたい
という思いがあったからね。
 
結果、その先輩コーチは横浜市民大会のシングルスを
見事優勝したのだった。
そして一番にまず俺に電話をかけてくれた。
「高西のおかげだよ。一緒に練習してくれてありがとう。
練習の時、色々言ってくれたおかげで優勝が出来た!」
そう言われて、本当に嬉しかった。
そしてその時、
「テニスコーチって簡単になれるんだ」って思ったのだ。
 
最初、俺は単なるヒッティングパートナーでしかなれないって
思ってたけど、その人をちゃんと観察して、その人の中の
いい部分と悪い部分を見つけ出して、ちゃんと情報として伝える
ことが出来れば、それは立派なコーチと言える。
もちろん自分なりの意見を述べたり、新たな情報をもたらすことも
必要なことではあるが、基本は「ちゃんと見といてあげる」
なんだよね。
 
その先輩コーチから「ありがとう」って言われてからは、俺は
今まで以上に自信持ってどんな人にも、どんなレベルにも
自信持ってレッスンすることが出来るようになった。
自分より強い選手や、見たことないテニスをやる選手の
コーチやる時でも、まずはその選手のプレーを
たくさん見てあげて、それからその中の良いプレーを指摘して
増やすようにしてもらい、また悪いプレーも指摘して、それを
減らすようにしてもらえばイイことでしょ。
 
テニスコーチって簡単に出来るって思わない?
まずは周りでテニスをやっている人のテニスを
ジッと見てあげて、そのいい部分と悪い部分を指摘出来る
くらいになっていれば、コーチになれますよ。

だから試合でサングラスをかけなかった[てにすまん 高西ともブログ]

投稿日時:2012/07/06(金) 00:18

車を運転するとき、サングラスをかける。
眩しいので目が疲れてしまうからね。
レッスンの時もだいたいサングラスをかける。
でも現役の頃、選手としては一度もサングラスをかけて
試合をやったことが無い。
練習の時も殆どかけたことはないな。
そう言えば、テニス選手の殆どが試合中、サングラスを
かけないよね。
最近は女子の選手を中心にサングラス着用の選手は
増えてきたけど、なんでサングラス無しの選手が
多いんだろう・・・。
 
俺の場合、試合を出始めた若かりし頃は、プレー中も
しっかりフィットしてプレーしやすい良いサングラスを
持っていなかったし、そもそも天気がいい日は眩しいのが
当たり前って思ってたから、「眩しいからサングラス」なんて
考えたことも無かった。
でも色々サングラスを購入して運転の時やレッスンで使うように
なると、コートではサングラスをかけてプレーを続けた方が
目はとっても楽だって思い始めた。
 
だから「サングラスをかけて出場」って考えたことも
あるんだけど、そこでその考えが実行されなかった大きな
要因は、応援に来てくれる方々へ素顔を見せたいって考え。
それと、大会に出場すると、カメラマンにプレー中の写真を
撮られることもあるんだけど、そういうカメラマンにも
サングラスの姿より、素顔でプレーしている自分を
撮ってもらいたいって思ってたから。
「眩しい」ってことよりも、周りから自分自身の素顔を見られる
ことを優先させたんだよ。
でもこの考え方、単なるナルシストとかじゃなくって俺にとっては
テニスの内容を左右するくらい重要なことだったんだ。
 
だって俺は試合の時、観客が多い方が断然プレーは
良かったんだけど、その理由は誰かに見られている方が
逃げないテニスをすることが出来たので、自分自身の
理想とするプレーをどんな状況でも堂々とし続けることが
出来たからなんだ。
応援してくれるお客さんは、観客というより俺にとっては
監視役という風に写っていた部分があるのだ。
そんな監視役の皆さんに、
「俺はしっかり自信持ってやってるぜ!」
って感じのアピールをするためにも、サングラス無しの
素顔を見せたかったんだよ。
 
他の選手はどうなのか分からないが、俺が現役の頃
サングラスを着用しなかったのはこんな理由があったから。
でも一度、世界のトップ選手たちにも着用しない理由を
聞いてみたいって思う。
恐らく彼らも「だってテレビに映ってるから」って言うと
思うんだけど・・・皆はどう思う?
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